VIPROS(生命科学での映像製作の支援)プロジェクト

VIPROSは、発展が著しい生命科学分野で、生命現象を探求し理解するために必須の手段となっている映像・動画の製作を、過去の作品や映像資料の管理や活用といった面を含めて、その公共的な価値をみすえながら、いかに支援するかを探るプロジェクトです。

★プロジェクト創設の趣旨と4つの目標(2023年4月10日)

趣旨文・4つの目標(呼びかけ文)【下記にも同文を掲載】

発起人:
上田昌文(NPO法人市民科学研究室 代表)
細野朗(日本大学生物資源科学部 教授)
松井毅(東京工科大学応用生物学部 教授)
山口英世(帝京大学 名誉教授)
川村智子(株式会社アイカム 社長)
武田純一郎(株式会社アイカム 会長)

2ヶ月に1回ほどの頻度で、オンラインで「VIPROS」会議を開き、具体的な取り組み内容を決めています。この会合には、ご関心のある方ならどなたでもご参加いただけます。参加を希望される方は、この下に赤字で記しました「お知らせ」をお読みの上、参加申込をしてください。

VIPROS会議は1時間半から2時間で、①「知る」映像制作の事例や話題を紹介する(第一部)、②「広げる」生命科学映像の視聴の機会を普及させるための方策を考える(第二部)、③「手がける」生命科学映像作品の実際の製作に向けて方策や諸課題を検討する(第三部)、という3部構成ですすめることになっています。

★第5回会合のお知らせ

(現在日程を含め、検討中です。)

以下は、これまでの会合で報告されたことに関する資料です。
なお、これまでVIPROSの意見交換会や会議にご参加いただいた方であれば、どなたでも、第1回~第4回の会合の動画をご覧いただけます。
また、第5回のVPROS会議から初めて参加される方(確実にオンラインでご出席いただける方)についても同様にご覧いただけます。
視聴を希望される方は、こちらのフォームから、その旨をお伝えください。

●第4回会合 報告 2024年2月17日

第1部 科学映像の教育現場での活用事例紹介【議事録参照】
 免疫の観点からの生体イメージングについて 戸村道夫さん (大阪大谷大学)
 第33回日本バイオイメージング学会学術集会のことで 上田昌文さん
第2部 生命科学映像の視聴の機会の普及 【議事録参照
 クラウドファンディングによる生命科学映像の寄贈の決定についてなど 川村智子さん
第3部 映像制作と利用の事例紹介 【レジュメ参照】 【議事録参照】
 生命科学研究の「物語」を創る:最新の総説や論考を一つの手がかりにするには 上田昌文さん 

 

クラウドファンディングによる「いのちの科学映像」寄贈先の8校が決まりました(2023年12月)
詳しくはこちらからご覧ください

●第3回会合 報告 2023年11月11日

第1部 科学映像の教育現場での活用事例紹介【議事録参照】
「大学と看護学校と高校の授業での科学映像の活用」
 吉岡有文さん(元立正大学社会福祉学部子ども教育福祉学科・特任教授、看護学校(看護物理学)・都立高校非常勤講師(理科/情報科))
第2部 生命科学映像の視聴の機会の普及 【議事録参照】
 クラウドファンディング、かわさき市民アカデミーでの取り組み 川村智子さん
第3部 映像制作と利用の事例紹介 【議事録参照】
(1)帝京大学の「医真菌映像アーカイブ」 槇村浩一さん(帝京大学 医真菌研究センター 教授 (副センター長))
(2)初期発段階のヒト胚を細胞レベルの分解能で画像化した論文の紹介 上田昌文さん

 

●第2回会合 報告 2023年9月20日

第1部 映像制作の事例紹介【議事録参照】
「アルツハイマー病治療薬レカネマブ開発に関連する映像紹介」 根本優子さん(長崎大学)
第2部 生命科学映像の視聴の機会の普及 【議事録参照】
 中学・高校への生命科学映像の普及について ほか 
第3部 映像制作と利用の事例紹介 【レジュメ参照】 【議事録参照】
「Nature Nature ダイジェスト」にみる生物学の最近のトレンド 上田昌文さん

 

●第1回会合 報告 2023年7月12日

第1部 映像制作の事例紹介【議事録参照】
「皮膚のライブイメージング動画撮影を用いた解析例の紹介」
 松井毅さん(東京工科大学 応用生物学部 食品・化粧品専攻 化粧品コース 皮膚進化細胞生物学教室)
第2部 生命科学映像の視聴の機会の普及【議事録参照】
第3部 映像制作と利用の事例紹介 【レジュメ参照】 【議事録参照】
 公益性の高いテーマをどのように見出していくのか 上田昌文さん

