【書評】『「走る原発」エコカー:危ない水素社会』

投稿者: | 2015年10月5日

書評:『「走る原発」エコカー:危ない水素社会』
上岡直見 著
橋本正明(市民研・会員)
PDFファイルはこちら→csijnewsletter_032_hashimoto_20150925.pdf
“「走る原発」エコカー”私がこの奇妙なタイトルの本に遭遇したのは、ある大型書店の大きな書架を曲がりきった処であった。一見して人の注意を惹きつける黒と黄のコントラスト、いわゆる踏切の遮断機の色だ。自然界ではそれは「警戒色」と言われ、他の生物にその存在と危険性を知らしめる役割を果たす。
それにしても奇妙なタイトルだ。いや、エコカーが「走る原発」だって言われても私のここ10年来の愛車はその代表格ともいうべきプリウスで、東日本大震災の際にはガソリン不足の中、たまたま直前に満タンにしていたとは言え、一度も給油せずに1ヶ月にも渡る窮乏生活を共に乗り切った信頼のおける私の相棒である。それが原発と何の関係があると言うのだ…?そんなバカな、この著者は何を言っているのだろう。そう思いつつ手に取ってパラパラとページを捲ってみた。行間は狭くない。大抵このような本は細かい字がビッシリと詰め込まれているものだが。フム…。どうやらかなり読み易そうだ。
さて、まずはそのタイトルだが、一般的にもそれはその著者の人となりや思想の片鱗を顕し、その本の粗筋であり、結論であることが多い。それにしても原発とエコカーとの繋がりとは何なのであろうか。筆者はどんな意図、どんな想いを盛り込もうとしたのだろう。
本の巻頭、もしくは巻末には著者のプロフィールや経歴が記されている。この書を紐解く入口のカギはそこにあるはずだ。まずはそこを見てみよう。筆者である上岡は技術系最高資格と位置付けられている技術士の化学部門の資格を保持し、長年コンサルタント事業に携わり、主な著書に「交通のエコロジー」、「乗客の書いた交通論」、「クルマの不経済学」がある。成程、車を切り口とする交通論に自信がある訳である。
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