農産物のナノ粒子汚染
小林 剛(東京理科大学客員教授)
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1. はじめに
ナノテクノロジーが世紀の最先端イノベーションとして登場してから、早くも、約10年の年月を経た。ナノマテリアル(NM)の製品開発研究には、その有望性を期待した産業界により、莫大な資金が多年にわたり投資され、相応の成果を上げているといわれているが、それらの「副作用」すなわちEHS (環境・健康・安全) リスクの解明と低減の研究は、不十分な助成措置が主因となって、さほど進展は認められない。
EHSリスクの中で、最重要視されたのは、当然ながら、最優先の 「ヒトの健康」であったが、生態系や動植物を含む「環境ハザード」に対する関心は、現時点でも二の次とされ、「跛行的な」実態は依然として変わらない。この点については、国としてのナノテクノロジーポリシーはもちろん、リスク分析専門家自身にも反省が求められるであろう。(つづく)
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