【翻訳】マイコトキシン汚染物質の影響に関する グローバルな食品安全評価

投稿者: | 2019年5月3日

【訳者コメント】

カビ、キノコなどの菌類(真菌類)はマイコトキシンと言われる有害な物質を生産します。中でもアフラトキシンはヒトに肝がんをひきおこし、フモニシンはアフラトキシン発がん性の有力な促進物質と言われています。これらのマイコトキシンは人類にとって重要な主食となるトウモロコシ、コメ、小麦やピーナッツ、アーモンド、ビスタチオなどの豆類に含まれています。私たちはこのリスクを避ける必要があります。この論文の最後にそのための貴重な対策が的確に述べられていますので最後まで是非読んでください。

A global evaluation of the impact of mycotoxins contaminants on food safety

マイコトキシン汚染物質の影響に関する

グローバルな食品安全評価

原文の出典はこちらの「GreenFacts」のサイトの「Level1 Highlight」

翻訳者:五島廉輔、五島綾子、上田昌文

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背景

マイコトキシンは食品中にみられるカビによって生産される物質です。

それらはどのような影響があるのか、そしてそれらをどのようにして予防するのか?

この論文は世界保健機構(WHO)により2018年に提出された主要な報告書の信頼されうる要約です。

マイコトキシンとは?

マイコトキシンはかび、酵母、キノコを含む生物群である菌類によって生産される有毒な物質で、特にフザリウム属とアスペルギルス属にそれぞれに属するカビによって生産されるフモニシンとアフラトキシンは環境衛生上、重要なマイコトキシンです。

アフラトキシンはヒトの肝がんを生じさせることで知られており、フモニシンはアフラトキシン発がん性の有力な促進物質であると考えられています。ヒトにおけるそれらの有害な健康影響に対する証拠は近年確立されていないのですが、フモニシンの曝露が癌のような種々の有害な健康アウトカムや先天性欠損症(注1)の一因となるかもしれないという懸念があります。二つのタイプのマイコトキシンが存在する時、それらの発がん性を増加させる相加的または相乗的な作用の可能性があるいくつかの証拠と懸念が同様にあります。

フモニシンはまた家畜や他の動物に重大な健康影響を与え、アフラトキシンは世界の食用作物のおおよそ25%またはそれ以上を毎年破壊して、重大な経済的負担を引き起こしています。

マイコトキシンを含む食品には何があるか?

アフラトキシンにはいくつかのタイプ(14またはそれ以上)が自然界に存在しますが、アフラトキシンB1, B2, G1, G2の4つはヒトや動物に対して特に危険です。

フモニシンもまた多くの様々なタイプが知られていますが、フモニシンB1, B2, B3は食品中に見出される主なタイプです。

フモニシンとアフラトキシンはトウモロコシ、そして比較的程度は低いのですが、米、モロコシ、小麦、そしてこれらの産物から作られた穀物食によくある汚染物質です。食用作物は収穫の前後両方で汚染される可能性があります。フモニシンではなくて、アフラトキシンはまた塊根植物(例えば ピーナッツ)やツリーナッツ(例えば、アーモンド、ピスタチオ、ブラジルナッツ)に共通する汚染物質です。

アフラトキシン汚染の地理的パターンの結果として、毎日のミルクやその加工製品もまた汚染されているのかもしれません。

これら二つのマイコトキシンは世界中で見いだされていますが、両者への曝露はこれらの食物が日常的に消費されている地域に多くありそうです。共曝露は両マイコトキシンで汚染された同じ食物から、またはどちらか一方で汚染された異なった飲食物または食事で起こり得ます。

マイコトキシンの曝露は人の健康に何をもたらすのか?

高汚染レベルのアフラトキシンによる急性毒性は生命を脅かします。アフラトキシンはまた現在知られている最も発がん性が高い突然変異誘発性(DNA損傷)の物質の中に含まれており、それらは免疫抑制や恐らく発育阻害を起こします。

フモニシンは動物の広い範囲の健康影響、特に肝臓や腎臓と関係しています。しかし、フモニシンのヒトの健康影響に関する最近の入手可能なデータは現在のところ、限られています。

アフラトキシンーフモニシン相互作用に関する二つのタイプのマイコトキシンの共出現は競合的、相加的または相乗的な影響の可能性を含んでいるかもしれません。しかし、いくつかのヒトの疾病に関与する要因としてそのような共曝露の役割と程度の理解を進める適切な情報はまだありません。食事での共曝露についての報告はほとんどないので、これらのリスクに関する明確なイメージを持つことは困難です

マイコトキシンの検出とサンプリングは何が問題なのか?

ヒトおよび動物におけるアフラトキシン中毒(アフラトキシン急性中毒)の検出はむずかしい。その理由として、臨床症状の変化、さらには感染症によって引き起こされる免疫系抑制のような混乱させる要因が存在するからです。

食物や肥料中のアフラトキシンを検出するために、種々の方法が利用できます。しかし、カビの分布は大量の積み荷や貯蔵穀物中でさえないので、適切なサンプリング方法が代表的なサンプルを確保するために非常に重要となります。これら推奨されるサンプリング方法は正確な試験のために必要とされる量を確保するために十分な穀物を生産できない田舎の自給農家にとって特に問題です。このように、田舎の地域におけるアフラトキシンに対する監視と管理を改善するために速やかに、低コストで、最新の機器を使用しない正確な検出方法を開発する必要があります。

トウモロコシやその副産物中のアフラトキシンを検出するために、多くの方法が開発されてきました。これらの方法のいくつかは高価で骨の折れるものです。しかし、簡単で、迅速に、低価格であるフモニシン検出方法の開発研究は継続して進められています。

【続きは上記PDFでお読みください】

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