7/15(火)20:00-「研究」の未来をみつめる―第2回「日本の言語景観における漢字字体顕在化モデルの構築」(石井諒太さん)

投稿者: | 2025年6月7日

2025年4月から月に1回のペースで、原則として「土曜広場」の枠を使って、次の「自由討論シリーズ」を実施します。多くの方々のご参加をお待ちしています。

自由討論シリーズ

「研究」の未来をみつめる
―“良き研究者”をめざす若者と科学の行く末に関心をもつ市民の対話

現在、大学院(あるいは学部)に在籍して、未来を切り開く研究に着手している人たちに登壇いただき、どんな内容の研究に取り組んでいるのか、それは世の中に何をもたらしそうなのか、その研究を志すようになったわけは、そしてどんな研究者を目指したいか……を語ってもらいます。それを受けて参加者(20名まで)と自由な雰囲気で対話します。

若い方が研究者として身を立てていく、その初期の段階から、市民とのよい形での対話の場を持つことが、科学をより良いものにしていくことにつながる、と私たちは考えています。研究の未来に興味を持つ方ならどなたでもご参加ください。

第2回

日本の言語景観における漢字字体顕在化モデルの構築:社会・文化、技術、権力の可視化

登壇者:石井諒太さん(東京科学大学博士1年)

私の研究の目的は、日本の都市空間で交錯する様々な漢字字体の選択—例えば「学」と「學」—を対象とし、都市空間に現れるあらゆる言語標示(言語景観という)を媒介に、顕在化する文字の背後にある社会・文化・科学技術・権力の構造を明らかにすることである。これまでも日本語の新・旧字体に関する研究が存在し、個人が持つなじみや好みといった表層的な心理や、それらの背景にある単純接触効果などを扱ってきた。日本以外にも歴史的に漢字を用いてきた漢字文化圏には、中国大陸・シンガポール、台湾・香港、韓国、ベトナムなどが含まれ、国・地域ごとに異なる標準字体を用いてきた。そこで私の研究では、日本において混在する中国語繁体字・簡体字など、多言語社会化した日本で生じる字体選択行為を対象にする。例えば、横浜中華街をはじめとする複数のチャイナタウン-中国語使用者が日本語使用者を迎える-において、中国語標示の収集、文字体系や標示物に応じた分類、そして標示の書記者・所有者に対する調査を実施し、字体選択の社会・文化的動機や技術的制約そして言語を統制するオーソリティの影響を多面的に分析している。既存の枠組みを超える新たな漢字字体選択モデルの構築を通じて、多言語社会における包摂的な書記環境の実現に資することを目指す。

日時:2025年7月15日(火)13:00-14:30
参加方法:オンラインでの実施(市民研事務所にいらしての参加も併用)
参加費:無料
申し込み:以下からお願いします(定員20名になり次第締め切ります)

進め方:
1)登壇者による研究内容の紹介とそれにまつわる自分の思い(30分)
2)登壇者と市民研代表の上田との対話(15分)
3)参加者との意見交換(30分)
4)参加者全員が感想をチャットに記す(10分)

共催:NPO法人市民科学研究室+リベラルアーツ協会
協力: LabTree

 

【これまでに実施した講座】

▶動画はすべて「くらしとかがくのアーカイブ」に収めています。

第1回 「宇宙データ可聴化について」
2025年4月26日(土)13:00-14:30
登壇者:藤本未来さん(東京科学大学博士2年)
データを音で表現する可聴化は、近年宇宙分野で著しく発展しています。宇宙データをどのように音で表現することで、どんな目的が達成されるのかを紹介します。

 

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