電源周波電磁界リスクへの政策選択肢

投稿者: | 2002年4月11日
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Policy Options in the Face of Possible Risk from Power Frequency Electric and Magnetic Fields (EMF)
電源周波電磁界からの考えられる危険に直面してとられるべき政策選択肢
Prepared by Raymond Richard Neutra, M.D., Dr. P.H. レイモンド・リチャード・ニュートラ、医学博士、博士
大志万 一徳 訳
June 2002 Final Report
2002年6月 最終報告
PolicyOptionsF-Japanese.pdf
摘要
1993年、カリフォルニア公益事業委員会は保健省に電源周波電磁界についての研究と政策分析の計画を監督する権限を与えた(www.dhs.ca.gov/ehib/emfを見よ)。学校と仕事場における電磁界曝露に関する事業と、電磁界と流産に関する研究に加えて、その計画は二つの政策分析を支援した。その政策分析はそれぞれ、電力網と学校に関する考えられうる電磁界情報運動と忌避対策についてであった。
利害関係者の顧問団がその電磁界計画を監督した。政策分析の監督に当たって、利害関係者は、抑制できない環境曝露に関して、異なる好ましい行動に至る四つの異なる政策枠組みの下で行動をとることが明らかになった。経済学者と規制者は”最少の費用で最多の人々にとって最善”をめざす”功利的”枠組みを支持する。多くの市民は”費用の如何にかかわらず最も弱い人々を保護すること”をめざす”社会的公正”枠組みを支持する。ほかの人たちは実行する前に、問題について確かさを要求する、”事実上の確かさを必要とする”枠組みを支持する。更にほかの人々は、問題があるという確信の程度にかかわらず、環境の危険に対する任意の非政府的方法を好む”不干渉主義者”枠組みを支持する。
費用と便益という見地から政策を案出する経済学者と規制者を助けるために、政策契約者は次の質問をした。安価なあるいは費用のかかる電磁界情報運動と、あるいは、忌避対策を実施するには、電磁界が病気の原因であるということにどれほど確信がなければならないか、そして、どれほどの病気が引き起こされなければならないか、と。結果は、安価から高価に至る費用の範囲は、電磁界が病気の原因であるという確信が100パーセントなくても、費用と便益という見方から正当化できるということを示唆している。とられる忌避対策によって、1999年の公共事業料金を10年間に0.2パーセントから3.5パーセント引き上げることになり、4.8億ドルから76億ドルかかるであろう。情報運動はずっと安いであろう。とられる他の保護対策によって判断して、経済学者は、社会は、避けられる一人の統計的な死に対して、500万ドルを払うことをいとわないようだと、発見した。これらの投資費用を有益なものとするために、経済学者は、州全体の電磁界緩和電力線の35年の耐用年数の間に、100人乃至1,500人の死亡を避ける必要がある、とするだろう。(保健省の電気工事請負人は費用と資金調達計画が変わりやすいことを認めている。従って、これらの数は2の因数によって増大するだろう。)
学校電磁界への干渉は州全体で4000万ドルないし5000万ドルかかるだろう。従って、この干渉費用を有益なものとするためには、経済学者は、州全体で、35年と想定される電磁界が緩和された学校の耐用年数の間に、500万人の生徒と50万人の教職員の間で10人の死亡を避けることを必要とするだろう。
費用の如何にかかわらず弱者を保護することをめざす”社会的公正”政策枠組みを使う人々に対しては、分析はその見方に興味のある問題を論じる。いかなる行動をとるためにも、電磁界の影響について確信することが必要だとする”事実上の確かさを必要とする”枠組みを使う人々に対しては、分析と危険評価は(後段参照)、彼らが立場をとるのに必要な情報を提供す
る。”不干渉主義者”枠組みを支持する人々はとられうる任意の、あるいは情報の、戦略が論じられるのに気づくだろう。
“功利的、””社会的公正、”及び”事実上の確かさを必要とする”政策枠組みを支持する人々は、この評価と分析に基づいて、多分異なる行動を唱道するだろう。カリフォルニア公益事業委員会には、電力網に関してそのような相違を解決する行政手続きがある。彼らはカリフォルニア電磁界計画が、その審議において電力網に関して収集した情報を使うことができる。教育施設にかかわる州機関と地区は、彼らの従事するいかなる政策行動においても、政策分析と曝露情報を使うことができる。現時点においては、保健省は、政策に関していかなる勧告もしていない。
カリフォルニア電磁界計画
