お風呂とシャワー、どっちが得か?

投稿者: | 2006年1月20日

平成16年度JST「社会技術」助成研究の中間報告 第6回
マッピング調査事例報告①
お風呂とシャワー、どっちが得か?
1.はじめに 
 生活者にとって、お風呂に入るかシャワーで済ますかを判断する際に考慮することとして、「費用」、「快適さ」、「手間」などが考えられるが、ここでは最も分かりやすい指標として「費用」のみを考え、「お金」という観点のみから、お風呂に入るのとシャワーで済ますのとでどっちが得なのか、ということを考えてみることにした。そのために、自分の家庭状況をインプットするだけで、1ヶ月あたりにどれくらいのお金をお風呂(シャワー)に使っているのかが分かる計算シートを作成した。そして併せて、「生活者ができる節約術」というものを考え、それらを実行することによる節約の効果も検証できるようにした。
 ただし、これは厳密な料金の算出を目的としているのではなく、お風呂とシャワーでどれほど料金の差が生じるのか、あるいは、節約することによりどれだけ得になるのか、ということを分かりやすく見せることを目的としている。
2.料金を計算するにあたって
 まず、問題を簡単にするため以下の仮定をおいた。(仮定における数値は、収集した情報をもとに平均的な値であると判断したものを用いた。)
(仮定1)浴槽は200Lの大きさで、180Lあたりまで40℃のお湯を張る。
(仮定2)浴槽を洗う際にシャワーは水で40秒間使用する。
(仮定3)体を洗ったりするのはシャワーを使う。
(仮定4)シャワーは40℃のお湯を使う。
(仮定5)水の単価は0.17円/ℓ。
(仮定6)追い炊きをするときは、2時間で3.5℃下がった温度を元に戻すときガス代9.3円かかり、ガス代は時間に比例して増加する。
3.インプット項目
 次に、料金を計算するために必要なインプット項目を
・ 家族構成(男性、女性、男子、女子(男子・女子は小学生を想定))
・ 風呂に給湯してから家族全員が入浴を済ませるまでの合計時間(時間)
・ 自動追い炊き機能があるかどうか。
・ (自動追い炊き機能がない場合)追い炊きするタイミングはお風呂を入れてから何時間後か。
・ シャワーの水圧( /分)
・ シャワーを浴びる時間(分):シャワーからお湯を出している時間のみとする。
とし、それぞれの家庭で入力してもらうことにした。
 ただし、シャワーの水圧やシャワーを浴びる時間は、計測しなければならないため、標準値として、シャワーの水圧は「12 /分」、シャワーを浴びる時間は「男性:8分、女性:12分、男子:5分、女子:8分」を与え、自分で計測しない人にはこれを用いてもらうことにした。
4.節約項目
 節約することによる効果を「お金」で計算することにした。以下にその節約項目を記す。
・ シャワーの使用時間を短くする。
・ シャワーのヘッドを節約型(従来の半分の水量)にする。
・ 湯船の水を再利用する。例えば、洗濯機への再利用。
・ お風呂を入れてから家族全員が入りきるまでの合計時間を短くする。
・ こまめにふたをして追い炊きしないで済むようにする。
5.計算
 以上から、お風呂とシャワーの1日あたりの料金と1ヶ月あたりの料金を、通常型と節約型でそれぞれ計算できる。EXCELの<計算シート>の青色で表示されている部分に必要な数値を入力すれば、自動的に料金が計算されるようになっている。ただし、残り湯の再利用は洗濯のみとし、洗濯頻度から、1ヶ月あたりの節約型料金を計算した。
6.一般的な世帯構成でのシミュレーション
 一般的な世帯構成として、
4人家族(男性1人、女性1人、男子1人、女子1人)
3人家族(男性1人、女性1人、男子1人)
2人家族(男性1人、女性1人)
をモデルケースとして、お風呂とシャワーの1日あたりの料金と1ヶ月あたりの料金を、通常型と節約型でそれぞれ計算した。ただし、
・ お風呂を入れてから家族全員が入りきるまでの合計時間は一人あたり30分
・ 自動追い炊き機能がある。
・ シャワーの水圧は12ℓ/分
・ シャワーを浴びる時間は「男性:8分、女性:12分、男子:5分、女子:8分」
とし、節約項目については、
・ シャワーの使用時間を1人あたり1分短くする。
・ シャワーヘッドを節約型(従来の半分の水量)にする。
・ 湯船の水を洗濯に再利用する(4人家族、3人家族は1日1回洗濯し、2人家族は2日に1回洗濯するとした)。
・ お風呂を入れてから家族全員が入りきるまでの合計時間を1人あたり10分短くする。
とした。
 すると、各モデルケースでの1ヶ月あたりの料金は下表のようになった。家族の人数が少ないほど、シャワーのほうがお得になることが分かる。
7.おわりに
 下記の計算シートでは、一般的な4人家族(親と小学生の子供2人)の場合の計算結果を示している。これを見ると、1ヶ月間毎日お風呂に入ると、毎日シャワーで済ますよりも通常ではおよそ3000円高くなることが分かる。また、節約することにより、お風呂の場合は1989円、シャワーの場合は1442円安くなっており、金額を目に見える形にすることにより、節約するモチベーションを上げる効果もあるのではないかと思われる。
 お風呂が得かシャワーが得かということに関しては、「費用」の観点からは、シャワーが得だという結果になった(仮定3より当然の結果)が、これに快適さや手間といった項目を付加すると、また違う結果になると思われる。
(市民科学研究室 牧尚史 小林哲郎)
使用した計算シート
料金 お風呂(通常) お風呂(節約) シャワー(通常) シャワー(節約)
4人家族 7780 6041 4907 3465
3人家族 6356 5024 3553 2495
2人家族 5441 4423 2707 1940
表 お風呂にした場合とシャワーにした場合の1カ月あたりの料金
(市民科学第9号 2006年1月)

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