市民による学習、研究調査、運動の重層的な実現から みえるもの

投稿者: | 2003年9月21日

上田昌文

(『科学技術社会論研究』第2号2003年 所収)

1.はじめに

 

 今日、科学技術と社会の間で生じ、対応や解決を迫られている問題は極めて多岐にわたる。そうした問題群を適切に分類し、有効な対応の方向性を抽出し整理していくことは、科学技術社会(STS)論の重要な作業の一つであろう。分類と整理のための表現軸は一通りでないが、問題の内容(コンテンツ)、取り組みの社会構成主体(アクター)、制度・政策対応(システム)に注目し、その3者がどう関連し合うかを考察することはその作業の欠かせない一部になると思われる。

 NPOの社会的役割が高まる中、STS領域においても様々なNPOが次第に多種多様な取り組みを展開するようになってきている。上記の表現軸に沿ってみたときに、比較的新しいアクターとして登場したNPOはいかなる特性をもつと言うことができ、STS問題群の解決にどう有効に寄与しえるのか。この一般的な問いを念頭におきながら、本稿では筆者が代表を務めるNPO「市民科学研究室」(旧称「科学と社会を考える土曜講座」)を取り上げ、日本におけるいわゆる市民科学の成立要件や、市民が主体となった科学技術社会問題への取り組みの必要性と今後の展開の可能性を考えてみる。

 

2.科学技術社会問題の解決におけるNPOの役割
 
 科学技術社会問題にNPONGOがいかに関与しているかはいくつかの類型を設けて考察することができるだろう。表1に代表例として挙げた個別のNPOは、それぞれの類型が示す属性を強く持ちながらも、他のいくつかの属性を同時に備えている。その組み合わせと度合いにこそ、それぞれのNPOの特徴を読み取るべきかもしれない。

課題への取り組みの特性によって今仮に9つに分類したが、これは上記のコンテンツ、アクター間の相互関係、システムへの関与・働きかけを考え合わせて、さらに整合的な記述が可能であると思われる。表1の事例は国内に限定している。これまで海外の科学技術社会関連のNPOの特徴を体系的に整理分類した研究はなされていない。STS問題の特徴は科学技術のグローバルな性格を反映して、ローカル(特定地域、地方自治体レベル)、ナショナル(国政レベル)、グローバル(国際レベル)の3つの地域特性が密接に連動し合うことであり、その点から考えても、NPOの特性を比較して類型化する作業が、欧米のみならずアジアやいわゆる第三世界をも含んだ世界全域を対象として今後なされる必要があると思われる。

 

1 科学技術社会問題へのNPONGOの取り組みの類型(は代表的な日本のNPOの事例)

1.専門家と市民の媒介による問題認識の深化と解決への手がかりの誘導
 (コミュニティ・ベイスド・リサーチ/サイエンスショップ型)
国土問題研究会(京都)()環境総合研究所 など

2.産官学ネットワークの形成による代替政策形成の誘導
 (コミュニティ・ソリューション型)
自然エネルギー促進法・推進ネットワーク、阪神大震災復興市民まちづくり支援ネットワーク など

3.環境保全など公共的価値実現のため新しい生産・消費行動の喚起
グリーン購入ネットワーク、生活クラブ生協 など

4.科学技術の特定領域における市民サイドに立つリスク認知と管理の推進
(
自前の専門的調査研究に基づく告発・警告・政策批判・政策提言なども含む)
原子力資料情報室、グリーンピース、薬害オンブズパーソン、日本子孫基金、 
化学物質問題市民研究会、市民バイオテクノロジー情報室 など

5.科学技術の負の側面やSTS的問題への認識を育てるための教育的実践
様々な環境教育NPO

6.参加型テクノロジー・アセスメントの手法の開発・導入・定着のための活動
科学技術への市民参加を考える会 

7.行政機能の補完としての特定領域におけるレギュラトリー・サイエンスの実践
コントローラー委員会(医薬品問題)()科学技術文明研究所 など

8.消費者の適正な権利の確立のための専門的支援
日本消費者連盟、ささえあい医療人権センターCOML など

9. 市民科学を実践する専門家の養成および市民科学の支援ネットワークの形成
高木学校 など


1の中の「コミュニティ・ベイスド・サイエンス」については、Loca Institute
“Community-based Research in United States” 1998
、「サイエンスショップ」については平川秀幸「専門家と非専門家の共働--サイエンスショップの可能性」(小林傳司・編『公共のための科学技術』玉川大学出版部2002所収)、「コミュニティ・ソリューション」については、金子郁容『コミュニティ・ソリューション--ボランタリーな問題解決にむけて』岩波書店1999、科学技術「参加型テクノロジー・アセスメント」と「レギュラトリー・サイエンス」については、平川秀幸「科学技術と市民的自由」(『「科学技術と社会」を考える』科学技術社会論研究第1巻、科学技術社会論学会2002年所収)および中島貴子「論争する科学--レギュラトリーサイエンス論争を中心に」(金森修・中島秀人・編著『科学論の現在』勁草書房2002年所収)を参照のこと。