1993年、カリフォルニア公益事業委員会は、投資者が所有する公益事業が、政策に関連のある研究と公教育のための基金を提供するよう指示した。都市の公益事業も、この700万ドルの計画に寄付した。その結果生まれたカリフォルニア電磁界計画は、財政上非営利団体の公衆衛生学研究所によって運営され、保健省によって監督された。カリフォルニア公益事業委員会の要請によって、関心のある市民、国際電気労働者組合、公益事業、及び様々の公公益益集集団団を含む利害関係者の集団が、追求すべきテーマに関して保健省に勧告し、二つの政策事業について、詳細に論評した。電磁界計画によって支援されたこれら及び他の事業は、その事業のホームページ(www.dhs.ca.gov/ehib/emf)に記述されている。利害関係者は、保健省が不確実さに直面して政策を形成するのに役立つように、危険評価を行うよう求めた。電磁界の問題に利害対立か特別の偏見のない科学者からなる科学顧問団が、危険評価について独立の評価を行った。
同時に、1993年、カリフォルニア公益事業委員会は、投資者が所有する公益事業が、新しい送電線と配電線の建設に当たって、”費用が全くかからない、及び少ししかからない”電磁界忌避政策を行うよう指示し、公益事業が電磁界を忌避するための事業費全体の4パーセントまでを公共料金納付者が支払うようにすることを許可した。公益事業委員会はまた、公益事業が1年につき一回、月の請求書で、電磁界研究に関する毎年の最新情報を提供し、顧客に電磁界の測定結果を無料で知らせるよう指示した。
四つの政策枠組みは不確実な状況下では異なる行動となる
科学界のメンバーは、電磁界が様々な病気の危険に影響するという確信の程度において、少しも同意していない。不確実さに直面して政策を立案することは、多くの公衆衛生問題の特徴である。例えば、地球の温暖化、狂牛病、及び放射線を照射された食品がある。計画の学校と電力網政策事業を立案し、議論する過程において、利害関係者は、任意の、そして抑制できない曝露を含む、そのような問題を取り扱う際に、彼らが採用する政策枠組みが異なることが明らかになった。また、政策選択についての多くの議論は実際には、枠組みについての議論であることも明らかになった。経済学者、技師、規制機関は、しばしば主として結果志向の”功利的”枠組みを用いる。この枠組みを用いるいかなる利害関係者も、その選択をいくつもの基準に従って考察し、様々な基準の中で、最善の取引を生み出す選択肢を選ぶ。最も調和のとれた基準を備えた選択肢を発見するために、功利的利害関係者は、ドルの価値を事業の費用のような明白な基準や、審美的結果とか、救われる人間の生命の特質を変更した年月にさえ割り当てる。この取り組み方を用いる利害関係者が、異なる関心のために、結局異なる行動を唱道することになるとき、功利論者は”最少の費用で最多の人々に最善”を生み出すことをめざす解決策を選ぶことによって、その対立を解決する。時々この枠組みは、狭い階層の人々の利益を無視する。多くの問題について、一般公衆は功利的枠組みを支持しない。しばしば彼らは費用の如何にかかわらず、義務を果たすか弱者の権利を守ろうとする”社会的公正”の枠組みを支持するか、個人と財産の権利を政府の干渉から守ろうとする”不干渉”枠組みか、行動に移る前に、問題の事実上の確かさを必要とする枠組みかを支持する。これらの枠組みの支持者は、異なる政策選択肢を好むかも知れない。例えば、電力企業を所有する市が電力線と電気器具からの磁界は多分危険であると決定し、それについて何かしたいと思ったとしたらどうだろう。市の功利論者は、その市公益事業はたとえ彼らがその起源に責任はなくても、曝露を減少するための最も費用便益がある対策の支払いをすべきだと勧告するかも知れない。例えば、彼らは、電力網によって引き起こされるかも知れない病気を予防するために、古い高曝露の電気毛布を十分買占め、新しい低曝露の型と取り替えることができよう。社会的公正の枠組みを支持する人々は、電力網の近くに住んでいる少数の人々はまだ不公平な危険にさらされていると指摘するかも知れない。彼らは信頼できる少数の科学者が、例え少数でも人々の権利を侵害する危険が少しでもあると思っているということに基づいて、費用のかかる忌避政策が正当とされる強い形の”予防原理”に訴えるかも知れない。彼らは、環境の公平という教訓に従って、以前に他の危険にさらされたこと、低所得水準、医療のより少ない利用、あるいは人種的不平等に基づいて、このグループが電磁界に不公平にさらされてきたとすれば、このグループを保護する特別な義務があると、いうかも知れない。この見方からすると、電磁界のような環境物質は”無罪と立証されるまで有罪”として取り扱われるべきである。それ故、この枠組みは、そうすることがより費用がかかっても、電力線の近くに住む人々は、電力線の電磁界をより低くすることによって、保護されるべきであると、提案するだろう。彼らはまた、企業が費用を負担して、”彼ら自身の乱雑状態を片付ける”ことが、企業の義務であると訴えるであろう。”不干渉”を支持する人々は、上記二つの枠組みが少数の人たちのために、多数の人々に心ならずも課税しなければならないので、それらの枠組みに反対するかも知れない。電磁界の存在に対する確信の程度にかかわらず、彼らは情報計画を”知る権利”によって、自由市場と関係のある人々の任意の行動が問題を解決することを好むかも知れない。”事実上の確かさを必要とする”枠組みを支持する人々は、その分野の全ての科学者が問題について確信しなければ、どんな行動もとりたいとは思わないだろう。これらの人々には、電磁界は”有罪と立証されるまで無罪”である。これらの議論には厳密な意味での解決はない。民主主義は政治的な過程によってそれらの議論を処理する。
