ナノリスクに警告集中

投稿者: | 2015年1月23日

ナノリスクに警告集中
小林 剛
Takeshi KOBAYASHI, M.D. 医学博士 小林 剛 環境医学情報機構
東京理科大学ナノ粒子健康科学研究センター元客員教授
カリフォルニア大学環境毒性学部元客員教授

pdfファイルはこちらから→csijnewsletter_028_kobayashi_20150119.pdf

2014年の夏は、ナノ毒性についての新しい有害性の検出、新手法による研究成果、識者による提言、行政機関の規制指向、それに対抗するナノ企業の抵抗への批判などが相次いで報告され、ナノ産業は「四面楚歌」に直面し、苦悩し翻弄されて寝苦しい「悪夢」として過ぎ去った。

ナノテク開発者が、リスクの克服との同時進行の必然性を理解しようとせず、不可欠な科学的対応を無視している現況は、自らのイノベーションの将来を危うくし、「自縄自縛の罠」による大きな損失を招いている。しかも、その重大性を自覚していないところが暗愚の「悲劇」である。

ナノリスクに関して、誰の主張が正しいのか? その非理の判定は極めて簡単である。それはナノテクノロジーにより、陰に陽に利益を得ているグループの考え方は、社会的正義の判断の基礎にバイアスによる歪みが直視できるので、その妥当性の欠落は一目瞭然である。適切な規制の早期導入により守るべきは、国民・消費者の健康と環境の保全であり、その「不作為」および「未必の故意」による引き伸ばしは、不条理なナノ企業繁栄への加担に他ならないのである。
規制当局は、ナノ企業に対して、安全面を強力に指導し、リスク放置のままでは自滅するであろうイノベーションを救済し、育成すべきである。微温的な「野放し」行政はナノ産業の自壊を促進する以外の何ものでもない。
【続きは上記PDFファイルにてお読み下さい】

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