食の総合科学研究会

食は生命活動に必須というだけでなく、暮らしと環境の改善の基本となるものです。この研究会は、食べ物と身体と料理の関係を(従来の栄養学に偏らず総合的に)科学の視点を持ち込んで解き明かすことを目指しています。この研究会ではこれまで、砂糖、油・油脂、大豆、米、雑穀など代表的な食材を順次取り上げ、その由来と歴史的変遷、生産と流通と消費の構造、環境負荷、身体への影響などを多角的に調査を進めてきました。また、ゆでる、煮る、焼く、揚げる……といった料理のプロセスや調理法に着目し、それがなぜ必要で、おいしさや栄養と結びつくのかを調べてきました。これらの成果をさまざまな雑誌などで情報発信してきましたし、食育雑誌やテレビ番組などの取材や企画・制作の相談も多数受けてきました。さらに、科学実験と料理の技の学びを結合した新しい食育活動である「子ども料理科学教室」にも取り組んでいます。「土鍋で美味しくお米を炊く秘訣」「野菜の甘さを生かしたクッキー作り」「発酵という魔法」など10種類のテーマでプログラムを開発し、学校や地域の活動に提供をしてきました。実験しながら料理を”作る”ことで、五感の体験に結びつけて、「なぜそうのか?」を自ら問う探求の姿勢を養うことになります。参加した方々(親と子ども)から好評をいただいている、斬新な教育プログラムです(出前・出張の授業も受け付けています)。今後は大人向けの料理科学講座も開発していくと同時に、持続可能な「食と農」をどう実現していくかを、日本と世界の食と農をめぐる様々な動向を調べつつ、特に大都会の市民から何ができるか、何をすべきかを、具体的な前進のアイデアをまとめ、提起していきたいと考えています。

▶次回研究会の開催日時:こちらから
▶読書会テキスト:
書籍『風景をつくるごはん 都市と農村の真に幸せな関係とは』
書籍 “Saying NO to a Farm-Free Future The Case For an Ecological Food System and Against Manufactured Foods”
▶次回の読書会で取り上げる章や節:
『風景をつくるごはん』第1章、第3章、第4章

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