土の底力を知る実験  世界の水紛争マップ など

投稿者: | 2003年8月4日

石橋夏江 
pdf版はwatersoil_007.pdf
いつか土に還る皆様へ       
 高校時代に生物部で土壌動物のミミズをテーマにした時、なぜ女の子がよりによってミミズなんだと聞かれるたびに「わたしは食べることが好きだし、食べるためには土って大切だと思う」というのが当時のわたしの精一杯の理屈でした。結局、高校時代はたいした成果を挙げられず、やり損ねた宿題に取り組む機会を市民科学研究によって与えていただいたと感謝しています。
 ところがいざ調べようとするとびっくりするほど書籍が少ないのです。それでも求めれば与えられるもので、すばらしい書籍との出会いもあり、土の世界の一端を知ることができました。たった一握りの土の生い立ちは精緻で微妙な自然界のバランスの賜物です。土は生態系の循環の重要なステージです。地中の世界は生命を育む大きな舞台なのに、海の世界ほど関心が寄せられないのが残念です。微生物が分解しきれず残ったものが腐植という重要な物質になります。腐植をはじめ土の成分は土中の環境だけでなく、川や海でも重要な役割を果しています。水は溶媒として地球を巡りますが土は森という浄水器付ダムを支え、生態系にミネラルを供給し、その循環を促します。
 今回の連続講座の本番では座って学ぶことになりますが、プレイベントとして泥団子を作る実習を行いました。泥団子には粘土質の土が向いているようです。粘土というと作物に不向きな土のイメージですが、土の性質に深く関わっていて、砂漠化を解消するのにも利用されています。
 土にはいろいろな働きがあるのですがそれをわかりやすく実感していただくために第3 回目の土の科学編では、実験を2つ行う予定です。だれでも一目で土の底力がわかる実験です。是非ご期待ください。
 第3 回目のタイトルに使った「死んで土に還る」という言葉はどこか諦念を感じさせますが、この講座に参加されればきっと自分がガイアの一部である誇りを呼び覚ます言葉に感じられるようになるでしょう。
プロジェクトに参加して
宮崎浩之(水担当スタッフ) 
 「めぐる水・不思議な土を知る講座」プロジェクトに参加するきっかけを申しますと、以前、上田さんにワークショップについてお世話になったことがあり、何らかの形で、市民科学研究室に関わりたいと思っていたところに、スタッフ募集の話が転がり込んできて、それに飛びついた、というわけです。
 もちろん、関われるのであればテーマが何でもよかったというわけではありません。私は大学の研究室でリスクアセスメント・コミュニケーションを目標とした大気汚染物質拡散のシミュレーションを試みています。しかし、大気のみに目を向けていては、視野が狭くなってしまい、リスクアセスメント・コミュニケーションを考える上で、あまり望ましいものではありません。そこで水と土を見る目を養いたいと思い、参加させていただきました。
 水チームはこれまで、様々なスケール、視点で身近な水を知ることができるように講座の構成を考えてきました。水の専門家でない方が、水に興味を持っていただけるように一般教養書・新聞の特集などに目を通し、さらに講座に深みを持たせるためにそれぞれの講座のテーマに即した専門書を熟読してきました。現在は、これまでに整理してきた知識をどのように講座で運用するかを吟味している最中です。
 私は、「ひととひとをつなぐ水」を担当しておりますが、今回のウリのひとつは、日本ではあまり知られていない、世界の水紛争を、地図などを用いて、ヴィジュアライズすることです。これによって、複雑な水紛争について、構造的に理解を深めることを目指しています。
 最後に、今回の講座は、大半が専門家ではないプロジェクトスタッフによるものですが、だからこそ、専門知識を持たない方々に理解のきっかけをつかんでいただけるのではいか、と考えています。素人だからこそ得られる視点もあります。
 今回の講座は力作になります。是非、お越しください。
(どよう便り 68号 2003年8月)

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