第1回GIAHS山梨峡東地域ツアーレポート

投稿者: | 2023年10月5日

第1回GIAHS山梨峡東地域ツアーレポート

2023.09.29実施

報告者:橋本正明(市民科学者育成塾スタッフ)

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GIAHS(ジアス):世界農業遺産を皆さんご存じでしょうか。

世界農業遺産(GIAHS)とは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業と、それに密接に関わって育まれた文化、ランドスケープ及びシースケープ、農業生物多様性などが相互に関連して一体となった、世界的に重要な伝統的農林水産業を営む地域(農林水産業システム)であり、国際連合食糧農業機関(FAO)により認定されます。また、世界農業遺産認定地域は(令和5年7月現在)で世界で24ヶ国78地域、日本では15地域が認定されています。そして一番最近、令和5年7月に日本で指定された3つのうちの1つが今回目指す山梨県峡東です。

(参考URL:世界農業遺産とは:農林水産省 (maff.go.jp)

 

ツアー実施の一週間前には雨の予報、前日には観測史上最も遅い猛暑日となり、当日の天気は一体どうなってしまうのか…。それ以前に出発時間までに全員が揃うのか。祈るような気持ちで当日の朝を迎え、食べ物も喉を通らないまま集合場所の新宿駅周辺に向いました。

集合場所には市民科学研究室のスタッフと今回ツアーの企画を頂き、現地との調整をして頂いた有限会社リボーン(URL:リボーン<エコツーリズム・ネットワーク> – サステイナブルツーリズム – 旅を通じて持続可能な社会づくりに協力します。 (reborn-japan.com))の壹岐さんが既に到着され、今回の旅で乗車する天ぷらバスと一緒に待機していました。

心配していた参加者全員の集合を確認すると出発予定時刻の5分前、幸先の良いスタートとなりました。新宿を出発したバスは壹岐さんの軽妙なトークで一路、ツアーの目的地である山梨県峡東地域(勝沼・塩山・牧丘周辺域)へと向かいます。

乗車するバスは現在では持続可能な航空燃料(SAF)と競合しているために燃料の確保が難しくなっている天ぷらなどの廃油を加工して製造するBDF(バイオディーゼル燃料)を使用する通称【天ぷらバス】です。さらに詳しく説明される壹岐さんのお話は今後公開の動画に譲るものとして、話によれば排ガスの臭いはよく言われるように天ぷらのような揚げ物であるので、試しに嗅ぐのであれば昼食の前の方が良いとのこと。

     

そこで私は瀬尾理事と2人で途中の談合坂サービスエリアでの休憩の際に、興味津々で排ガスを嗅いでみました。瀬野理事は撮影担当、私は嗅ぐ担当です(笑)

確かに揚げ物系のニオイと子供の頃に嗅いだ車の排ガスの混合した何とも言えない感じです。朝から何も食べていない空腹の私には胃袋に刺激が…。でもここに白飯を丼で持って来られて食べられるかと訊かれると???

う~ん…。確かに微妙に美味しそうなニオイではありましたが…(苦笑)

 

中央高速道勝沼ICを降りてから、現地でツアーガイドを引き受けてくださった峡東地域世界農業遺産推進協議会(URL:峡東地域世界農業遺産推進協議会 – ようこそ扇状地に広がる果樹園へ日本農業遺産伝承と進化山梨県峡東地域の果樹農業システム (kyoutou-giahs.jp))アドバイザーの中村正樹さんを迎え、バスは最初の目的地である澤登ぶどう園を目指します。うねうねと続く急峻な山道をモノともせず、ゆっくりと力強く天ぷらバスは進みます。

途中、斜面に広がるブドウ畑の風景についての車内からの質問に中村さんが判りやすく説明してくださいました。でもどの道をどのように曲がったのか、いささかバスも私たちも迷走気味…。そこで気になったのが、中村さんが今回のようなGIAHSを巡るツアーを引率されたのは何回目かということ。訊いてみたら何と、民間のツアーでは私たちが第1号であるとのこと。これはもう、とっても名誉なお話ですよね。『一番でよかった!!』

   

そして澤登ぶどう園(URL:無農薬栽培ワイングランドの自然派ロゼワイン!フルーツグロアー澤登@山梨牧丘 | 日本山葡萄ワイン愛好会ホームページ (jwwfa.com))に到着したツアーの一行はさらに急坂を登ります。振り返ると峡東の素晴らしい風景が眼下に広がっています(冒頭の写真)。照り付ける太陽が眩しくうだるような暑さになりつつある中、途中途中でたわわに実った自然農法ぶどうの棚を澤登さんに見せて頂きながら、一行はぶどう畑の中、棚にぶつけてしまわないように頭をかがめながらどんどん畑の真ん中へ進みます。

そこでは澤登さんによる自然農法でのぶどうの育て方、自慢のぶどうの試食会とワインの試飲、そしてそれらの販売と進み、一行は最初の訪問地にも関わらずテンションはMAXに近い状態(このペースで廻りきれるのかな…?)でした。

【続きは上記PDFにてお読みください】

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