カリフォルニア電磁界計画の政策契約者は、すべての枠組みの支持者に有益な取り組み方を使い、政策決定者が、異なる政策選択肢の特徴が、主としていずれかの政策枠組みを支持する利害関係者にどのように魅力的かを予測するのに助けとなるように、異なる政策枠組みが対立する問題を浮き彫りにするよう指示された。”社会的公正、””不干渉、”及び”事実上の確かさを必要とする”枠組みは、かなり簡単な規範的原理によって決まり、広範な提示を必要としない。彼らの議論は大抵の利害関係者がより容易に理解することができる。結果志向の”功利的”分析は、本質的に潜在的な結果と、検討中のおのおのの選択肢の費用についての広範な討論を必要とする。この理由で、功利的利害関係者と規制者に答えるために、分析の大部分は功利的で、多くの利害関係者には理解しにくいかも知れない。保健省はカリフォルニア電磁界計画の最初から、すべての利害関係者と有意義にかかわってきたけれども、現時点においては、これら四つの政策枠組みのどれかを唱道することは、保健省の役割ではない。このことは、社会的公正・環境的公正の枠組みにとって、特に重要である。
電流からの遍在する曝露についての政策を形成するに当たって、政策立案者は費用の問題を考察するのかどうか、及び電磁界の危険について100パーセント以下の確信の程度で行動するかどうかを、前もって決定する必要がある。費用を無視するか、危険が事実上存在する場合にのみ行動する人々にとっては、カリフォルニア電磁界計画によって支持される政策事業のかなりの部分は役に立たないであろう。これらの問題を本当に考える人々には、政策分析は有益なはずである。
政策事業において使われる意思決定分析の取り組み方は、その取り組みで利害関係者が、誰が忌避の代金を払うのか、そして誰が異常な曝露を受けるのかに絶えず注意し、考慮に入れることができる程度まで、非功利的政策枠組みを斟酌する。それはまた不確かさを明白に取り扱う。
経済学者の公衆衛生活動の価値への取り組み方
経済学者のように、統計上の生命のドルの価値を尋ねることは、功利的枠組みでのみ意味をなす。功利的枠組みは人間の生命のような様々な基準に、ドルの価値をつけることをいとわない。多くの重要な利害関係者がこの枠組みを使うので、社会的公正の枠組みを使う利害関係者は、その質問をすることさえ気詰まりに思い、事実上の確かさを必要とする枠組みを使う利害関係者は、100パーセントに満たない確信度によって保証される、あまり費用のかからない方策に対してさえ、代金を払うことを求められれば、気詰まりに思うだろうが、我々はそれを真正面から扱う。
計画の政策契約者たちは様々な医学、公衆衛生学、及び環境の政策とそれらの効能を比較する経済の(功利的)文献をよく調べ、経済学者は、統計的な死を避けるために、社会は何を支払うことをいとわないと思っているかを、推論した。これは一人の死が避けられるのに100万ドルから1000万ドルに及んで、計画によって様々である。
様々の忌避政策の費用を正当化するために、功利的枠組みによって必要とされる健康の恩恵の大雑把な指標として、経済学者は単位事業費用(例えば、69キロボルト送電線の地中化に要する1マイル当たりの費用)を、一人の死を避けられる、例えば、500万ドルで割るであろう。これによって、その単位事業費用を費用便益があるものとするために、経済学者が1マイルについて避けられる必要があるとする死者数がでる。我々は我々の政策契約者の”資金を調達されていない”基礎事例の費用数値を提示する。報告そのものが、これらと他の事実についての利害関係者の議論を論じている。(数字は疑いなく 2の因数で多くなるだろう。)我々はまた州全体の事業費用を整数として、そして、電力網については、2000・2001年のカリフォルニア エネルギー危機以前の、州全体の公益事業総収入の割合として、提示する。
政策事業の詳細な分析においては、補修管理費、相対的な確実性、抵抗による電力損失、資産価値への影響等を含めて、全寿命費用が考えられた。後ほど論ぜられる資産価値を除いて、込み入った分析の一般的な結論は、資本の経費のみを考えて以下に提示する結論と似ている。経済学者の中には、ある期間に電磁界曝露によって起こる死は、人は35年先の死よりも差し迫った死をより恐れるという事実を反映するために、割り引かれるべきだと示唆する人がいるだろう。計算を分りやすくするために、そして統計上の死を割り引することに反対する人がいるので、我々は(より小さい)割り引されない数値を提示した。これらの問題は報告書そのものの中で論じられている。