 

VIPROS(生命科学での映像製作の支援)プロジェクト ご参加・ご賛同の呼びかけ

 

発起日:2023年4月10日

発起人:
上田昌文(NPO法人市民科学研究室 代表)
細野朗(日本大学生物資源科学部 教授)
松井毅(東京工科大学応用生物学部 教授)
山口英世(帝京大学 名誉教授)
川村智子(株式会社アイカム 社長)
武田純一郎(株式会社アイカム 会長)

 

【呼びかけ文】

映像や動画が医学・薬学・生物学の研究に不可欠な手法になりつつあります。学会発表や論文でも、動画は新たな知見を示すデータや証拠として用いられることがますます増えています。研究の一環として映像撮影や動画作成に自ら取り組む研究者も増えてきていますが、機材を揃え、扱いに習熟し、完成度の高い映像データを作ることは、多くの場合、研究者個人ではハードルの高い作業になっていると思われます。

一方、動物個体や細胞を培養しつつ、高度な顕微鏡撮影技術を駆使して、誰も見たことのないような生命現象をリアルに映像化する技術は、今や(株)アイカムなどのごく限られた数の映像製作会社しか持っていないのが現状です。その技術力は世界的にみても最高水準にあり、製作のノウハウを含めてその技術を継承していくことは、日本の今後の生命科学研究にとって重大な課題だと言えるでしょう。これは、単に研究データの一コマとしての精緻な映像資料を作るというだけでなく、映像作製を研究テーマや研究プロジェクトに予め組み込むことで、新たな重要な発見や説得力の非常に高い検証をもたらす可能性がある、まさに研究の内実をどう高めるかに関わる事柄です。研究そのものの意義や研究成果を社会にアピールしていく上で、学問の歴史的展開をふまえたストーリー性のある映像作品が、大きな効果を発揮することは言うまでもありません。

ところが、今述べたような、研究の意義を大きく高めそれを社会に強く知らしめる映像撮影であればあるほど、製作時間とコストがかかることが避けられません。かつては、大手製薬企業など企業メセナ的な側面も含めた支援や、学会による特別企画での支援もありましたが、現在そうした状況は失われ、研究のための本格的な映像作製を手掛けることはますます難しくなっています。

生命科学映像には、もう一つ重要な社会的役割があります。医学・薬学・生物学を学ぶ学生に、また、一般市民にも、図解や静止画(写真)では決して伝えられない、生きた生命現象の本当の姿を伝えるには、映像が不可欠です。その利用は、教育に携わる者であればなおさら、誰もが渇望しているはずです。過去の映像作品を含めて、学生の教育などに生命科学の映像をどう利用できるようにしていくかが、大きな課題となっているのです。

このような現状をふまえて、そのよりよい解決に向けて、私たちはVIPROS(=Video Production Support in Life Sciences, 生命科学での映像製作の支援)プロジェクトを立ち上げ、以下の4点を推進していきます。

4つの取り組み課題

1)生命科学(医学/生物学/薬学)研究者らが持つ動画製作のニーズ(今どんな映像を作りたいか、作ることが求められているか)や、それに関連するどんな技術やノウハウが必要とされるか、について自由に意見交換する場を設け、運営すること

2)1)の機会を生かして、新しい映像作品の製作に向けての機運を高め、具体的な企画案が醸成されるように取り計らっていくこと

3)過去の映像作品を徐々にアーカイブ化しつつ、それらを教育や一般市民の啓発に活かすために、どのようにうまく提供していけるかを検討し、そこで得られたアイデアを実行していくこと

4)国、企業、大学、自治体、そして一般市民からどのように支援を得ていくかについて議論し、その提案をまとめ、行政に働きかけ、科学政策・文化政策などに反映させていくこと

VIPROSに関連するイベント報告やアイカムの事業の紹介

1)2022年11月23日の科学映画シンポジウム「いのちの科学映像が切り拓くもの ~アイカムの50年の足跡から考える~」

2)同シンポジウムでの上田の基調講演「アイカム生命映像の特質と意義」【動画】

3)市民科学研究室主催の市民科学入門講座での川村の講演
第23回市民科学入門講座「アイカムが創る”生命”の科学映画の世界(2021年6月7日)」【動画】