【翻訳】胎児期の大気汚染と出生時体重の減少 ―潜在的メカニズムとしての胎盤ミトコンドリアの減少―

投稿者: | 2016年8月8日

【訳者よりひとこと】
大気汚染と出産時体重の関係については以前に「大気汚染と出生体重 ―重大な影響を持つ曝露期間となる得ることについての新しい手がかり―」を訳出しましたが、さらに踏み込んでわかりやすく語られています。

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胎児期において大気汚染に晒されることと、低出生時体重、子宮内成長抑制及び早産を含む結果(アウトカム)がもたらされることとの関連を示す強固な疫学的証拠がある。 最近の研究は胎児期の大気汚染暴露と出生時体重の減少との関連が一部分胎盤のミトコンドリア含有量の減少とリンクしている証拠を見つけている。

妊娠の間、胎盤は胎児の栄養、成長及び発育を支えており、胎盤の細胞内ミトコンドリアはそれらの過程に欠くことができない。 エネルギー生成を調節する細胞内小器官であるミトコンドリアは酸化ストレスによって発生する活性酸素種によって容易にダメージを受ける。ミトコンドリアDNA(mtDNA)は防御および修復メカニズムを持っていないので核DNAより酸化ストレスにより本来傷つきやすい。そのようなダメージは結局ミトコンドリアの数を減らし、エネルギーの流れを障害する。それらは細胞機能を徐々に衰えさせるだろう。

大気汚染は酸化ストレスを引き起こすことが知られている。それは胎盤のミトコンドリアに悪い影響を与え、それによって成長している胎児を支えている胎盤の能力を損傷する。 胎盤損傷の潜在的結果が低出産時体重であり、これは次に短期及び長期にわたって子供での他の有害な健康アウトカムにつながる。

最新の研究はヨーロッパ(スペインのInfancia y Medio Ambiente (INMA)とベルギーのEnvironmental Influence on Ageing (ENVIRONAGE))で実施された二つの独立した誕生コホート研究で収集されたデータを引用している。人口統計データや喫煙状況、居住地、妊娠前の体型指数についての情報が参加者全員について集められた。出生記録は新生児の性別、出生時体重、妊娠期間および分娩についての情報を集めるために使用された。INMA参加者の四分の一およびENVIRONAGE参加者全員から出生時に胎盤が集められ、核DNAとmtDNA含有量が測定された。

>続きをPDFで開く304020_20160803

『環境健康展望』124巻5号、2016年5月より 翻訳:五島廉輔、五島綾子、上田昌文 原題:Prenatal Air Pollution and Reduced Birth Weight: Decline in Placental Mitochondria as a Potential Mechanism
【著者】 Julia R. Barrett(MS) ウィスコンシン州マディソンを活動拠点とするライターかつエディターで、全国科学ライター協会と生命科学編集者会議のメンバーである。

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