科学技術社会問題が多様な広がりと複雑さを備えていることに応じて、その解決にもいくつもの重層的な取り組みが必要とされる。特定の問題の性格に見合った特定の直接的な対処も必要だが、社会全体の底上げを目指した一般市民の問題意識の向上や科学技術政策に関わるシステムの改革も欠かせないことが、この表から見えてくるだろう。

筆者が代表を務めるNPO「市民科学研究室」は、STS的問題を一般市民が自らの関心に応じて取り上げて議論する学習会として1992年に発足したグループが母体となっている。10年を経て、市民科学の実践の場として他にないいくつかの特徴を備え新しい可能性を開きつつあるように思える。その活動を一瞥し、表1で整理した取り組みの特性をふまえて活動の特徴をまとめ、そこから今後NPONGOによる科学技術社会問題への取り組みが有効になされるための手がかりを見出してみる。

 

3.市民科学研究室の活動(1)学習部門

 市民科学研究室の活動は学習部門と調査・研究部門の2つから成る。前者は月1度の公開の定例研究発表(「科学と社会を考える土曜講座」)を軸としており、後者はテーマ別に形成されたいくつかのプロジェクトチームが担う。この両者は、後述するように相互に関連しあっている。

定例研究発表は、表向きは一般市民に開かれたSTS問題の学習の場であるが、市民科学研究室のメンバー自身が発表を担当することが多いため、非専門家(素人)が自らの関心に応じて行なう特定のSTS的問題のレビュー、あるいは後述する「プロジェクト」に絡んでなされる独自の調査研究報告の機会になっている。図式的に言うなら、

(a)市民科学研究室が関心を持つ特定テーマに関する、外部の専門家を招いての講演会
(b)
内部の非専門家の個人もしくはグループ(アドホック)による特定問題のレビュー
(c)
内部の非専門家チームによる特定問題の調査研究(12年継続)の結果報告
3種類がある。

(b)については、その時々のメンバーの関心に応じてどのようなテーマでも(わずかでも科学技術にかかわりがありさえすれば)取り上げることが原則である。進め方の基本は、特定の問題に関心のある仲間同士の集いやメーリングリストでの予備的な議論を経て、運営会議においてテーマを選定し、担当者(多くの場合24)を決め、34ヶ月の準備期間中に資料調査と討議を重ね、研究発表当日までに一定の報告と主張ができるようにその成果をまとめる、というものである。現在までに150回ほどの研究発表を行なったが、そのおよそ3分の2がこの自前の発表((b)もしくは(c))だった。文献やインタビューによる調査のみならず、実地見学や問題の現場への訪問の機会を多く持つように努めている(2参照)

科学技術リテラシーの観点から重要だと思えることは、科学技術社会問題の広がりに応じて「可能な限り幅広いテーマを取り上げる」という点、そして「どんなに難しそうな話題を扱うときでも、初めて来たどんな人にも分かってもらえるように話す」という方針を貫いている点である。前者は取り上げてきた150回のテーマの多様性に反映し、後者は複数の素人が(専門文献や専門家の力を借りながら)共同で発表を組み立てる中で相互に自由に意見交換と批判を行なうことで確保される。

学習部門のもう一つの形態として、長期にわたって継続して技能や知識の取得に努める「講座」「ゼミ」を設けている。現在は、科学技術社会問題での市民どうしの国際的コミュニケーションを目標に掲げた語学講座(英語ならびに中国語)、グローバリゼーションの問題を考究する「経済ゼミ」が開講している。

また、定例研究発表の中には数回連続の大型の講座として企画されるものがあり、それを担当するチームが実質的にはプロジェクトと同様の調査研究にあたることがある(たとえば、200389月に予定している連続講座「めぐる水と不思議な土を知る講座」の担当チームがそれに相当)

 また学習と調査・研究に利用する資料ストックとして、科学技術社会問題関連の主だった一般書籍1000冊程度、10数種類の関連定期刊行物(海外のNPOの機関紙などを含む)、そしてTVで放送されたドキュメンタリー番組の過去10年分の録画ビデオを備えている。

 こうした体制のもとで恒常的な学習を積み重ねることで、自身が取り組むべき(そして取り組むことの可能な)調査研究テーマとその取り組みの方法が見えてくる。内部で醸成されてきた調査研究の気運を察知して、適宜それを具体化するための方策を打ち出すことが組織の運営にあたる者の任務である。市民科学研究室では毎月の運営会議(運営スタッフ約4名が中心)と夏期や冬期の合宿などにおける拡大運営会議(運営スタッフおよびプロジェクトリーダーたち、併せて約10名が中心)2つの場が、学習と調査研究を運営上で媒介する役目を担っているといえるだろう。

