放射線量を表す単位

投稿者: | 2006年7月11日

放射線量を表す単位

放射線被曝は「吸収線量」という量を使って測定されている。それは被曝した人体や臓器の質量当たりに与えられるエネルギーの率に相当する。吸収線量の単位はジュール/キログラム(J /kg)である。便宜的にこの単位にはグレイ(Gy)という特別な名称がある。

電離放射線はX線やガンマ(γ)線など電磁波から成るか、あるいは陽子や中性子、α粒子のような原子を構成する粒子から成る。X線とγ線は、細胞を通過するときにわずか数10個の電離しか起こさない速い電子を産出するので、電離がまばらだと言われている。エネルギーを付与する率のことを「線エネルギー付与(LET)」と呼ぶので、それらはまた、「低LET放射線」と命名されている。「低LET」放射線がこの報告書のテーマである。対比して、より重い粒子は細胞を通過する時に単位長さあたりにより大きなエネルギーを与えるので、「高LET」放射線と命名されている。

高LET放射線は単位吸収線量あたり、より大きなダメージを生じる能力があるので、荷重された線量すなわち「等価線量」、または全臓器にわたるその平均値である「実効線量」が放射線防護の目的で使われている。低LET放射線は「等価線量」が「吸収線量」に等しい。中性子、α粒子あるいはより重いイオン粒子のような高LET放射線の「等価線量」や「実効線量」は、増大した影響を考慮して「線質係数」や「放射線荷重係数」(用語解説を参照)といった係数を「吸収線量」にかけたものに等しくなる。放射線の質に対する荷重係数は次元がないので、「等価線量」の単位もJ/Kgになる。しかしながら、二つの線量の間の混同を避けるために、特別なシーベルト(Sv)という名称が「等価線量」と「実効線量」で使用されている。

BEIRⅦ報告は低LET放射線についてであるが、委員会は低LET放射線に加え高LET放射線も含んでいる複雑な被曝、とりわけ原爆の放射線から得られる情報を考えなければならない。線質係数や放射線荷重係数とは異なる荷重係数をかけた「荷重線量」がこれらの計算の中で使われている。Svという単位記号がこの量でも同様に使われている。

量の性質が文脈から明らかなときには、この報告書においては「線量」という用語が「吸収線量」「等価線量」「実効線量」「荷重線量」に対して共通に使われている。リスク評価の際に参照するのは通常、特定の臓器に対する「等価線量」または「実効線量」である。その場合はSvという単位記号が使われ、吸収線量と等価線量は低LET放射線に対しては等しい。

実験放射線生物学や放射線治療では吸収線量の正確な特定が必要とされ、線量値はしばしば放射線防護を考慮しての値よりも大きくなる。したがって、これらの分野を参照するときには、それゆえに吸収線量およびGyという単位記号が使用されている。

一般向けの概要では放射線防護に言及し、それゆえ線量単位はこのセクションを通してSvで与えられている(BEIRⅦ報告で使われている様々な線量や単位のより完全な解説は、用語解説と下の線量単位表を参照のこと)。
Health Risks from Exposure to Low Levels of Ionizing Radiation: BEIR VII – Phase 2
http://books.nap.edu/catalog/11340.html

(一覧表については pdfファイルradi-beir unit.pdfを参照のこと)

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