良心的な功利論者は乏しい財源を使う一層費用便益のある方法があるかどうかを尋ねるだろう。例えば、送電線を相順変更するか、地下に埋設するのに使われる資金が、反喫煙教育に使われるとすれば、同じ資金でもっと効果があるだろうか。政策契約者は、資金がまたがって転用できない”決定領域”があることを指摘する。カリフォルニア公益事業委員会は、投資者が所有する企業が公共料金納付者の金を喫煙者教育に使う権限を与えないだろうから、その質問は現実的ではない。酸性雨を増やす硫黄と硝酸塩をより少なくし、地球温暖化を推し進める二酸化炭素をより減少し、環境汚染を増大する水銀を減らして発電するのに金を使うことで、企業がより多くの健康の恩恵を提供するかどうかを尋ねることは、道理にかなっているであろう。もし実際これらがより費用便益があり、企業が方向転換して、電磁界資源をそれらに捧げれば、活動は、現在の”新しい事業における全く、そして、少ししか費用がかからない忌避”のような費用便益のある活動や、情報活動に限定されるかも知れない。それらは全て全体の費用がより少なく、従ってカリフォルニア公益事業委員会の決定領域の中の他の人命救助活動から転用する金はより少ない。カリフォルニア電磁界計画は、電磁界忌避と企業の他の考えられうる健康増進政策を比較する功利的質問に答えることはできない。何故なら、これらの他の問題の比較できる費用便益分析が行われていないからである。いずれにしても、非功利的政策の枠組みは、このような他の問題を回避することと対比した、電磁界忌避の相対的な有益性を判断するのに、異なる原理を使うであろう。
下記に提示する数値によって、読者は、州において”さらされる”人々の数と、忌避対策が、信じられないほど大きな健康の恩恵があるので、経済学者の功利的費用便益枠組みの下で、採用されることを当然としているかどうかを、決めることができる。
電力網
送電線は(通常鉄の塔上を)発電機から変電所へ、そして変電所から変電所へと延びている高電圧・大電流の電線である。
およそ1700″送電線路”マイルの69キロボルトから230キロボルトの送電線がカリフォルニアの居住地域に延びていて、これらの線の両側500フィート以内に、およそ150万人の人々が住み、51万人がその磁界(時間加重平均値{TWA}は2ミリガウス以上)にかなりさらされるほど、これらの電線の近くに住んでいる。ミリガウス(mG)は磁界曝露の単位である。典型的な住宅は平均0.5ミリガウスと1ミリガウスの間であろう。
異なる電圧の送電線で時として可能な、設備改造によって磁界を低下させるための費用のかからない対策(逆相配列、最適配列、相分離)は様々だが、費用は1マイルにつき平均およそ8万ドルに落ち着く。1マイルについての費用8万ドルを一人の死を避けるための費用500万ドルで割ると、送電線の35年の寿命の間に0.016人の死(即ち、全長1,700マイルでは{割引なしで}27人の死)が起こることになる。もしこの”費用のかからない”対策(総計13600万ドル)によってこれらの死を避けることができれば、経済学者はその対策は採算が取れるというだろう。10年間の電気料金への影響は1パーセントの何分の一かであろう。
送電線からの磁界を減らす費用のかかる対策は、電線を地中に埋め、十二分に絶縁し、磁界が打ち消し合うようこれら多数の地中電線を近接して埋設することである。このように近接して埋設することは、地上の電線では不可能である。地中に埋設する費用の見積もりは、表1に示されている。
カリフォルニアでは、16万マイルの地上の一次配電線が、変電所から顧客まで(通常木柱上を)架線されている。およそ4パーセントが住宅地区にあり、また、疫学研究における”高い”種類の磁界を生じさせると推定されている。従って、電磁界曝露に基づけば、およそ6,700マイルの配電線が改装の対象となる可能性がある。我々の契約者は、100万人が磁界によってかなりさらされるほど(時間加重平均が2ミリガウス以上)これらの線の近くに住んでいると、推定している。
配電線に関して時として可能な、磁界を消滅させる費用のかからない、しかし非常に有効な手段は、配電線を”圧縮三角配列”形状に配置することによって成し遂げられる。これらに対する見積もりの結果も表1に示されている。
配電線に関する費用のかかる対策は、配電線を地中に埋設し、磁界が打ち消し合うように、回線を配置することである。この対策の見積もりは、表1を参照せよ。
新規送電線・配電線の相順、配置、あるいは地中化は、既存設備の改装より費用がかからない。詳細な政策分析はこれらの選択肢を別に扱っている。
多分5パーセントの人々が、接地線よりはむしろ配管を経由して電力網に戻る接地電流によって、磁界がかなり大となる家に住んでいる。これは55万の家と165万人に、それらの家の磁界が平均2ミリガウス以上となるまで、影響を与えると考えられている。
この曝露を下げるのに推奨される方策は、水道・ガス管等の非伝導性(通常プラスチック)配管を用いることで、電流が接地線を経由するようにすることである。これには、一住宅につき200ドルから500ドルかかるかも知れない。見積もりについては、表1を参照せよ。