 以上に詳しく述べた市民科学研究室の学習部門は、社会的役割としては先の表1における(科学技術の負の側面やSTS的問題への認識を育てるための教育的実践)に相当する。そして、非専門家が主体となった発表の場に専門家を講師としてあるいは聞き手として呼び入れることで、(専門家と市民の媒介による問題認識の深化と解決への手がかりの誘導)のきっかけとなり、さらに特定の科学技術社会問題に関心や憂慮を抱く素人の市民がH発表の場での出会いを通して自らが調査研究の主体となる契機をつかむことで、(市民科学を実践する専門家の養成および市民科学の支援ネットワークの形成)の端緒を与えているとみなせるだろう。

市民科学研究室のウェッブサイト https://www.shiminkagaku.org/ には活動の趣旨やプロジェクトの狙いや成果を説明した文書を掲載している。最近のまとまった活動紹介としては『どよう便り』第64号全冊特集「社会が求める市民科学者とは」東京大学「科学者との対話」ゼミ(122003115日、東京大学・駒場キャンパス)に掲載した筆者の講演及び質疑の全記録がある。

 

2 市民科学研究室の定例研究発表のテーマの例

200010月~20034月の定例研究発表のテーマ(総計150回のうちの最近の26
(●
は市民科学研究室のスタッフ、関係者らによる自前の発表(14回:うち「レビュー」タイプは12回、「調査報告タイプ」は2)は現地訪問、博物館見学など体験的な機会を含んだ発表(5))

私たちは科学館に何を求めるか/●★三番瀬を見に行こう!/・レジ袋はなくせるか 有料化政策の成功のために/ヨーロッパ環境先進地域を訪ねて/・ 科学技術コンセンサス会議を考える/科学技術社会と総合教育――私たちの提案/●★ 体験学習ツアー足助村訪問・伝統技術と近代技術を比較する+琵琶湖博物館訪問/・NPO法人とは何か/・ノーマ・フィールドさんと語り合う/●★埼玉県小川町有機農業&自然エネルギー見学/高周波電磁波のリスクを考える――携帯電話と東京タワー/●★紙の博物館見学+紙はこれからどうなるのでしょう?/素人のための疫学入門/・日本の戦後民主主義とアメリカ(ジョン・ダワー『敗北を抱きしめて』を読む)/・リスクコミュニケーションのための科学的証拠のとらえ方――電磁波人体影響の最新研究とエビデンス度/新しい平和活動CHANCE!と持続可能な社会への転換/・米国の軍事科学と日本の基地問題/●★「ノーベル賞の100年」から考える20世紀の科学技術/・科学ジャーナリズムの可能性を探る/・立花隆問題とは何か/キューバの有機農業を訪ねて/生物兵器開発とバイオテロリズム/・劣化ウラン――その環境影響を考える/・悩む女性達をとおしてスローライフを考える/・ドキュメンタリー映画『ルーペ』上映会/宇宙開発を再考する――スペースシャトル事故をてがかりに

 

4.市民科学研究室の活動(2)調査・研究部門

 

 市民科学研究室の調査研究チーム(「プロジェクト」と呼んでいる、以下PJ)は、一つのテーマに持続的に取り組みながら、その成果をふまえて省庁との交渉を行なったり、報告書をまとめて政策提言をしたり、学校や自治体と連携して新しい市民活動を提起したりすることを目指している。現在は「科学館PJ」、「電磁波PJ」、「科学技術評価PJ」、「生命操作PJ」の4つが活動している。さらにこれらの調査研究タイプのプロジェクトに準じる活動として「藤野に集うPJ」、「出前ワークショップ科学技術と社会」があり、前者は地域との結びつき、後者は教育の現場との結びつきを通して、STS問題をより広い層に伝えていく役割も担いつつある(3)

プロジェクトには、まだ基礎的な調査の段階にとどまっていて報告書や出版物の形でその成果を公表していないものが多いが、電磁波PJのように、新聞報道や学術論文発表や国際フォーラムの開催など実現しながら、省庁などと実際に交渉し、政策提言を行なっているものもある。電磁波PJは非専門家である市民が10人ほど集うチームだが、現在は携帯電話電磁波の人体影響を詳しく調査している。それと並行して2年ほど前から行なってきた東京タワーからの放送電波(高周波)、そして図書館などに設置されている「盗難防止装置」(BDS)からの電磁波(低周波)の計測活動は、私たちが決して微弱といえない電磁波に複合的に被曝していることを明らかにし、新聞紙上でも大きく取り上げられ話題を呼んだ。このプロジェクトについては、別の枠組みを用いた分析を後に試みる。

3 市民科学研究室の調査研究プロジェクト(20034月現在、表1の取り組みの類型との対応についても言及している)


