低線量被曝研究会

放射線被曝に関わる問題は、医療における診断や治療での利用の場面、広島・長崎での原爆被爆者や世界各地での核実験によるフォールアウト(死の灰)、原発事故による健康被害・環境汚染の拡大、きわめて長期間にわたるであろう放射性廃棄物の問題など、多くの問題があります。放射線被曝のリスクに関する科学的・医学的研究は、核・原子力の開発・利用の歴史のなかに位置づけて捉えてみれば、注意を払いつつ、参照しなければならないことが見えてきます。また、人々や環境を放射線の影響・被害からまもる(放射線防護ということばが使われています)ためには、現在影響力をもっているICRP(国際放射線防護委員会)などの策定する防護基準には問題が多大にあり、市民の観点から見直し、改めていく必要性を痛感します。

低線量被曝研究会では、この数年間は、東京電力福島原発事故後のICRPの報告書(ICRP Publ. 146)などの検討に関連する取り組みを軸にしながら、市民のための放射線防護の基本指針の策定を目指した活動を続けています。

低線量被曝研究会は、2003年に発足し、これまで国際的な機関のさまざまな報告書の読み解きや原爆調査に関する歴史的研究などに取り組み、定例の研究会に加えて、公開の市民科学講座やシンポジウムなどを、時には交流のある他団体と共催するなどして、開催してきました。詳しくは、こちらをご覧ください。。

▶次回研究会の開催日時:こちらから
▶読書会テキスト:榊原崇仁『福島が沈黙した日――原発事故と甲状腺被ばく』集英社新書2021年
▶次回の読書会で取り上げる章や節:第1章と第2章