公衆が発電所や変電所から受ける曝露は、それらに出入する送電線と配電線は別にして、無視してよいだろう。これらの他の源については上に述べた。
表1に見られるように、およそ151万のカリフォルニア州の人が、電力網から、平均2ミリガウス以上の住宅地の電磁界曝露を受け、別に165万の人が接地線の代わりに配管を経由して接地電流が電力網に帰ることにより、屋内でそのような曝露を受けている。これらの源の間には重複があるので、曝露全体はこれらの数値より小さい。特定の職業集団は別として、ほとんどの人々は一日24時間のうち多くの時間を家で過ごすので、ほとんどの日常の曝露は住宅における曝露である。送電線の相順変更、配電線のコンパクト化、配管の改造というあまり費用のかからない対策には、全州でおよそ48000万ドルかかり、10年間で電気料金1パーセント以下の値上げになるだろう。経済学者にとってこれらの対策が費用便益あるものと思われるためには、35年間で全州でおよそ96人(割引なし)の死が避けられねばならないだろう。接地電流帰路の問題のある屋内の配管変更というあまり費用のかからない対策はいうまでもなく、強度の電磁界曝露を生み出す住宅地区の送電線と配電線の地中化という費用のかかる対策には、およそ 76億ドルかかり、10年間にわたって約 3.5パーセントの電気料金の値上げとなるだろう。経済学者にとってこの対策が費用便益のあるものと思われるためには、35年間におよそ 1,500人(割引なし)の死を避ける必要があるだろう。
忌避対策を新しい送電線と配電線に限定すれば、同じ費用便益を維持しながら、全体として費用はより少なく、電気料金への影響はより少なく、他の活動から資金を転用することはより少なくなるだろう。そうすれば、大多数の人々は、計画が自分たちに向けられることなく、無意識に電力網にさらされることになるだろう。情報計画は社会的公正の枠組みの”知る権利”に答えるが、費用便益については不確かである。1年に50万ドルかかる計画は、費用便益があるためには、10年ごとに州全体で一人の生命を救う必要があるだろう。
表1. 住宅地区の電磁界の源、費用のあまりかからない電磁界緩和と費用のかかる電磁界緩和の経費、経済学者にとって費用便益があると思われるために避ける必要のある死者数
¥電線のマイルは契約者の最も確実な見積もりを表す。カリフォルニアの公益事業は、住宅区域における回線と送電線路の正確な距離を出すためには、特別な研究が必要だろうと説明した。
1総費用を一人の死が避けられるための費用 500 万ドルで割ることによって、功利論者は対策が費用便益のあるものとなるのに必要な、避けられる死者数を得るであろう。
*源の間の重複のために、電磁界にさらされる人々の総数は、各々の源によって被害を受ける人々の和より小さい。
出典:von Winterfeldt, D. Power Grid Project. www.dhs.ca.gov/ehib/emf.
学校
表 2は、カリフォルニア電磁界計画のために行われた、89の無作為に抽出された学校の調査による、カリフォルニアの学校における曝露の80パーセントを占める、四つの電磁界源(不適切な配線、パネル盤、配電線、送電線)に対する、同様の推定を示している。最も一般的な源は、副パネル盤と接続箱における接地線の誤接続である。
この結果”不適切な配線”と呼ばれる状態になる。この配線は正しい配線法に反し、火災を起こす確率を高める。また、磁界も生み出す。磁界を変えるのは非常に高くつくということはないが、少なくとも一つの教室が被害を受けている学校は多い。パネル盤の近傍は高価な遮蔽物を使用しなければならないまれな電磁界源である。学校の近くでは、配電線と送電線が曝露の源となることはずっと少なく、上記のように処理することができる。政策契約者たちは、2ミリガウス以上の磁界を除去するためにこれら四つの源を処理する全州の計画の総費用は、およそ 4300万ドルであろうと推定している。利害関係者の中には、不適切な配線はいずれにせよ正しい配線法と一致するように処理されるべきものだから、総費用から不適切な配線処理のための1600万ドルを差し引くべきだと主張する人がいる。全州の費用の大きな要素は、異常な源を発見するために全8,000校で行われる、電磁界曝露の体系的な調査であろう。(全ての学校に全ての源があるとは限らないので、行総額は必ずしもセルの数字の和ではない。)
経済学者は、4300万ドルの対策を費用便益あるものとするには、35年間に500万人の生徒と50万人の教職員の間で、9人の死を避ける必要があるとするだろう。
“時間加重ミリガウス”として表される電磁界曝露の大部分は、2ミリガウス以下である。従って、表2で2ミリガウス以上の曝露を除去することに向けられる対策は、曝露のほんの少しに過ぎない。3ないし4ミリガウス以上になって初めて危険は生じるというかなりの疫学の証拠がある。
表2. 教室における空間平均磁界を2ミリガウス標準とするための費用。費用は最も信頼できるもので、ザッファネラとフーパ 2000 の単位費用推定と曝露データに基づいている。実際の費用は、これらの推定とはかなり異なるかも知れない。