科学館PJ

各地に点在する科学館を市民と科学のよりよい接点を作り出すために活用する方法を探る。現在は、日本の科学館の問題点を具体的に浮き彫りにするために主要な科学館に対するアンケートを実施し、データベースを作成中。また、「生活と科学」をテーマに科学館の新しい機能を開拓する構想をまとめようとしている。 
科学館を(1)を促進するための、あるいは(8)の機能をも一部担いうる場としていくための構想を提言し、具体化のための企画を実践する。

電磁波PJ

身のまわりの電磁波を実際に計測しながら、世界各国でなされている人体影響研究を広くレビューし、政策提言する。現在は、()消費生活研究所からの助成を受けた「携帯電話端末ならびに基地局がもたらしている電磁波リスクへの政策的対応に関する研究」に取り組んでいる。 
電磁波問題において(4)の役割を担っている。

科学技術評価PJ

国が進める巨大な研究開発プロジェクトに対して、意思決定や資金の流れや内部的な評価といったことに市民の立場からどのように情報公開を迫り立ち入っていけるかを探る。現在は、経済産業省がすすめた「量子化機能素子プロジェクト」(2002年に終了)を分析中。日本の宇宙開発やナノテクノロジー開発の問題点の分析にも取り組んでいる。 
(6)
および(7)を確立していく上で不可欠な科学技術政策の分析と政策への市民関与の可能性の検討を行なっている。

生命操作PJ

生命操作技術やバイオビジネスが人間の命のあり方に投げかけている問題を整理し、市民が立つべき思想的なスタンスとは何かを考え、問題解決につながる政策形成に市民の意思がきちんと関与できるような方法を探る。 
生命操作問題において(4)の役割を担うことを目指している。

藤野に集うPJ

神奈川県藤野町の住民の方々との交流を深めながら、藤野町を拠点として住まいや農業や食の実践を通して新しい持続可能なライフスタイルを模索し、そのライフスタイルに見合った科学技術の生かし方を考える。 
地域コミュニティに根ざした(1)(3)の活動の可能性を視野に入れている。

ワークショップ科学技術と社会

科学技術に関する様々な社会問題に対する意識を高めるために、議論と自己表現を取り込んだ体験的な学習プログラムを開発し実践する。 
教育現場で活用できる(5)の方法を提供し、実践している。

「水と土の連続講座」 
(2003
89)

水と土に関して市民が知るべき基礎的な科学知識を集約し、マッピングした水と土の社会問題との関連を整理する。その作業を通じて、研究者や地域住民の注目すべき取り組みを見出し、広く市民に紹介する。 
生活と極めて関わりの深い水と土について(5)を実施することで、(1)の契機を作ろうとしている。

 

5.市民科学研究室にみる「専門性」と「横断性」

 

 市民科学研究室は、特定の政治的な目標の達成を目指す市民運動団体や調査研究を請け負うシンクタンクや研究機関、あるいは知識や技能の普及を目的にした大学等の公開講座や行政の生涯学習教育活動などと、活動の趣旨や方法が一部一致する点もあるが、それらの枠には収まらない点もある。政治運動、調査研究、学習・教育のいずかの領域に限定されることなく、むしろそれらを横断する形の活動を手がけているといえる。さらに、取り組みの対象やテーマも、プロジェクトごとに個別の特定のテーマを掲げているものの、たとえば特定分野(薬害、原子力、化学物質など)に特化した高度な情報収集と専門的分析をサービスとして提供しているわけではない。調査研究の必要上、数人のメンバーでかなり長期の専門的トレーニングを自らに課しつつ、当該領域の専門家と対等に論じ合えるレベルを確保するというスタイルをとっている。

 この運動・研究・学習(教育)にまたがる横断性と必要に応じた専門能力の取り込みが、むしろ市民科学研究室の特徴といえるかもしれない。後述する「4つの機能類型」とも関連して、個別領域での専門的な対応能力を高めながら柔軟に横断的な取り組みを実現していくことが、STS問題の解決をはかる場合に今後NPOに求められる新しい資質であり能力であると筆者は考えている。市民科学研究室は確かにそれらを萌芽的に持つものの、現段階で明らかに不足している点や、今後強化したり新しく育成したりしなければならない点がいくつかある。それらは要約すると次の3点になるだろう。

 1)科学技術問題に関わる諸団体との有機的な連携(パートナーシップ)を築くこと
 2)科学技術専門領域全般に通底する基本的解析技能を集中的・短期的に習得できるようにすること
 3)政策的あるいは生活者の総合的な観点を取り込んで、科学技術社会にかかわる時事的問題を定点観測すること

