5G(第五世代移動体通信)電磁波問題学習会の感想・報告

投稿者: | 2020年8月9日

2020年の7月に市民科学研究室代表の上田は、東京都内3箇所、神奈川県1箇所で、5G(第五世代移動体通信)の電磁波問題に関する学習会で講師を務めました。

そのうちの3箇所、国分寺・生活者ネットワークでの学習会、府中・生活者ネットワークでの学習会、そして神奈川ネットワーク運動での学習会の終了後に、参加者の皆さんからのご感想や、機関紙やホームページでのご報告をいただきました。それらを、団体の主催者の方の了解を得て、転載させていただきます。

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【国分寺・生活者ネットワーク】 学習会参加者の皆さんのご感想より(一部略)

・無事にZOOMに入れて、お聞きすることができました。基礎知識がほとんどなかったので、十分とは言えませんが上田先生のご説明で分かったこともありました。私たちは新しいことが出てくると、はじめはよくわからなくて、次第に周りの人も使っているので、自然に利用してくることが多かったと思います。スマホもそうですし、電子レンジもやっぱり便利だと思っています。ただその一方で、私たちが利用することで自らの利益を上げることを考えている人たちも大勢います。最善の選択だったのかど
うかわからないままに選んだ原子力発電は頭痛の種です。進歩に見えることも検証なしには進めないことを思い出させてくださいました。上田先生から地域の地方自治体に質問を出すというアイディアをいただきました。見たことのない電柱だと思っていたら、それが基地局の電柱だったことが今日分かりました。さりげなくスマートに建てられています。安全が確認されるまで、公共施設での基地局増設はやめてもらいたいと思いました。周りの人に聞いてみたいと思いました。重いテーマですが、わすれないでいたいと思います。

・先日は、とても勉強になりました。5Gの怖さが良くわかりました。文明が進んでいくのをくい止められないのが歯がゆいです!これからもZoomを使った学習会をしていただければ嬉しいです。

・問題点など具体的にわかり課題も浮かんで来ました。ブリュッセルの「中止」に至るまでの経緯を知りたいと思いました。有意義な学習会でした。

・よかったですね。イギリスでしたっけ、どこにどのようなアンテナがあるのか、みたいときに、誰でも見れる、地図があって、情報公開されてるのが、いいですね。市民が関心を持つことがだいじなのは、どんな問題でも同じなんですね。録画もう一度見てみようと思います。

・電磁波の怖さは知っていましたが、スピードを良しとする現状に歯止めがきかない事が更に不安を感じてきています。子どもたちの明るい将来にバトンタッチする大人として責任はどうするべきか考えていかなければいけませんね。

・上田さんのお話があまりにも凄いので、どうやって皆さんに伝えていくかと課題が山積です。子供の視点で考えても、早く動かなければと思いました。

・心地よい講義の進め方に 最後まで見入ってしまいました。

・すごくいい時間だった。

【府中・生活者ネットワーク】『ネットニュース』(2020/8/6 発行)より

◆7月23日 学習会報告◆
5G(第5世代移動通信システム)とは~5Gの電磁波と子どもたちへの影響~

講師 上田昌文さん(NPO法人市民科学研究室)

今年の春からNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社が5Gの商用サービスを開始しました。2010年に電磁波問題で学習会を開いた時も上田さんは、携帯基地局は「微弱でも常時暴露するマイクロ波の健康影響」「基地局の所在や電波の情報の非公開(出力、周波数などが「企業秘密」)」「住民合意の非存在」が構造的問題であると指摘していましたが、10年を経ての今回の学習会でも問題は同じでした。ただし「高速」「低遅延」「多数同時接続」が売りの5Gは高い周波数帯の電波を大量に使うこと、それにより産業(農業・エンタメ…)・防犯・医療・教育など広い分野で活用できるとの触れ込みで推進されています。その「便利さ」については報道がされますが、電波が強い反面、届く範囲は短いため高密度に基地局が設置され、3G、4G基地局も当面存在することで日常的な被ばくは2~3桁も増えることは知らされません!フランス、スイスなどは5Gの安全性について国民的議論を開始し大規模調査も始めたそうですが、総務省は「予防原則」には立たない姿勢を変えません。

実は基地局の設置に莫大なコストがかかり個人ユーザーだけでペイしないおそれから、通信事業者が携帯・スマホ以外の用途で企業や行政機関に売り込んでいます。これが産業分野などでの活用です。社会の課題の解決のため無人トラック運転(運転手不足解消)、遠隔操作による手術(過疎地医療対策)、防犯カメラの高精細動画からAIが不審者を割り出すなどさまざまな利用法を宣伝します。教育現場での使用法もしかり。通信障害などトラブルの危険や事故の時の責任所在や情報保護などが考慮されているかは全く疑問でした。

安倍総理大臣は昨年国会で5Gは国家戦略として取り組んでいくと答弁しています。米国・韓国・中国に遅れてはならないとの焦りが表れていますが、東京都も昨年8月に「東京データハイウェイ構想」(…横文字だらけ)を打ち出しました。副都知事(元ヤフー社長)が策定し、都の保有する「アセット(資産)」を5Gアンテナ基地局のために開放し、設置のための手続きも大幅に簡素化する方針だそうです。バス停、信号機、街灯、公園…に基地局が。いよいよ電磁波から逃れられなくなる。税金が使われる。

私たちに何ができるかについては、5Gの基地局やアンテナの情報を市に公開を求めてほしいと力説されました。学校での使用は子どもへの影響(身体への影響やIT依存の問題)も無視できないはずで、基準もなく使用はできないはずと訴えることも重要だといいます。

電波・電磁波についての理解は難しいのですが、「便利さ」がもたらすリスクは、健康だけでなく、社会的なリスクがとても大きいことが理解できました。今回初めてコロナ禍を考慮してzoom参加も可能な学習会にしましたが、反応が大きく、関心の高さも驚きでした。今後もこの問題に取り組んでいきます。

(環境部会 前田弘子)

 

【神奈川ネットワーク運動】ホームページより 

活動報告.環境 5G電磁波リスクを考える」(2020年8月4日)

★上田補足:こうした学習会では文科省の「GIGAスクール構想」への懸念が表明されることがしばしばありましたが、学校へのWiFiの導入に関して世界各国・各地で見直しや規制をかける動きがあることは、ぜひ多くの方々に知っておいていただきたいと思います。以下の英語のサイトがそうした情報をまとめています。
SCHOOLS WORLDWIDE REMOVING THE WI-FI AND REDUCING EXPOSURE

 

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