世田谷こども守る会・3周年イベント「4年目のごはんのはなし」

2011年の東電原発事故から3年が過ぎました。現在、私たちが口にしている食品はどのような状況になっているでしょうか。今年6月、「世田谷こども守る会」の3周年イベントで行ったプレゼンテーションの内容をご紹介いたします。

日報ダイジェストってなに?

まずは、私の主な活動である「厚労省日報ダイジェスト」についてご説明します。厚生労働省では、全国の自治体が実施・報告した放射性物質の検査結果をPDF形式で集約したものを、これまでは週末と祝日を除く毎日、2014年5月からは1週間分をまとめて、インターネットに掲載しています。これらを元に検出情報を整理したものが「マダムトモコの日報ダイジェスト」です。ダイジェストでは日々の暮らしや給食食材などで身近な品目を中心にピックアップし、メーリングリストで無料配信しています。食についての考え方や事情は人それぞれなので、情報は「〇検体中〇件、〇〜〇Bq/kg」など、相対的な検出状況を書き出したものにまとめのコメントを添える形式で発信し、情報を受け取る人が 個々に「自分のものさしを持ち、自分のベストを選ぶこと」ができるよう心がけています。配信は毎日読んでも苦にならないよう、時間が無ければまとめコメントの赤文字だけを拾い読みできるよう工夫しています。このスタイルに共感してくださる方が少しずつ増え、現在の配信登録者数は2000人を超えています。

さて、本題に入りましょう。2013年6月から2014年5月までの1年間の基準値超過品目トップ5は、見ての通りズラリと「山のもの、川のもの」です。野生キノコについては自治体により出荷制限がかけられているにも拘らず、地元の人が道の駅で販売していたケースもありました。地元直販の農産物は魅力的ですが、品目によっては注意が必要です。

コシアブラ
基準値超過品目 第4位の山菜「コシアブラ」は、東京ではあまり馴染みのない食材ですが、インターネットで調べてみたところ、どうやらタラノメのように木の新芽の部分を食すもののようです。基準値超過が報告された自治体は、長野・栃木・宮城・山形とあり、ここにはありませんが新潟でも1件報告がありました。長野県では軽井沢や長野市でも見つかっており、コシアブラに限っては私たちが想像するよりも更に広い範囲で基準値超過が見られます。その理由は、高濃度の重金属を蓄えるというこの植物の特殊性にあり、「ハイパーアキュミュレーター(hyperaccummulator)」とも称されるそうです。山菜や野生キノコはとても美味しいものではありますが、これらは「そういう性質のもの」として理解し、ほどほどに付き合っていくべきなのかもしれません。

タケノコ
続いてはトップ5の5位にあったタケノコについてですが、こちらは最近の1年間で興味深い傾向が見えてきました。

資料は千葉県のある町内で採取された検体の数値を表したものですが、最も低いものは1kgあたり2.6ベクレルであるのに対し、高いものは1Kgあたり92ベクレルと、非常に大きな差があります。原発事故から3年が経ち、放射性物質は雨や風によって次第に「溜まりやすい場所」へと移動していることが理由のようです。タケノコなど、農作物であっても山林のような環境で育つものに関しては、確実に「高台の辺りから採ってきた」など採取場所が分かる場合以外は、常にその地域の最大値を念頭に置く必要があるでしょう。いただきものをしたり、関東圏の品物を買ってきた場合には、その地域の測定値の幅を調べたり、または実際に測定してみることをお勧めします。

堀ともこ(世田谷こども守る会)