市民研発 世界の環境ニュース 番外編 環境コンサルタントの仕事

投稿者: | 2014年10月31日

市民研発 世界の環境ニュース
番外編 環境コンサルタントの仕事
石塚 隆記 (市民研・理事)

pdfファイルはこちらから→csijnewsletter_027_ishizuka_20141027.pdf

1.はじめに
インターネットの使えない環境で原稿を書かざるを得なくなったので、今回は番外編として、私の本業である環境コンサルタントの仕事内容を紹介したいと思う。環境コンサルタントの仕事内容をきっかけに、環境問題への関心を高めてもらえれば幸いである。

2.仕事の流れ
2.1. 内々の相談
仕事は、内々の相談から始まる。相手は、政府の人だったり、企業の人だったり、同業他社の人だったり、海外からの相談もある。同僚からの相談も多い。この段階は、相手が何で困っているのかしっかり把握することに充てられる。自分の力では解決できない相談内容であっても、できません、というのではなく、だれに聞けばよいのでは?と自分なりの見解を示すようにするのが大切。
相談の内容は、多岐に渡る。一例をあげると、以下のようなものがある。

 今後ある国への投資機会を増やそうとしている。その国の環境政策を調べられるか?
 有害物質を管理する技術の最新動向を国内外問わず収集したいのだけど、できるか?
 環境事業を展開しているのだけれど、どういったマーケティングをすればよいか思案している。過去の販売実績などを分析して、助言をしてくれないか?
 環境の国際条約が改定されつつあるけれど、自分たちに有利なようにロビー活動をしたいのだが、その観点から事実を収集してくれないか?

2.2. 契約
内々の相談がきたあとは、契約である。ただ、内々の相談から契約へ至るプロセスも、多岐に渡る。政府の入札で同業他社と提案内容の競争をさせられたり、お得意さんであれば、他社との競争よりも、「うん」と言ってもらえるまで何度も提案内容を練り直したりする。
いずれにしても、この段階で最大のキーになるのは、提案書である。いかに、お客さんに「これだ!」と思ってもらえる提案書を書けるかが、契約締結の可否を決める。提案書は具体的である必要があって、お客さんにとって、「ああ、この人に発注すれば、こういった成果が出てくるんだな。」と思ってもらえるようなものでなければならない。

2.3. 業務の遂行と成果のプレゼンテーション
契約が締結したら、粛々と業務を進める。文献を調べたり、専門家の方にインタビューしたりして、事実を集める。または、ITシステムを設計、開発したりして、または既存のITシステムを使うなりして、データの分析をしたりする。
それで最終に、お客さんへの成果のプレゼンテーションである。だいたいお客さんは忙しい人が多いので、「結論はこうです。だから、あなたは次に、こういったことをしたらどうでしょう?」というような形で、成果の要約と、それに基づく自分の意見をプレゼンテーションできるようにすることが求められる。

2.4. 納品
成果をお客さんに満足いただけたら、あとは納品である。報告書を納品したり、ITシステムそのものが納品物であったり、納品物もいろいろある。いずれにしても、業務でとりまとめた成果(情報)を納品して、その成果と交換に、報酬を請求する。

3.まとめ
だいたい、上に挙げた2.1から2.4をぐるぐる回しているのが、私の日常である。仕事がないときはどうやったってないし、重なるときは忙しい。
仕事を通して、様々な環境問題に触れることができるのが、環境コンサルタントの最大の面白みだと私は思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA