市民研発 世界の環境ニュース
第4回 日本と世界の生ゴミ問題
石塚 隆記 (市民研・理事)
PDFファイルはこちらから→csijnewsletter_025_ishizuka_20140624.pdf
1.はじめに
生ゴミをごみ箱に捨てる時、たまに気になることがある。この野菜くずや魚の内臓などは、本当にごみなのだろうか?と。私の住む東京都区部では、生ゴミは全部焼却処理されて、焼却処理の後に出てくる残渣は、その大部分が東京湾の海上の処分場に埋立処分されている。燃やすにも埋め立てるにもお金はかかるだろうし、燃やして埋める以外の使い道がないのかな、と。まずコスト面、次いで他国(欧州)との比較の面で、生ゴミの全部焼却処理がどうなのか少し考えてみたい。
2.コスト面
統計資料によると、東京都民の家庭ごみ(燃えるゴミ+燃えないゴミ+資源ゴミ)の排出量は一日あたり867g(うち、生ゴミは214g)。ごみ処理(収集+運搬+処分)の費用は1トンあたり56,395円。つまり、都民一人は一日あたり、49円のごみ処理費用(うち、生ゴミ分は12円)を税金で支払っている、ということになる。
画期的な技術革新があって、生ゴミ処理にお金がかからなくなって、毎日一人12円分の税金を払わず済むのであればうれしいけど、その画期的な技術革新のためにより多くの税金を払わなければならないのであれば、コスト面でその技術開発の計画は受け入れられないだろう。
ただ、ごみ処理費用49円/人/日というのは東京区部のごみ処理システム全体を動かすのに年間にかかったお金を単純に都民の数と年間日数で割っただけなので、生ゴミ処理のコストフリー化に伴い、全体最適化が行われれば、そもそもの費用49円/人/日を下げることも可能かもしれない。いずれにしても、ベースラインとして家庭ごみの処理には49円/人/日かかっていて、これが多いか少ないかは、個人の判断による。なお、これは、電気代、ガス代、水道代と同程度だろう。
【続きは上記PDFファイルにて】