UNSCEARチェルノブイリ報告に対するベラルーシからの批判

投稿者: | 2013年9月18日

翻訳・解題 
UNSCEARチェルノブイリ報告書(2000年)に対するベラルーシからの批判
吉田由布子(「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク)
pdfはこちら→csijnewsletter_020_yoshida_201309.pdf
翻訳原文(ベラルーシの科学者からのアピール)のpdfはこちら
Appeal by a group of scientists of the Republic of Belarus.pdf
福島第一原発事故後の人々への健康影響について、折につけチェルノブイリ原発事故による影響との比較が行われています。そして、チェルノブイリでは事故の時に被曝した子どもたちの甲状腺癌のみが国際的に認められている健康影響であるといったことが言われています。
たとえば2011年12月22日に出された「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」の報告書(http://www.cas.go.jp/jp/genpatsujiko/info/twg/111222a.pdf)では、チェルノブイリ原発事故による周辺住民の健康影響は、事故後増加した子どもたちの甲状腺癌以外には、「これらの周辺住民について、他の様々な疾患の増加を指摘する現場の医師等からの観察がある。しかし、UNSCEARやWHO、IAEA等国際機関における合意として、子どもを含め一般住民では、白血病等他の疾患の増加は科学的に確認されていない」としています。
このときの「国際的合意」としては、「科学的知見を国連に報告している原子放射線の影響に関する国連科学委員会(United Nations Scientific Committee on the Effects of Atomic Radiation、以下「UNSCEAR」という。)、また世界保健機関(World Health Organization、以下「WHO」という。)、国際原子力機関(International Atomic Energy Agency、以下「IAEA」という。)等の報告書に準拠することが妥当である」としています。しかしこうした「国際的合意」を当のチェルノブイリ被災国の科学者や住民も納得しているわけではありません。
次ページで紹介している文書は、国連科学委員会(UNSCEAR)が2000年に発表した「電離放射線の線源と影響(SOURCES AND EFFECTS OF IONIZING RADIATION)」の付属文書J「チェルノブイリ事故の被曝と影響(Exposures and effects of the Chernobyl accident)」の発表に際して、その内容を批判し、国連総会での承認の延期を求めるベラルーシの放射線の専門家から国連事務総長あてに出された文書。【別紙英文もご参照ください】
このとき、ウクライナからもUNSCEAR2000年報告に対する、抗議をこめた報告書が出されています。そのウクライナの報告書は、当時、私たち「チェルノブイリ女性ネットワーク」がウクライナ放射線臨床研究センターから直接入手したものです。追ってその内容も紹介したいと思っています。
(こうした当時の状況については拙著『未来世代への「戦争」が始まっている-ミナマタ・ベトナム。チェルノブイリ』(綿貫礼子との共著、岩波書店、2005年)、『放射能汚染が未来世代におよぼすもの-「科学」を問い、脱原発の思想を紡ぐ』(綿貫礼子編、新評論、2012年)でも紹介していますので、関心のある方はご参照ください。)
【以下、翻訳文はpdfに掲載】

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