「発酵であそび、発酵で学ぶ」第5回 実験編/オリに酵母はいるの?

投稿者: | 2004年11月4日

大塚典子(グラフィックデザイナー)
pdfはdoyou_otuka_05.pdf
■謎の沈殿物…
 酵母を育てて1 週間くらいから、ぶくぶくという強い発酵が済んで発酵が落ちついてきて、酵母液の下に「謎の沈殿物」がたまってきます。身近なものだと、ワインとか酵母入りビールとかの、瓶の下のほうに沈殿物を見たことがありませんか? 白っぽい、液体に溶けない細かい粒子のようなもので、ドロッとしたものです。「あれは酵母の死骸だよ」…という話を聞いたことがあります。酵母は発酵が終わると死んでしまうのでしょうか?
 今まで調べてきた通り、酵母という生き物は、飢餓状態の状態におかれると有性生殖して生き残ろうとするしぶとい…いえ、生命力のある生き物です。そのまますべて死ぬということがあるのでしょうか?
 もし生きていたら、オリだけでもパンができるはず。そのことを実証するための実験をしました。
■実験/酵母液のオリでパンを作ってみる
 使用した酵母/発酵開始から2 ヵ月を経過したレーズン酵母。出来上がったレーズン酵母を1ヵ月くらい冷蔵庫で保存の後、1ヵ月常温で保存(放置?)。比較するため上澄みの液体部分(A)と沈澱したオリの部分(B)をそれぞれ使用し、パンを作ってみました。
 (A)
   小麦粉……200g
   水分……… 70ml
   レーズン酵母液…60ml
   砂糖……… 10g
   塩………… 4g
 (B)
   小麦粉…… 200g
   水分+ オリ…130ml
   砂糖…………10g
   塩…………… 4g
 一次発酵7 時間、二次発酵2 時間の後、パンにしています。すると次のような結果がでました。
 香りも味も良いレーズン酵母液は全くふくらまず、酵母の力がないのがわかります。もしくは酵母がいない状態なのではないかと思います。一方ドロドロした無気味な液体のオリですが、ものすごいふくらみで、パンの味も美味しく、発酵がうまくいっているのがわかります。
このことから、オリは酵母の集合したもので、時間がたっても酵母は、ほぼ生きていることが判明しました。
■顕微鏡で見てみよう 
 以上のことをさらに明確にするために、使用したレーズン酵母のオリを、顕微鏡で見てみると…
 うわわわわ~~~~っ!ギッチリ酵母が詰まっていますね!ちょっと気持ち悪い…。
 生体反応を見る液体(死んでいるものは青く色づく)を垂らしてみると、若干死んでいるものも見かけますが、ほぼ生きていることも判明。
 時間が過ぎた酵母液はオリの部分に酵母がたまっているようです。2ヵ月くらいでは死なない…やはり酵母はしぶとい生き物のようです。

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