出典:Florig, K. School Policy Project. www.dhs.ca.gov/ehib/emf
政策決定に関する分析についての詳細な洞察
利害関係者は、政策契約者に、直接の事業の建設費と潜在的な健康上の利益は、現状とあまり費用のかからない選択肢および費用のかかる選択肢とを比較する唯一の基準ではないと指摘した。特に非常に重要な電力網に関して、利害関係者は、いくつかの選択肢が、確実性、抵抗による電力損失、資産価値にどのように影響するかについて議論した。また、いかなる変更も、その資金調達の方法(現金払い対借金)が重要であることが明らかになった。更に、電線を覆う樹木、電柱への衝突の回避、大気汚染への影響、電気が原因の火災を含む、20の考察を行ったが、上記の項目よりははるかに費用がかからないことが判明した。従って、これらの項目を考察しても選択肢の順位が変わることはなかった。接地電流を避けるための接地系統の変更に対してはいうまでもなく、配電線と様々の電圧階級の送電線に対する、報告書とコンピュータモデルが用意された。これらのモデルによって、様々な利害関係者の顧問は、憶説に挑戦し、得られる洞察は正当であると確信することができた。同様の取り組み方が学校政策の分析にも用いられた。
一つの異論のある問題は電磁界の不安が電力線の近くの資産に与える影響にかかわっていた。心配そうな市民利害関係者は、電磁界の不安がすでに資産価値に影響し、電線を地中化すれば、隣接する資産は元の価値に戻るだろうと、主張した。彼らは更に、かなり小規模な資産再評価で、埋設費用は相殺されるだろうと主張した。例えば、1マイルの送電線に隣接して30万ドルの住宅100戸があれば、10パーセントの再評価で埋設費300万ドルが出ると、主張するだろう。政策契約者は、カリフォルニアでは人々はしばしば住宅を売買すると、指摘した。その理由は、電力線の埋設によって、1980年代に電磁界の不安が始まる前に買ったかなりの所有者は、元の価値を取り戻すことができるが、その不安が始まった後で安く買った人々には棚ぼたとなるからである。更に、電力線の近くの人々が、全ての公共料金納付者に資産低下の損失をうまく分散するのでなければ、彼らが賠償か、棚ぼたを受けた事実は、残りの公共料金納付者の電気料金の負担に影響しないだろう。資産価値の低下を電磁界不安の結果とみなすことは、潜在的だが不確実な危険性のある他の環境物質の先例となるだろう。また、電力線の近くに住む人が全て住宅を所有しているというわけではないので、環境的公正という問題が現れる。最後に、電力網政策分析の結果副次的に産まれた特別事業は、審美的影響に対する電磁界による資産への影響の程度に関して、確実な証拠を提供することは、非常に高くつき、極めて困難だろうと示唆した。これはカリフォルニア公益事業委員会にとって重要な政策問題であろう。
読者は、全ての結論については、実際の事業の要約と報告書全体を参照すべきである(www.dhs.ca.gov/ehib/emf)。概して、電力網と学校政策分析は、小児白血病だけが電磁界によって影響を受けるということに並みの確信があれば、費用効果の基準に基づいて正当化される、費用がかからない対策から、並みの費用がかかる対策があると、結論を下した。電磁界によっていくつかの病気が引き起こされると並みの程度確信があれば、高価な対策は正当とされるだろうが、この病気だけに、非常に大きな影響があると100パーセント確信がある場合でさえ、高価な対策は正当化されないであろう。
両方の政策分析は、電力線の近くと学校に対して基準を設けることの選択肢を検討した。これは、利用できる技術によってできるだけ電磁界を低下させるように最善を尽くすだけより、厳しい取り組み方である。特定の数値を設定することが理論的に成り立つためには、適切な測定基準が分っており、安全な水準が定義されているという確信が必要である。影響が始まっていない電離放射線については、通常100万分の1か10万分の1の危険に相当する曝露の水準である”参考としての些細な”危険水準が選ばれる。影響が始まる他の物質には、10倍から1000倍にわたる安全基準が使われてきた。この取り組み方を使えば、もしXミリガウスが健康への影響が現れ始める最低の水準であれば、基準は1000分のXミリガウスとされるだろう。これらの取り組み方のいずれも、結果として、電力線から離れた住宅において、参考水準よりも遥かに下の水準を必要とすることになるであろう。基準に対する賛否両論は一つ一つの政策分析において論じられている。
