市民研がゆく〜事業所訪問録〜
報告者: 橋本正明 (市民科学者育成塾スタッフ)
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訪問先:群馬県高崎市倉賀野町、KSI(環境システムズ社)と関連事業所
面談:塚田社長、佐伯参与、山縣常務、谷古宇(やこう)支店長
訪問者:上田昌文(市民研代表)、壹岐健一郎(有限会社REBORN)、橋本正明
当日は晴天に恵まれ、市民研一行はそれぞれのルートで倉賀野駅にて集合。 倉賀野駅では佐伯氏、谷古宇氏が出迎えに、さっそくKSIの事務所へ移動。

































編集後記
今回の訪問は一言にまとめてしまうなら、「街のゴミ回収の業者さん」の会社訪問でしかない。しかしこれが違うのだ。 単純に市町村から事業委託されて町のゴミを回収するだけなら、何も養豚業や精肉加工を行う必要もなく、うどん屋なんてする必要もない。ましてや休耕田になりそうな田畑を借りて飼料作りに精を出す必要なんてない。 そんなことを私たちは普通考えない。 そんなことを普通私たちは求めない。 そんなことを社会はこれまで求めてこなかった。 しかし、この会社は違うのだ。棄てられてしまうモノを逆に宝として生かす方法を考え、社会が動かなければ自分が動いてみようと自らを率先して動かし、人々を循環型社会へ向かわせる号砲が鳴り響く2周り前から走り出し、気が付けば社会が後からついてきているのである。 しかし何のために彼らはそうするのだろうか。 使命感か、義務感か…、いや、たぶん違う。 彼らは「そうしたいから」するのだ。 正確に言うと、『カネではなく、何かを残したい』という塚田社長の想いに共感し、その理想を実現するために彼らはそうするのだ。 食品残渣を扱うようになって、捨てられる残渣を減らし再利用するために養豚業をはじめた。養豚業をやるならと精肉加工にも進出した。それなら肉を使って何かしたいと、うどん店を開いた。 彼らはごみを日頃から扱っているからこそ、食べることが一番大切であることを知っているのだ。そしてその視点から食べるためには美味しいもの、安全なものを作ることに気がついた。きっとそうなのだろう。