千代田区立高齢者センターの「やさしい科学講習会」報告
科学教室の助手をつとめて
いずみ とも花
「ペットボトルで浄水器や虹発生装置をつくりませんか?」
そんなロマンチックなお誘いにつられて、実験助手という形で参加させていただいた今回の科学教室は、9月16 日木曜日に千代田区の高齢者センターで行われました。
お話をいただいたときは、科学実験なんて……素人の私がお手伝いしてもいいの?!と思いました。「参加者の方々がペットボトルで浄水器を作る際カッターを使うので、その時の補助をお願いできれば……」という上田さんの言葉に、「あ、それなら私にも手伝えそう!」と気軽に助手気分を味わおうとした私でしたが、その後の準備実験や本番を通して様々な発見をすることになるので、このように自分にも出来そうと思える簡単な入口を用意してくれた上田さんに感謝します。
==今回実験したこと==
・ペットボトルとティッシュペーパーで浄水器を作り、泥水、色水、味噌汁を濾過する。
・ペットボトルと水とレーザーポインターを使って、光の屈折、媒体としての水、光ファイバーの原理説明。
・軟水と硬水の違いを石鹸の泡立ちの違いや味の違いで確かめる。
==私の小さな発見==
・フィルターであるティッシュペーパーの巻き具合により濾過に差が出る。
・色水は濾過しても色水。絵の具の粒子は結構細かい。当然、細菌などは濾過できない。
・味噌汁は濾過されてだし汁のようになった。ティッシュの味が少々混ざる。
・軟水は泡立ちが良い。実際に飲み比べてみても硬水との違いがわかる。
そうそう、実験に入る前に上田さんがパワーポイントを使って水に関する興味深い講義をしてくれたのですが、中でも圧巻だったのは東京ドームを丸ごと一つ包み込めそうなほど大きな袋に水を詰めて、海をわたる船の写真でした!
土地も水も切り売りする人や社会があるなら、やっぱり次は空気かな~ ?え、もうある?
身近にあるペットボトルをきっかけに、様々な水問題にふれた参加者のひとりは、持参した水を飲む時「貴重な水、貴重な水」と言いながら飲んでいましたよ。それにしても参加者(高齢者というだけあって人生経験豊富な方々ばかり)の皆様の学ぼうという姿勢は素晴らしい!
熱心にノートをとる方あり、さかんに質問する方あり、一番最後のフリートークタイムでは、上田さんのほうから参加者の方々に水に関する昔の体験を教えて下さいとお願いする場面もあり、お互い学びあえるって素敵だなと思いました。その中で、一人のおじいちゃまが「戦地ではボウフラなどの虫がわいていない水は飲むなと教わった」という話が印象的でした。要は毒が入っているかもしれないから、飲むのは虫が生きているところの水を沸かして飲むのが戦地では安全ということですが、今の田んぼや畑は農薬だらけで虫がいないし、水道水に虫やカエルの卵をいれたら生まれることが出来るのかしら……? と思った私でした。今回、実験の準備も少し手伝わせていただいて、正解が大事なのではなく、なるほど~、このようにもなるのか~という実感をおこしてもらったことがとてもありがたかったです。センター事務局の吉永さんにもお世話になり、貴重な助手体験をした一日でした。
P.S. カッターで指切った人・・・・・・・・・一名
カッターの刃が折れてヒヤッとした人・・・三名(私
を含む)