1)の「有機的連携」については言うまでもないだろう。活動資金の調達、人材の獲得、専門的検討のための種々の支援、政治的交渉のための効果的なルートの開拓などNPOの活動のほとんどすべての面に渡って、相互に実りある協力関係を、行政・企業・大学・他のNPOなどと築けるかどうかがが鍵になる。科学技術の領域は全体として極めて多様な広がりと社会への深い浸透度を持ちながら、高度な専門化がもたらしている分野ごとの分断と、専門家と非専門化(市民)の乖離が著しい。それゆえその分断と乖離を解消し縮小していく方向での「連携」の試みが大きな意味を持つ。NPOは、産官学のセクターの従来の枠組みや専門領域ごとの分断にとらわれずに、そして市民の側から見た乖離を意識しつつ、連携を築いていくのに好適な立場にあると言えるだろう。

市民科学研究室では、これまでに外部諸団体と次のような具体的な連携を実現している(表4に記した以外にも多くの市民運動団体との交流や情報交換があるが、ここではそれらは省略した)。これらの中では、大学の教室・施設を市民が利用できるようにしたり、卒業研究を行う学生を市民科学研究室が受け入れることで育成と人材供給という互助を実現したりしている点は、大学改革の面からも注目に値するだろう。また、環境計測を事業としている企業が、社会貢献の一環として市民科学研究室の調査研究プログラムの計測・データ解析部分を請け負っているのだが、政治的なスタンスの相違を超えて「データはデータとして共有し、それぞれの立場でそれを生かしていく」という融通性のある協力関係を築いて維持していることは、自前の実験室を持たない多くのNPOにとって、新しい可能性を示しているかもしれない。

 

4 市民科学研究室が外部の諸団体と築いている連携の例

団体・組織

支援内容

東京理科大学(理学部K研究室ならびに生涯学習センター)

研究発表会場の供与 
大学改革問題での共同討議 
卒業研究生をプロジェクトメンバーとして受け入れ
市民向け公開講座の共同運営

コンサルティング・シンクタンク民間企業S

外部企業からの調査研究や情報加工の受託・仲介 
多業種諸団体がかかわる研究会の共同運営

電磁波計測企業A

精密で高価な電磁波計測器機の貸与、結果分析
電磁波人体影響研究に関する情報の交換

湘南科学史懇話会(NPO)

科学史・科学論分野の研究者との交流の機会の供与 
「在野の学問」の実践のための共同討議

環境問題に主眼をおいた政党M

研究発表会場の供与 
政治家・議員への働きかけの窓口

新宿区生涯学習課

「子ども科学教室」の授業の担当(2)

 

2)の「基礎的解析技能の習得」は、市民科学研究室のこれまでの実践の中から浮上してきたニーズである。NPOが科学技術分野の専門性に切り込む際に、学生時代にその分野もしくはその周辺分野を専攻して基本的な素養を身につけている者がスタッフにいるかどうかが、決定的に重要になる。それがかなわない場合は、外部の専門家から協力者を探し出すなり、問題を切り分けて外部機関に調査を委託するなりしなければならない。スタッフ自らが専門能力を系統的に身に付ける余裕は、ない場合がほとんどであろう。問題解決の必要に迫られている側(多くの場合は素人である市民)に解決に寄与しえる専門能力が備わっていることが理想だが、「市民科学者」を養成するシステムが確立していない現状ではそれは容易には実現しない。協力してくれる外部の専門家は、問題が政治的に先鋭化すればするほど見出し難くなるのが通例である。

しかし、本当に当該分野の専門家を擁さなければNPOは調査研究や専門的分析をなし得ないのだろうか。市民科学研究室のこれまでの経験からすると、必ずしもそうではない。不可欠なのは、科学技術全般に関わるある種の数理的な分析の素養であり、まったく新しい専門領域に挑んだ場合でも、ある程度全体を見渡しつつ必要部分を選り分けて習得していくというセンスと知的粘り強さである。そのためには、実際の調査研究に取り組みつつ(専門家にアドバイスをもらいながら)学ぶ、あるいは応用の利く必要最小限の理系の素養を実際の問題事例をとおしてすばやく習得するといった、いわば応急処置的な学び方が必要になるだろう。こうしたやり方は現在の大学教育にも取り込まれなければならないだろうし、専門能力を必要としているNPOが大学関係者らと連携を組みながら社会人に開かれた学習コースとして開発する価値も充分にあるだろう。種々の物理量の関係や単位、解析学や確率・統計の基本、アルゴリズム的な処理、生命現象の基本要素、健康リスクの計量(疫学など)……何がその最小限を構成するのか、そしてそれをどう学んでいけばよいのかといった問題を、市民科学研究室では今後様々な分野の専門家と相談しつつ検討し、実験的な講座の開講に向けて動き出したいと考えている。

