電力自由化から1年~再エネ電力会社を選ぼう!

電力自由化から1年~再エネ電力会社を選ぼう!

吉田明子(国際環境NGO FoE Japan)

◆筆者プロフィール◆
吉田明子:国際環境NGO FoE Japan (気候変動・エネルギーチームリーダー)2007年よりFoE Japanスタッフ。脱使い捨て、気候変動キャンペーンなど活動ののち、2011年からは福島原発事故やエネルギー問題に取り組む。2011年よりeシフト事務局、2015年よりパワーシフト・キャンペーン立ち上げ・運営。エネルギー政策に市民の声を届ける観点で活動する。

電力会社の切り替えは進むか

2016年4月より、いよいよ電力小売全面自由化が始まりました。震災・原発事故を受けて決まった電力システム改革の一つのステップであり、市民・消費者にとって大きな変化です。直前にはメディアでも大きく取り上げられ、大々的な広告宣伝やいくつもの比較サイトの登場など盛り上がったものの、2016年末では、電力会社を切り替えた人は4% 程度と発表されています。しかしそのほとんどはガス会社や携帯電話会社など、安さをアピールする大手への切り替えです。

再生可能エネルギーや地域貢献の視点で選択したい消費者にとってはどうでしょうか。再生可能エネルギーを重視する事業者や地域の事業者も、当初は家庭向け販売を開始しているところは多くはありませんでした。1年してようやくその状況が変わりつつあります。これから出てくる地域電力会社も複数もあり、またすでに販売を開始していて、エリアを拡大するところもあります。具体的な選択肢がようやく増えてきた2017年。行動に移すのはこれからです。

各地にうまれる再エネ重視の電力会社

一方で、各地では続々と、再エネ重視の電力会社が登場しています。自治体系、生協系、地域密着系、全国再エネ事業者系など多岐にわたり、それぞれユニークな工夫をしています。ただ現状、規模も宣伝力も大手とは圧倒的な差があります。
また再エネ重視の電力供給にはまだまだ大きな壁があります。

一つは再エネ調達の壁です。日本で再エネの設備要量はまだようやく増えてきたものの全体の7% ほど(2015年度、大型水力をのぞく)です。しかもそのほとんどを旧一般電気事業者が持っているため、再エネ新電力は調達に大変苦労しているのが実情です。ビジョンを持ちながらも現状で再エネを十分に調達できていない会社も多数あります。

もう一つ、顧客獲得の壁があります。大々的な広告宣伝ができず、価格競争では大手にかなわない中、どう差別化するか。再エネを重視する顧客に出会うのは、通常は容易ではありません。ほかにも、制度変更への対応や煩雑な手続き、家庭向け供給は利幅が薄いなかでどう利益を確保するか、など多くの困難の中で試行錯誤する電力会社が多くあります。だからこそ、消費者、環境団体などが再エネ新電力を応援していくことが欠かせません。