医師・疫学者、遺伝学者・疫学者、疫学の教育を受けた物理学者、の三人の科学者が、電磁界の文献をよく調べるために、保健省によって任命された。彼らは10人の他の保健省の科学者に支援を受けた。読者は「危険評価」(www.dhs.ca.gov/ehib/emf)から、電磁界についての特別の証拠を考察する前には、三人の科学者は、毎日の電磁界への曝露が病気を引き起こすという確信はあまりなしに、調査を始めたことを見ることができる。電磁界の証拠をよく調べた後、この確信の程度は増加した。ある程度まで、保健省の三人の科学者は、電磁界が原因で小児白血病、成人悪性脳腫瘍、筋萎縮性側索硬化症および流産の危険が、次第にかなり増加する、という信念に傾いた。他方、彼らは、電磁界が出生障害か出生時の体重不足の危険を増大しないと確信し、研究された類型の癌が全て電磁界と関係があるわけではないので、電磁界は”普遍的な発癌物質”ではないと確信した。ある程度まで、彼らは電磁界が原因で、心臓病、アルツハイマー病、抑うつ症、あるいは人によっては電磁界に対する感度のせいにする症候、の危険が増えると信じる傾向はなかった。三人の科学者は全て、電磁界がかなりの程度自殺の危険を増大するかしないかの間で、ほぼ同じ程度に意見が分かれた。成人白血病については、二人の科学者は、信じると信じないの間の境界線に近く、一人は電磁界がかなりの程度危険を増大すると信じる傾向があった。三人の保健省調査員の結論には重要な相違があるが、保健省の科学者は、1998年米環境健康科学研究所特別調査委員会、2001年国際癌研究機関、及び2001年英国放射線防護局によって、科学的文献を評価するために招集された専門委員会の構成員の大半よりも、電磁界にさらされると、上記の健康問題の危険が増大すると、一層信じる傾向がある。これらの他の委員会は全て、電磁界を小児白血病の原因で”ありうる”と評価した。このように、保健省調査団同様、これらの他の三つの調査団は、住宅地の電磁界は大変微弱なので生物への影響はありえないという物理学者の議論にはあまり左右されなかった。米環境健康科学研究所は更に、電磁界が成人リンパ球白血病の原因となりうると評価し、英国放射線防護局は、筋萎縮性側索硬化症と因果関係がありうると評価した。三人の保健省の科学者は、電磁界とこれら三つの病気との間に因果関係があると信じる度合いが、他の調査団よりいくぶん高く、他の調査団が考察しないか、”不適切”とした、電磁界と成人悪性脳腫瘍及び流産との因果関係の証拠を信じるという点で異なっていた。これらの相違には、いくつかの理由がある。三人の保健省の科学者は、動物及び試験管実験が、健康被害の因果関係か健康問題に気付かなかったのには理由があると考えた。このゆえに、そのような動物及び試験管実験によってあまり支えられなくても、彼らの自信をひどく失うことにはならず、また人間の統計的な研究から得られた疫学の証拠を強く疑うようにはならなかった。
疫学者が見つけうる最小の危険さえ、10万分の1以上の生涯危険を暗示するので、最もまれな病気との関連でさえ、もし現実のものであれば、規制の見地からみて重要であろう。それにも拘らず、電磁界曝露の明白で独特な危険は特別なものなので、高度な曝露を受けた大多数の人々はこれらの病気にかからないだろう。たとえ、保健省の科学者がかなり信用した参考資料としてのカリフォルニアの病死者(小児白血病{35年間に参考資料としての死者数3,465}、成人悪性脳腫瘍{35年間に参考資料としての死者数45,290}、筋萎縮性側索硬化症{35年間に参考資料としての死者数15,190})のほんの数パーセントでさえ、35年間に、電力網に対するささやかな取り替えを費用便益あるものとするのに必要な、35年間に98人の死亡を優に超過するだろう。同じことが学校における取り替えを費用便益あるものとするのに必要な、35年間に9人の死亡についてもいえるだろう。
様々の電気現象が電力線、屋内配電線、配管、及び電気器具の周辺に存在する。これらの中には、様々の周波数と分子配列の電磁界、接地された配管と接触することによって起こる迷走電流、及び電界によって荷電された大気汚染粒子がある。疫学研究は主として磁界か磁界と密接に関係するものにかかわる。研究者の中には、磁界よりは、関係する高周波数あるいは低周波数の、迷走接触電流か、荷電された大気汚染粒子の方が、病気に対する真の説明となると考える人もいる。磁界を除去するためにとられる行動は、電流か荷電された粒子を除去するためにとられる行動と、必ずしも同じではない。異なる高価な対策が、上記の三つの考えられる説明を処理するのに必要とされるような状況もある。一つかそれ以上の費用のかからない忌避行動が三つ全てを処理するような状況もある。従って、どのような局面が緩和される必要があるかについて、このように不確かさが付け加わるために、政策立案者にとって挑戦となるだろう。カリフォルニア電磁界計画は、これらの不確かさに直面して追求されるような様々の選択肢を探究するための政策事業に、資金を提供した(www.dhs.ca.gov/ehib/emfを見よ)。これらは、カリフォルニア公益事業委員会と他の州機関が、政策を形成する際に、参考として利用できる。
他の政策に関する示唆
保健省は現時点においては勧告を行っていない。興味のある人々は、様々の主題を取り扱っている、電力網と学校に関する政策分析事業を参照すべきである。これらの中には、電力網と学校に関する、費用のかからない、あるいは費用のかかる忌避対策、及び更に進んだ研究の費用効率がある。計画はまた、電磁界曝露を伝えそうな電気工具を使うような仕事を見分ける可能性に関する研究に、資金を提供した。この事業は、カリフォルニア労使関係省のような、職業政策にかかわる人々に有益であるかも知れない。