3)の「時事的問題の定点観測」は、科学技術政策を包括的に検討する必要性が高まっていることが背景にある。日々の時事的な動きを追いながら、それが政策的な動向とどう関係しあっているのかを的確かつ迅速に分析することがNPOに求められている。科学技術に関連するいくつかの個別分野では、市民サイドからの政策提言をまとめ上げ、それを政策形成にまで反映させる運動を展開しているNPOも存在する。実効性のある政策分析と運動の力量を備えたNPOは、今後ますます必要となるだろう。そのためにも、政治学・行政学や政策科学の視点を取り込んで、具体的な時事問題に則して科学技術政策を分析し、市民の政治行動との適切な接点を示していくという作業がなされなければならない。すなわち、科学技術政策を市民の側へ翻訳することと、市民の立場から科学技術政策を批判的に検討し政策転換のルートを開いていくこと--市民科学研究室では現在、多分野にわたる連携を築きながら、かかる観点に立って科学技術に関連した時事問題の定点観測を始めようと準備をすすめている。

 

6.社会問題解決のための4機能

 

市民科学研究室の活動の現状と今後を記述する中で、科学技術社会の問題の解決をはかるための要件についてその輪郭を示唆することができたと思うが、ここでさらに、新たな機能類型を用いてより詳細にその要件を明らかにしてみよう。
NPO
活動が社会的に有効に機能するためにはおそらく次の4つの特性を備える必要があると思われる(5)。1つの組織がこれら4つの特性をバランスよく併せ持つ場合もあるし、どれかの特性のみを重点的に備えたNPOが、自分にない特性を持つ他のNPOや組織と連携を築くことで補完的に4つの特性を達成している場合もあるだろう。また、社会の基本的なセクター(政府セクター、企業セクター、学術セクター、市民セクター)が相互の関係性の中でこの4つの特性をどの程度にまで現実に機能させているかによって、社会全体としての問題解決能力の如何を推し量ることもできると思われる。

 

5 NPONGOが社会問題解決にあたる場合の4つの機能類型


フィールド

問題発生の現場の当事者としてあるいはそれに深くかかわる代理者として、問題状況を他に知らしめ、解決の必要性を感知させる

リサーチ

調査・研究を通じて問題の理解や解決に寄与すると考えられる情報提供や分析や提言を行なう

キャンペーン

問題に対する社会的認知を高め、必要な人的・物的・金銭的支援を喚起し、実現する

ポリティックス

問題解決に必要な政策的対応(現行の法律や制度の活用、行政セクターによる種々の施策の実行)を考案し、行政側の実施者と効果的に交渉することで実現を図る

 

今、この類型をアクター間の役割に見立ててみよう。社会全体でこれら4つの機能がうまく働くためには、どのようなアクターによっていかなる相互の役割分担がなされるべきかを整理した(6)。「フィールド」をジャーナリストに、「リサーチ」を研究者に、「キャンペーン」をロビー活動を行なうNPOに、そして「ポリティックス」を議員あるいは関連行政セクションに割り振ってみるなら、おおよそ表6のような相互関連が必要であると想定できるだろう。これらの相互関連のどれか一部でも欠落したり希薄化したりするなら、社会全体としての(今挙げた4つのアクターによって担われるべき)問題解決能力は低下するだろう。

 

6 4つの機能が有効に働くために相互の間で求められる関連 
(●
はそれぞれの機能をアクターで代表させた場合の例)

 

フィールド(F)

リサーチ(R)

キャンペーン(C)

ポリティクス(P)

フィールド(F) 
ジャーナリスト

 

F→R:活動を喚起する報告の作成

F→C:機能を発揮させる広報媒体の提供

F→P:政策的対応の要請、問題の政治的争点化

リサーチ(R) 
研究者

R→F:現場からの発信内容を自らの課題として位置付ける対応

 

R→C:調査結果を活用して広く社会的問題提起につなげる能力

R→P:現行の政治経済システムの中で有効に機能する政策の提言

キャンペーン(C) 
ロビー活動を行なうNPO

C→F:現場への人員派遣

C→R:現行のアカデミズムの状況を把握した上での的確な調査依頼

 

C→P:効果的な圧力をかけること

ポリティックス(P) 
議員あるいは関連行政セクション

P→F:引き出した施策の実施への取り計らい

P→R:政策的展開を見据えた調査依頼

P→C:政策的展開を取り込んだ運動戦略の立案への寄与

 

 

 STS領域においてNPOがなすべき活動とその特徴を、これらの機能の4類型に沿い、市民科学研究室の活動を例にとって、具体的に検討してみよう。「電磁波PJ」の活動を例に挙げて、市民科学研究室の活動全体の特質を浮き彫りにし、市民科学の成立の要件を探ってみる。

 

7.市民科学研究室「電磁波PJ」の活動概要

 

