生活習慣病対策ゲーム「ネゴバト」についての研究論文が国際誌に掲載されました

投稿者: | 2022年2月22日
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市民科学研究室の「科学コニュニケーションツール研究会」が開発した、生活習慣病対策ゲーム「ネゴバト」を用いることで、生活習慣に対する意識の変容がどのように生じるかを検証した論文が、国際雑誌JMIR Serious Gamesに掲載されました。

Serious Game for Change in Behavioral Intention Toward Lifestyle-Related Diseases: Experimental Study With Structural Equation Modeling Using the Theory of Planned Behavior

上記研究会と孫大輔さん(当時、東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター)とが共同でネゴバトを用いたワークショップをすすめるなかで、当時大学院にいらした江頭真宏さんが孫さんの指導のもとに「健康行動理論に基づいたネゴバトの評価の研究」というテーマで研究をすすめることになりました。市民科学研究室と共同で様々なデータを集め、考察を深め、その結果がこの英語論文に結実することとなりました。

孫大輔さん(現、鳥取大学 医学部 地域医療学講座)から市民研・代表の上田宛にいただいた私信でのコメントを以下に掲載させていただきます(青字部分)。

改めて、本研究の結果を端的に表現すると以下のような形になります。
・成人/大学生/高校生でシリアスゲーム(ネゴバト)による生活習慣に関する意識変化の機序を検証した
・意識変化にはいずれの群でも「行動コントロール感」と行動意思の関連が強く認められた
・自由記述の分析では「ジレンマ」を感じることが学習と行動変容につなっていることが示唆された

行動コントロール感、主観的規範、行動への態度、という行動変容の三要素(計画的行動理論)の中で行動コントロール感(ある行動を実行できると感じること)が強化されることがネゴバトの効果であり、さらに「ジレンマ状況」の経験が学習を促すというメカニズムが明らかになったといえます。

ネゴバトでは実際にカードゲームを使って、その場面をシミュレーションするような形になるので、単に知識として学ぶ形よりも行動コントロール感が変わりやすくなるのでしょうね。

生活習慣病への様々な対策が模索される中で、ネゴバトはユニークな位置を占めるものではないかと思います。国際的にも注目が高まっていくことを期待しています。

上田昌文(NPO法人市民科学研究室・代表)

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