みんなの保健室 陽だまり(埼玉県草加市)

市民科学研究室 「健康まちづくり」ヒアリング報告01

みんなの保健室 陽だまり(埼玉県草加市)

服部満生子さん(看護師)、小野けいさん(看護師)、山田敏子さん(相談支援ワーカー)

健康でその人らしく暮らすことをサポートしている看護師等のグループ、みんなの保健室 陽だまりの代表を務めている服部満生子さんにお話を伺いました。

活動のきっかけは、医療政策と現実のギャップに気づいたのがきっかけでした。以前勤務していた病院では、患者さんが自らの健康問題に向かい合い、医療を納得して受けられるよう医療図書の用意や相談窓口として患者さんのお手伝いをしていましたが、病院では決められた範囲でしか動けず、個別相談の時間を多くとることができず、個別などの相談を受けられるには有料の教室を開催しなければならない、などの問題がありました。
そのため、困っていることを手軽に話せる場所を創り、地域に住む方のサポートすることが必要だと思い始めました。

看護師等の仲間7人で「草加市にみんなの保健室をつくる会」を発足し、1年間の準備期間中に地域が抱える問題を調査しました。
スタッフ一同、地域の住民に対して健康相談できる場所を作れば良いと考えていたのですが、集まれる場所を作り、話すことができる、仲間が作れる場所がほしいとの声が大きいことに気付かされました。また、政府の介護・医療制度を期待してしまう受給者意識を持っている方が少なくないことにも気付かされました。

どんな年齢でも社会参加することを喜びとされ、居場所作り、楽しく暮らせることが大切です。そのための場所づくりなどの支援が必要です。
また、新聞に載るほどに問題意識が高まらないと動かない政府に期待し、どんなに素晴らしい制度を作ったとしても財政問題などで破綻してしまう恐れもあります。個人の問題はご本人が出ていき、人とつながって解決していかなくては、誰も何もしてもらえない事が多いものです。受給者意識を持っている方は意識変化が必要です。住民側が主体となり相談できる場所や集まる場所を作るなどの取り組みをし、お互いに生活を支え合う社会になっていかなければならないと思っています。

現在は2016年4月より「草加市 みんなの保健室 陽だまり」として活動を開始し、活動は10回目を迎えました。

毎月第4土曜日14:00~16:00に東武スカイツリーライン新田前にある喫茶「ツネ」の協力を得て、健康をテーマに悩みを語り合い、朗読や素敵な音楽を聞きながらおしゃべりできる場所と時間を設け、保健師・薬剤師・臨床検査技師のよる季節別にかかりやすい病気の原因や対策を伝える講座も行っています。その他に中学校の吹奏楽部の協力により、クリスマス演奏会などを行い、地域住民との交流を図りました。これからも地域住民と関わりをもつことで学校以外の場所で子どもたちにとってよいカタチの教育ができたらと思っています。
参加者の呼びかけは主にはチラシとFacebookです。参加表明はしていただいていませんが、いつも参加者は60名ほどいらっしゃいます。

この活動をしていて悩むこともあります。個別の相談について、どこまで介入してよいのかという点です。参加者にカードを配り、そこに現在抱えている悩みを書いてもらうようにしているのですが、問題として上げる方はあまりいらっしゃらないのですが、深くは関わっていないのが現状です。しかし良いこともたくさんあります。アンケートには毎月の休まずに楽しみに参加しています。子ども連れのお母さんが世代間交流もできるとの声も上っています。もしかしたら引きこもりの予防につながっているのかもしれませんし、世代間交流はこれからも積極的に取り組んでいきたいテーマです。

これからも目指すところは、お互い様のコミュニティづくりです。
元気に暮らすことを支援し、居場所を創り、ともに学び・ともに助け合う。それが心の安定と安心サポートになり、困った方の支援をつなぐワンストップ機能として、活動をしていきたいと思っています。

2017年1月12日ヒアリング実施
ヒアリングとまとめ:上田昌文+外園海稀+小林友依