【報告】市民科学入門講座野外特別編 「行徳自然ほごくらぶ」とともに秋の水鳥を訪ねる

投稿者: | 2024年12月24日

【報告】市民科学入門講座野外特別編 「行徳自然ほごくらぶ」とともに秋の水鳥を訪ねる

報告者:杉野実(市民研「千葉市県市民活動プロジェクト」世話人)

「NPO法人・行徳自然ほごくらぶ」さんが管理している、市川市の「通称・野鳥の楽園」こと「行徳近郊緑地」は、地元でもありそれなりに「勝手知ったる」ところではありますが、市民科学研究室に関連して私がおとずれるのは今回で3回目となりました。集合場所の「野鳥観察舎」前では、土が浅いためか盆栽みたいに(はいいすぎか?)小さくなったススキ(図1)などがむかえてくれましたが、ザトウムシの顔はめパネルに夢中な子や、虫かごを持参した昆虫マニアとおぼしき男性など個性的な面々も集まっていました。

 

そう、市民研としての参加者募集は不調で私以外は林浩二さんしか来られず、ほごくらぶの「一般向け(定例)観察会」への参加という形をとることになったのです。でも林さんもほごくらぶスタッフとみまごうほどに、気さくに親切にみなさまに接してくださったし、一般参加者の方々の積極的な姿勢もあいまってとてもいい雰囲気の観察会になりました。

案内人がいないと(いきなり行っても)入れない干潟領域に入ると、前回も印象的だった「カニの集合住宅」に早速むかえられましたが、今回は「塩生植物」ウラギク(図2)について林さんが説明してくれたりして、前回とはまたちがう雰囲気で私も楽しめました。

 

アオツヅラフジ(図3)は前回のアケビと同様、山地でみることも多い植物ですが、美しい実は有毒なはずなのになぜか鳥は平気で食べている、とこれも林さんの説明によります。鳥といえば?、「ハトが食われたあと」(図4)の「現場検証」もしました。

羽根が一本ずつむしられているということは「犯人」も鳥(猛禽)だ、哺乳類ならもっと乱雑に食い散らかすだろうといった、ほごくらぶスタッフや林さんらの説明に、結構多く参加していた子供たちも興味津々です。観察会の「目玉」が鳥であってみれば見すごされがちですが、「杉野さんあれ撮影して」と大きな(侵入)園芸植物ピラカンサス(図5)に、林さんが注意をうながしたのもさすがでした。

(図6)ではほんの一部だけを示しましたが、カワウのコロニーはいつ見てもすごいですね。

この鳥は最近では悪者あつかいされることも多いのですが、都市の真ん中にあれだけ群れているのはやはりひとつの「奇跡」だと思います。鳥にくらべると昆虫が「小さなスター」といえますが、彼らもまた子供ばかりか大人にまで大人気です。カマキリ(図7)が出たところで、ハリガネムシ「脳ジャック(行動誘導)」の話などがもりあがっていましたが、私は個人的には「カマキリって緑だと思ってたが茶色のもいるんだな、枯草も多いからそれも保護色か」などと考えていました。

水田のひび割れた地面の上にあるのは、外来動物アライグマの足跡(図8)です。在来種タヌキの足跡も撮影しましたが、今回は注意喚起もかねて、そのタヌキも圧迫しているという外来種の方のを掲載しました。

こうしてあらためてみると、在来種と外来種も複雑に入り組んでいて容易に切りはなせないというか、無理に切りはなそうとするとかえっておかしなことになりそうな気もしてきました。歴史的・文化的な現象についてもにたことがありそうで、たとえばほごくらぶでもやっている稲作について、「子供の教育だからといって全部手作業でするのはおかしい、機械も使う実際の農業をこそ見せたい」という農家の方もいた、という新聞記事を最近読みました。今回の観察会においても、これもたまたま田んぼにいたときでしたが、鳥と飛行機の両方にくわしい一般参加者の方が、その両者についてほかの参加者に熱心に語っていた光景などがわすれられません。自然にもそして社会にも、さまざまなかかわり方をしている多くの方々と接して、私自身も多くのことを学んだと思っています。

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