市川市・大町自然公園観察会2『奇跡の谷津で秋を満喫』の報告

投稿者: | 2023年10月5日

報告

奇跡の自然を満喫しました!‐10月22日「長田谷津」観察会

杉野実 (市民科学研究室・理事)

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なし農園、しぼり水、樹木の管理 千葉県市川市「長田谷津」①環境・地理編【自然観察】


オニヤンマのヤゴ、サワガニ、ホタル、あっタヌキ!…千葉県市川市「長田谷津」②生き物編【自然観察】

こんにちは、市川市(および千葉県)親善大使を勝手に名乗っている杉野です。

市川市の大町公園といっても、地元でさえ必ずしもよく知られてはいないのですが、1998年に発行された千葉県生物学会編『千葉県自然観察ガイド』(たけしま出版)には、次のように紹介されています。「大町公園は、南北およそ1kmにおよぶ谷津の地形を軸とし、周囲に動物園、植物園(温室)、自然博物館などの公営施設(中略)を配した広域的な公園である。生物面では谷津の環境を保全した自然観察園が見どころで、豊かな自然を手軽に堪能することができる。」これを書かれたのが、今回の案内人、市川市自然博物館学芸員・金子謙一さんです。表題の「長田谷津」は、もとは引用文中「自然観察園」に相当する区域の旧称で、現在では観察園そのものの通称となっています。

当日の集合場所は大町駅でした。「意外に便利な」(成田と羽田の両方に直通します)北総・公団線にあってこの駅は、東西近隣の東松戸・新鎌ヶ谷がにぎやかな都会であるのに対して、金子さんいわく「な~んもない」、一見陸の孤島のようなところにあります。ところが改札口を出て公園わきの入り口に行くまでのあいだに、もういくつもの梨畑(と、通称「梨御殿」とよばれる大きな家!)が見えてきて、その梨畑が湧き水の保全に大きな役割をはたしているとのご説明を受けました。まだ「梨で食えている」から、両どなりとは全然ちがう光景がここには残っている、でも代替わりしたらどうなるか…。おおいなる期待とともに、一抹の不安をも感じさせる旅の出発となりました。

公園入口には斜面林があって、「木はどのように切っているのか」など、参加者の方から本質をつく質問が早速出ました。「それは何をめざすかによりますね。まったく人の手が入らない森に、『神様に住んでいいただい』てもいいでしょう。でも適当に木を切って草をふやし、草原の生き物が住めるようにすることも考えられます。」やはり金子さんはさすがですけど、この方の本領はまだこんなものではありません。入り口付近のヤゴや、もう少し真ん中まで進んだところにいたサワガニなどの小動物を、しめった土や小さな流水を「ここぞ」というところで掘り返して見つけ出し、しかも「放っておけば彼らのすみかもみんな土砂でうまってしまう。それぞれ要求する水深もちがうので、どこをどう手入れするか、よくよく考えないといけない」などと説明までされるのです。動物園に近い観察園出口付近では、運よく(?)夜行性のはずのタヌキも見られましたが、これまた餌付けなどの問題があるらしく、金子さんも相当頭を痛められているようでした。

案内役の金子さんご自身に楽しんでいただいておおいに安心しましたが、他方で今回は、直前まで参加者がなかなか集まらなくて苦労しました。市民研会員のみなさまのほか、市川市や千葉県の環境保全団体や、あるいは一見関係なさそうな団体の会員さんにまでよびかけて8名そろえましたが、この点では今後におおいに課題を残したと思います。

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