子ども料理科学教室


市民科学研究室が独自に開発した、科学実験と料理の技の習得を結合した新しい食育プログラムです。10 種類のテーマからなり、それぞれが1 回分の講座になっています。実験しながら料理を作ることで、「なぜこの調理法でうまくいくのか?」を、五感をとおして自ら探求することになります。参加した子どもと親から大きな好評をいただいている、斬新な理科教育プログラムです。

10種類の講座メニュー
子ども料理科学教室は10種類の出前メニューからできています。
それぞれが1回(2時間ほど)の実験講座ですが、招いてくださる側の条件にあわせて、様々な形で実施することができます。全10回で和食の基本メニューをひとわたり扱うのも大きな特徴です。
以下の実施報告(その1)と(その2)で内容をご覧ください。

実施報告 その1(2005年から2008年 第1回から第10回、PDFファイル)
第1回 土鍋でお米をおいしく炊く秘訣
第2回 野菜の甘さを生かしたクッキーづくり
第3回 ダシの秘密をさぐる
第4回 発酵という魔法 ~小さな生き物(微生物)の大きな力をさぐる
第5回 わかる!使える!料理の道具たち
第6回 塩が料理にとっても大切なわけ
第7回 野菜はお友達!~育てる、作る、食べるのわざ
第8回 豆や卵がカラダに変わる?!~たくさんの顔を持つタンパク質の不思議
第9回 捨てないでおいしく長持ちさせるわざ~食べ物をとことん生かす保存食
第10回 マイ・レシピでおいしく作ろう!~煮物、炒め物、和え物、デザート…

子ども料理科学教室の紹介動画
こちらから

子ども料理科学教室 パンフレット
こちらから

子ども料理科学教室ミニ実験動画(10本)
塩の働きを知るカマボコ作り
カイロでブロッコリーを長生きさせる
タンパク質の性質を知る3種類のゼリー作り
塩のかわりに砂糖で野菜を揉んだらどうなる?
簡単な温泉玉子づくり
生クリームからバターを作る
加熱による違いについて
カイロでペットボトルの中の空気を取り除く
保存剤(シリカゲル)は何度も使える?
ビタミンCの多い少ないがうがい薬でわかってしまう

実施報告 その2(2015年 NPO法人「ポラン広場」との共催事業 第1回から第10回)
詳しくはこちら(外部サイト)
第1回土鍋でお米をおいしく炊く秘訣
第2回野菜の甘さを生かしたクッキーづくり 
第3回塩が料理にとっても大切なワケ 
第4回野菜はお友達!~育てる、作る、食べるの技 
第5回わかる!使える!料理の道具たち 
第6回醗酵という魔法~小さな生き物(微生物)の大きな力をさぐる~ 
第7回ダシの秘密をさぐる 「ダシ」ってなぁに? 「うま味」って…? 
第8回豆や卵がカラダに変わる!?~たくさんの顔を持つタンパク質の不思議~
第9回捨てないでおいしく長持ちさせる技~食べ物をとことん生かす保存食~
第10回マイ・レシピでおいしく作ろう!~煮物、炒め物、和え物、デザートetc.

出前授業やイベントでの共催などを希望される方々へ
・ガスコンロのある調理実習室を使用します。
・参加する子どもは 20 名までが標準です(小学校 1 年生から中学 3 年生までなら、学年を問いません)。
・直前の準備に 1 時間、授業で 2 時間、後片付けに30分ほどを要します。
・市民科学研究室からの派遣スタッフ(講師)は 2 名~5 名です。
・低学年の場合は保護者の参加を原則とします(実験は子どもたちだけで行い、時々サポートしていただきます)。
・使用する食材などでの制約がありますので、出前のリクエストをいただいた場合には予め個別に相談をさせていただきます。
・実施日や料金など詳しいことは市民科学研究室までお問い合わせください。

子ども料理科学教室の目指すもの

生活者が自身に必要な専門知を上手に取り込み、主体的に科学技術を選択し、使いこなしていくためには、科学の学びや技術の習得のプロセスそのものが、そうした取り込みや選択や使いこなしを誘発するものでなければなりません。理科であれ数学であれ、現在の教育では学ぶことが生活をよりよくすることに直結しなくても、問題視されることはありませんし、高度な科学技術が容赦なく生活に入り込んでくる現状をふまえて、主体的な生活を営むのにいかなる技能の取得が必要かという視点は、ほとんど欠落したままです。「技術家庭科」での学びが、よりよい食生活の確立やよりよい住環境の創造にどれほど役立っているか、はなはだ怪しいといえるでしょう。

そこで私たちは「食」を扱うことで、科学の学びと生活技術の習得を統合させた新しい形を例示しようと考えました。

食べ物を作るという最も基本的な技術は、それをどう身につけて応用していくかで、生活自体を大きく変える可能性をもっていますが、理科の学びの観点からもじつに豊富な内容を含むものです。かつて実験生物学を学んだ私には、「料理は生化学そのものだ…」と思える瞬間が何度もありました。考えながら実験しながら“作り”、できたものを“味わう”ことで、自らの五感を働かせながら「なぜそうなるのか?」と自ら問うていく姿勢が生まれます。体験をとおして“理屈”がわかれば、それを忘れることもありませんし、その理屈を他の様々な現象に適用し、推理していく力も養われます。食べ物の具体性から、リアリティをもって科学を習得していく方法を例示することは、「リビングサイエンス」における学びの一つのモデルを示すことになるでしょう。

一方で「調理科学」「食品学」「栄養学」などが積み上げてきた分析的な知見があり、“料理のコツ”の科学的説明があります。もう一方には「物理」「化学」「生物」などのどれにも関係し互いに切り離すことのできない“食材”“調理”“食べること”の統合性・総合性があります。その両者をどう出会わせて、発見と探求の面白さを引き出す学びをデザインするか??そんなプログラムを、様々な専門家や「食」の問題に関る実践家たち、子どもの教育に携わる人たちと協力して、作り上げていきたいと思います。

2009年3月までに、上記の10個の実験講座プログラムメニ ューをひとわたり完成し、2015年に改訂を加えました。それぞれの実験講座は、さまざまな場で実施され、雑誌や 新聞にもたびたび紹介されています。学年や単元の枠を超えて、大人と子どもの 両方が楽しめ、かつ家庭内でも実施でき、調理技能を直接養うことも同時に可能 となる-理科と家庭科と食育が融合したこのプログラムは好評を博し、大きな注 目を浴びています。