電磁波PJは現在()消費生活研究所からの助成を受けて、「携帯電話端末ならびに基地局がもたらす電磁波リスクへの政策的対応に関する研究」をすすめている。
 携帯電話が爆発的に普及する中、携帯端末ならびに携帯基地局(タワー)からの高周波電磁波の人体影響が懸念されている。専門家の間ではそのリスクに関して意見が分かれており、有効な疫学調査もほとんどなされていない。ことに日本では若年層への普及が著しく、将来的に大きな健康被害を被りかねない若者が、そのリスクを自分自身で判断できるように、情報が的確に提供されなければならない。そこで市民科学研究室の電磁波PJでは、携帯電話(端末、基地局)のリスクや政策に関する諸外国の情報や、自身の実地調査(電磁波計測ならびに健康影響アンケート調査)によって使用者の現状を把握するためのデータを収集し、それらを比較分析することで、携帯電話について「予防原則」に立った適正な政策的判断を促すための基礎事項を明らかにしたいと考えている。
 こうした目的で調査をすすめる中で明らかになってきたのは、たとえば身近に林立している携帯基地局についてほとんどまともな情報公開がなされていないという現状であり、海外では多くの健康影響研究が相次いで発表されているにもかかわらず、それを的確にレビューして必要な調査研究をすばやく組織化していく体制が日本には存在しないという政策システム上の欠陥である。
 携帯電話端末については、約1300名を対象とする大規模なアンケートを実施し、携帯電話の使用状況と使用者自身が感じる健康面でのいくつかの徴候との間にいくつかの相関があることを見出している。また、携帯基地局(タワー)については調査項目として、(1)タワーの仕組み(電波出力、指向性など被曝量を知るための基礎データ)(2)タワーの分布(各社タワーの設置数、位置、周辺環境など)(3)被曝の程度(典型的な地区においての電磁波強度分布の計測)(4)周辺住民へのタワーの影響(聞き取り調査)(5)海外の携帯タワー情報(健康影響調査、法規制、住民運動など)5つを設定し、いくつかの項目については情報収集と解析を終えている。

 

8.「4つの機能」からみた電磁波PJの活動の分析

 

 電磁波PJの調査研究の目的は、大学などの研究機関でなされている電磁波人体影響の個別研究をレビューしながら、市民が置かれた電磁波環境とそこでの被爆の実態をトータルに把握するために必要な計測を自ら実施し、リスクの適切な評価・認識をふまえて政策的な対応を促していくことである。非専門家である一般市民による専門的取り組みとして、このような目的設定、調査研究方法の確定、必要な専門能力の養成・維持がどのようになされているのか――それを先に示した「4つの機能類型」を手がかりに明らかにしてみよう。

 

(a)フィールド機能 
電磁波PJにとってのフィールドは「電磁波環境」であり、環境中の電磁波を被曝することによって何らかの健康リスクを被っているあるいは被る可能性のある「(顕在的・潜在的)被害者」である。環境中の電磁波の多様な存在様態を実測をとおして実感し、被害者の訴えに丁寧に耳を傾けていくことが、調査研究のモチベーションを高め、研究のための研究でない政治的争点を見据えた課題設定に向かわせる。「当事者性」に肉薄する深さを持つことは、現実の政策や提示される解決策が真に有効であるのかを常に意識することを意味するし、自ら引き受けた調査研究に対して、研究自体の知的誠実さのみならず社会的貢献をなし得るか否かの責任感を自覚することにつながるだろう。 
 その意味で、高圧線送電線問題をはじめ電磁波問題での各地の市民運動のネットワークを築き、支援のための情報交換に努めてきたNPO「ガウスネットワーク」(旧称「高圧線問題全国ネットワーク」)と電磁波PJが連携したことの意味は大きかった。ガウスネットワークに備わっていなかったリサーチ機能を電磁波PJが提供することで、ガウスネットワークのフィールド機能との相互関連(F
RRF)が生まれたのである。

 

(b)リサーチ機能 
 リサーチ機能を確保し維持していくにはいくつかのポイントがある。(1)強い内的動機に支えられた明確な課題設定、(2)専門的な分析能力を備えた人材、(3)非専門家であっても必要な専門的能力を身に付けることのできる何らかの方法とそれを組み込んだ人材供給・育成システム、(4)専門事項に関して助言や支援を行なってくれる専門家とのつながり、などである。 
電磁波PJに則して述べると次のようになるだろう。 
(1)
について:メンバーが定期的に学習を行なっていること(定例研究発表への参加とプロジェクト内の勉強会)といろいろな環境での計測や電磁波問題にかかわる人々との接触の機会を頻繁に持っていることが大きく作用している。定例研究発表では幅広い問題を扱うので多種多様な問題の相互の関連が見えてくるのだが、そのためにプロジェクトで取り上げる個別の問題の核心は何であるのかという点に対する感度を高めることができるし、他の問題での事例を広く参照することで問題解決を柔軟に構想することができるという利点も生まれる。
(2)
(3)について:プロジェクトの内の勉強会は月1、2度の頻度で継続しているが、最新の文献資料やそれを読みこなすのに必要な専門知識が何であるかが、調査研究を進める中で明確になってくる。それをチームメンバー間でうまく振り分けながら、読み解いた結果を相互に報告し、批判的に検討するという作業を繰り返すわけである。こうして素人集団がある程度の専門的分析能力を身に付けていく。ただ実際には、比較的時間のとれる少数のメンバーが個別に集中的に学習する機会を持ったり(電波工学や統計学、疫学などを週1回半年間かけて専門テキストを輪読して身につけた)、理系の素養のあるメンバーがパソコンによるデータ解析を受け持ったりして、メンバー間で適度に役割分担をしている。人材供給という点では、連携している大学の研究室から派遣されてくる大学4年生が、卒業研究として本格的にプロジェクトの課題に取り組むことになる。精神的にも時間的にも、ほぼ1年を集中してプロジェクトの仕事にあてることができるメンバーがいるという点は非常に貴重である。
 (4)について:電波工学の専門家、電磁波計測企業の専門スタッフなど様々な関連分野の専門家の助言や支援を得ている。そうした専門家にはプロジェクトメンバーの側から的確な――すなわち当該の専門分野で慣用されている概念に対応可能な形で問題を定式化した――質問を提示することが肝要になる。そのセンスは(1)(3)で述べた学習プロセスの中で生まれてくる。

