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人類は20世紀初頭前後、放射線・放射能を発見するやいなや、医療の診断や治療に使い始めました。 そして、1945年の米軍による原爆開発成功と広島・長崎への実戦使用以降、核エネルギーの本格的な軍事利用、 平和利用が始まりました。科学者も放射線・放射能が人体や環境にどのような影響を与えるのかよくわかってはいませんでした。国家主導で使いながらその効果・影響を調査・研究し、実験や事故や労働現場だけでなく、見えない低線量被曝により数々の犠牲者、被害者を生みながら、人々をごまかし続けてきました。調査・研究はアメリカ、日本はじめ各国政府中枢の命令により、科学者が実行してきました。成果は被害者のために生かされることなく、知識は市民と共有されていません。なぜこんなことをしているのか、どうしてこんなことになってしまったのか、歴史的、科学的に探りながら、状況を変えていく手立てを見いだすべく活動しています。
2003年低線量勉強会の発足時は、放射線被曝のリスクモデルを根底から見直した『ECRR報告書』を読み解き、その結果を市民科学講座や『市民科学』誌上で発表しました。2006年には米国科学アカデミー(NAS)/米国研究評議会(NRC)の下に置かれている放射線影響研究評議会(BRER)内の「電離放射線の生物学的影響」に関する委員会による新しい報告書の要約版を翻訳してホームページ上に公開しました。さらに、ICRP(国際放射線防護委員会)の新勧告(2007年)を読み、「ヒロシマ・ナガサキの原爆被爆とヒトゲノム計画のつながり」の歴史的検証、広島・長崎にある放射線影響研究所の資料調査を行いました。
今に至るまで最も大規模に人体への被曝を行った広島・長崎での日米の政府・軍・科学者による原爆調査にひとつの発端があります。私たちはこの問題に正面から取り組み始めた笹本征男氏の論考を発展させようと考えています。これまでに、笹本氏が協力・出演したNHK番組や関連するドキュメンタリー映画の紹介をしました。2009年3月には広島・長崎の現地を訪れて原爆調査の跡をたどり、その後、新たな史料の発掘やまとめ、新たな番組への協力を通して2010年3月に亡くなった笹本氏の歴史研究を再検証しています。
市民の立場から歴史研究と科学研究を並行して行っているところに低線量被曝研究会の特色があります。
1.「低線量放射線被曝のリスクを見直す」
~『ECRR報告書(欧州放射線リスク委員会2003年勧告)』をふまえて~
・ 放射線ホルミシスと放射線影響(西尾信一)
・ 「ヒロシマモデル」批判 (笹本征男)
・ ECRRメカニズム(瀬川嘉之)
・ ECRR報告書-その論理の構造を読み解く(上田昌文)
2.低線量放射線被曝リスクをめぐる最近の動向── BEIR VII 報告を中心として
BEIR委員会とは、米国科学アカデミー(NAS)/米国研究評議会(NRC)の下に置
かれている放射線影響研究評議会(BRER)内の1つの委員会で、「電離放射線の生物学的影響」に関する委員会のことです。
BEIR報告は、アメリカ国内にとどまらず、これまでにも国際的な放射線防護基準の基礎とされるICRP(国際放射線防護委員会)の勧告やUNSCEAR(国連・原子放射線の影響に関する科学委員会)の報告にも大きな影響を与えてきた重要な報告書です。低線量放射線被曝による発がんなどのリスクについて、「放射線被曝には、これ以下なら安全」と言える量はないとの見解を示し、それが、近く出されることになっているICRPの新勧告や、さらには日本国内の放射線防護指針に、どのように反映されるのか、注目されます。市民科学研究室「低線量被曝プロジェクト」のメンバーがその報告書の要約部分を全文訳しました。ご利用いただければ幸いです。
・低線量放射線被曝リスクをめぐる最近の動向
(柿原泰による解説)
【翻訳】「低線量放射線被曝に関する「米国科学アカデミーBEIR委員会報告書(BEIR VII報告書)」
・「無料の概要(Free Executive Summary)」iページ
・「放射線を表わす単位」ii-iiiページ
・「一般向け概要(Public Summary)」1-16ページ
・「行政・専門家向け概要(Executive Summary)」17-29ページ
3.ヒロシマ・ナガサキとヒトゲノム計画 (第1回および第2回 笹本征男)
参考:インタビュー 占領下の原爆調査が意味するもの(笹本征男) 上 ・ 下
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