政策事業は一般の人々に興味があるかも知れない全ての問題を扱っているわけではない。それらの中には次のようなものがある。
カリフォルニア公益事業委員会は、電気料金請求書に、顧客のために、年一度電磁界に関する情報を知らせ、電磁界の無料の測定をして、新しい計画で、全く費用のかからない、及び低費用の忌避政策を継続するか、しないか
送電線の下の土地の賃貸し権を認めるのかどうか、送電線の近くに遊び場やジョギングコースを認めるのかどうか、現存する送電塔の電流量の変更か、更に進んだ研究を促進するために送電線の電流を記録する要求、を認めるかどうか
学校の電磁界を検査するか、あるいはそこで電気工事請負業に従事する人々を教育し、彼らに免許状を交付するかどうか
オフィスビル、病院、デイケアセンター、養護施設、工場のような他の型の建物に対する選択肢
電気鉄道と電気自動車か混成自動車の電磁界についての選択肢と公衆のための情報
電気にかかわる職業と他の職業に対する選択肢
政府機関と公衆に教育と技術的支援を提供するための選択肢
電気器具のデザインあるいは信号法構築のための選択肢
職業環境における電磁界忌避のための選択肢
蓄電と太陽熱発電及び風力発電、そして、使用される電力と送電距離を減少させる”分散型電源”の(もしあれば)役割
架空と地中の電力線の相対的信頼性、電力網の傍での感電死の発生、及び電磁界と関係があると考えられる普通の病気の更に進んだ研究のような、(もしあれば)更に進んだ政策に関連のある研究主題はいうまでもなく、全ての更に進んだ研究の監督、組織化、及び財政的支援
行動が公平と環境的公正の問題に敏感であるように、あるいはそうでないように、全ての行動を実行するための選択肢
功利的費用便益の見方からすると、考察された様々な病気の原因についての確信の度合は、いくつもの費用のかからない、及びあまり費用のかからない対策が採用されて当然だと、示唆するであろう。
「危険評価」に基づいて、様々の政策枠組みの支持者は、異なる行動を主張するかも知れない。社会的公正の枠組みの支持者は多分より費用がかかるか、広範な対策を主張するだろう。事実上の確かさを必要とする枠組みの支持者は、現時点では何も行動を起こさないことを主張するかも知れないのに対し、不干渉枠組みの支持者は、情報提供の方法だけを主張するかも知れない。
カリフォルニア公益事業委員会には、電力網に関して対立する利害関係と見解を調停する、確立された方法がある。このことは、カリフォルニアでは、より大きな発電容量と送電容量の必要に直面しているので、特に重要である。州と地方の機関が学校政策を練り上げる。電気はどこにでもあるので、多くの機関がこの問題に潜在的なかかわりを持っている。
危険情報交換と他の電磁界に関する意思決定のための示唆
本計画は電力網と公立学校に関する詳細な分析のために資金を提供したが、電気は先進国では至る所にあり、社会の中心である。電力網と、あるいは、学校に関して、いかなる行動をとろうと、政策立案者は器具の設計、商業建築と公共建築、送電、仕事場の基準、を変える必要について、情報を送ることになるだろう。「危険評価」は、大多数の人々は電磁界によって健康を損なうことはないことを示しているが、学校、電力網及び住宅地区における強制的忌避行動が不安を招くのはもっともであろう。不安そのものが健康によくない。また、電気が使われ、電磁界が起こる様々な分野で、不法行為訴訟が起こりうる。新しい環境規制が提案されると何時も、心配が生ずるのももっともである。例えば、発癌物質と生殖毒性物質と認定されたものを含む製品に、ラベルをはることを義務付ける「提案65」が、1980年代半ばに採択された時、大きな心配が生じた。10年以上経った現在、その規制についてのもともとの不安の多くは誇張されていたことがわかる。経験によって、自分に直接利益がなく、曝露が抑制できない場合には、人々は非常に小さな危険に対してさえ、”後で後悔するより先に用心するほうがよい”態度をとる傾向があることが分っている。しかし、その暴露を排除するのに費用がかかるか、それに耐えることで利益があれば、人々はしばしば危険に耐え、心配しないだろう。従って、電磁界曝露に関してどのように進めていくかについて、公衆に情報を提供し、利害関係者の同意を得ることが重要であろう。
(訳者後記:本邦訳に際し、同志社大学工学部教授、雨谷昭弘博士には、電磁気学の視点から、全文を校閲していただいた。また、語句の解釈に関して、カリフォルニア州保健省の環境・職業病管理局長、レイモンド・リチャード・ニュートラ博士(Dr. Raymond Richard Neutra)及び官許精神分析医、フレデリック・W.・ベンダー博士(Dr. Frederick W. Bender)のご助言を得た。記して感謝の意を表する。)

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