 

(c)キャンペーン機能 
 電磁波PJの活動資金は、(1)市民科学研究室から各プロジェクトに割り当てられる年間予算、(2)外部の財団からの助成金、(3)支援者からのカンパ、でまかなわれている。(1)は市民科学研究室自体がより多くの会員を獲得し、収益をもたらすサービスを拡大してことで、(2)は社会的にアピール度の高い研究プログラムを設計することで、(3)は「フィールド機能」と関連して問題の当事者にとって役立つ具体的な成果を生み出していくことでもたらされる。いずれも、研究成果をできるだけ頻繁にかつ効果的に広報していくことが欠かせないが、電磁波PJの場合は市民科学研究室の月刊の機関紙(200)、連携している「ガウスネット」の隔月刊の機関紙(1000)を随時利用し、電磁波問題に関心の深い新聞記者やTV報道関係者と連絡を取り合って取材を受けるようにしている(これまで3度新聞報道され、2TVニュースで扱われた)。また国際フォーラムを企画して海外の研究者やNPOとの交流の機会を持ち、海外の新しい情報を比較的すばやく入手できる体制を整えつつある。海外の目新しい有力な情報は、当然のことながらマスコミも注目するので、それを提供することは電磁波PJのキャンペーンにもつながるのである。

 

(d)ポリティックス機能 
 日本の電磁波問題の急所は、市民運動による訴えもあるいは電磁波リスクを指摘した専門的な調査研究もこれまでおよそまともに政策形成に反映されることはなかったということにある。微弱でありながらも極めて広域的恒常的な被曝をもたらしている点、しかも個々人のトータルの被曝量の把握とそのリスクの計量が容易でない点、電気・電波の利用があまねく社会に浸透しているが故に、その便利さや得られる利益を損なってまで明確でないリスクに対処しようという機運がそがれていること……といった理由で、予防原則的な対応がないがしろにされてきた。主だった先進国では、電波や電気を同じような形で利用していることが多いにもかかわらず、電磁波規制に関しては各国で大きな差異があり、それは明らかに「未知の部分が多いリスク」にどう政策的に対応していくかという違いを反映している。 
 電磁波PJでは、各国の電磁波規制に関する政策形成の比較を研究対象の一つとして取り上げ、その研究成果をふまえて実効力のあるアドボカシーの内容と方法を見出したいと考えている。担当官庁(総務省、厚生労働省など)への申し入れなどにおいても――これまでプロジェクトメンバーは数回実施してきたが――より具体的で踏み込んだ政策提言(国がすすめるべき調査研究プログラムの提案を含む)を行なう予定である。

 

9.まとめ

 

 市民科学研究室の活動を例にして、NPOSTS問題に効果的に取り組むための条件を探ってきた。それは市民科学を成立させるための要件ともみなすことができる。
学習、調査研究、運動の3つの活動は、市民科学の営みにはどれも不可欠の要素だが、それらは次のように意味付けることができるだろう。

・学習……知ることをとおして、非専門家である市民が専門的問題に調査研究の主体として関わり得る可能性や、問題関心を政治的行動・選択に媒介させる可能性を高めていく。
・調査研究……明確な課題設定のもとに、政治的効力をもつ客観的な知的発見をめざす。
・運動……問題発生の現場とのかかわりを深めながら、調査研究成果が問題解決や状況改善にどう寄与できるかを探り、それを阻んでいる政治システムの問題を照射する。
こうした狙いのもとに、学習と調査研究と運動の3者をうまく連動させることが重要であることがわかる。すなわち、調査研究の狙いをどう定めてデザインし、その成果にいかに政策的効力をもたせるかという運動的意図を明確にする一方で、調査研究それ自体をアカデミズムからの専門的評価に耐える水準にまで引き上げる努力を(人材育成を含めて)組織的に展開することである。

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