2025年の2月に市民科学研究室の上田は、10年ほど前に出版された『身の丈の経済論 ガンディー思想とその系譜』(法政大学出版会、2014年)の著者である石井一也さんと、市民科学研究室主催の映画『君の根は。』の上映会でお目にかかることになりました。その後、個人的にお会いしてじっくり話を交わす機会があり、上記のご著書を寄贈していただき、熟読させていただきました。
世界的にみて、気候変動をはじめとする様々な環境の危機は収まる気配をみせているとはとても言えず、戦争も止まず、経済格差はますます拡大しています。何が問題の根本にあるのかを考えるうえで、ガンディーの思想を学ぶことの意義はとても大きいのではないか、『身の丈の経済論』を読んでそう思わないではいられませんでした。ガンディーの思想につらなるとみなすことのできる、幾人もの「後継者」たちの活動から、時代を切り拓く手がかりを得ることができかもしれない、という感触も得ています。
参加者それぞれが『身の丈の経済論』を読んだうえで石井さんと議論する機会を、市民科学研究室で設けてみよう、と考えていますが、凝集された内容のこの本を全員が読んで、というところから始めるのは、かなり敷居が高いようにも思います。幸い、石井さんから、ご自身が執筆された論文(①)をご紹介いただきましたので、それをメインのテキストにし、それとあわせて、ネット上で公開されている『身の丈の経済論』の書評2本(②、③)も参考にして、まずは、事前学習会をしてみたいと思います。
この学習会での議論の様子をみたうえで、石井さんをお招きしての講演会(というより議論の機会)を、うまく設定してみたいと思います。
ご関心のある方々のご参加を心よりお待ちしております。
・日時:7月28日(月)19:00-21:00
・オンラインにて(zoom):参加者には当日の正午にURLを送信します
・お申し込み:こちらのフォームから
・参加費:無料
・参加の条件:以下の3つの文献を読んでおいてください
・進め方:上田からの問題提起(15分)の後、参加者皆で議論します
<用いる文献>
①論文(石井一也氏)「「人新世」における脱成長論—ガンディーの経済論を中心として」
②書評その1(高英求氏)
③書評その2(中野佳裕氏)