【報告書】ナノテクノロジーとヒトの健康:科学的証拠とリスクガバナンス

1. Introduction

ナノテクノロジーの利用に基づくナノマテリアルおよび製品は市販され、その利用は増加傾向にある。環境と健康についてのパルマ宣言(注1)においては、ナノテクノロジーおよびナノ粒子類の健康影響は、実践すべき行動として重要な環境・健康の課題の中に挙げられている。製品中のナノ粒子類およびナノ物質の利用についての研究増加の要望と相まって、各国の所管大臣は健康リスクとベネフィットのアセスメント方法の開発と進展を誓約した。ナノマテリアルの環境・健康・安全についての研究は、広範囲にわたり急速な成長を遂げている。世保健機関(WHO)欧州支局は、ナノテクノロジーと健康との関連について、最近および現在の研究をレビユーした。この作業からの知見は、厳密なアセスメントは実行できそうになく、「リスク・ガバナンス」の実用的モデルが望ましいことが示された。WHO欧州支局は、いかにして、ナノテクノロジーのリスク・ガバナンスの推進に寄与するかを探るため、2012年12月に2日間のワークショップを開催した。WHOへのインプットを目的として、広範囲の専門家の参加者が、彼らの学識発表のために招待された。ナノテクノロジーと健康についてのバックグラウンド資料(本問題の包括的かつ体系的なオーバービューを代表するものではない)が、本会合の基礎として用いられ、本リポートに収載されている。参加者によるプレゼンテーションのアブストラクトは本リポートの付属文書に収載されている。このワークショップにおける論議は、次の4件の重要領域に集中された。

訳注:小林 剛
【目 次】

1. Introduction

1.1 世界におけるナノマテリアルの利用と傾向

2. 暴露アセスメント

2.1 直接および二次的暴露
2.2 暴露メトリックスの決定
2.3 幼児およびその他の脆弱小集団の暴露
2.4 暴露アセスメントおよび毒性データの産出

3. ナノトキシコロジー
3.1 一般的な毒性学的手法
3.2 有害健康影響の可能性
3.3 脆弱者の小集団

4. リスクアセスメント

4.1 個別のナノマテリアルのアセスメント
4.2 リスクアセスメント評価の選択
4.3 ナノ製品のライフサイクルの側面
4.4 検出、追跡、監視

5. 規制およびリスク・ガバナンス

5.1 進行中の規制イニシアティブ
5.2 リスク・ガバナンス
5.3 リスク・コミュニケーション
5.4 多くの分野の利害関係者間の対話
5.5 国境越えの環境・健康・安全問題

6. 結論

参照文献