報告書『原爆調査の歴史を問い直す』を増刷しました

投稿者: | 2012年8月21日

市民科学研究室の低線量被曝研究会は3年間の調査研究を、報告書『原爆調査の歴史を問い直す』(B5判264ページ)としてまとめ、2011年の3月に刊行しました。若干の改訂と表紙を新しくした新装版を2011年6月10日に発刊しましたが、2012年6月で在庫がなくなりました。

このたび新たに増刷をして、販売できるようになりましたので、お知らせいたします。

これは、同研究会のメンバーでもあった、故・笹本征男さん(2010年3月20日没)が著した『米軍占領下の原爆調査』の問題意識を引き継ぎ、主として1945年段階における日米の初期原爆調査に関して、一次資料をはじめとする諸文献に検討を加え、いくつかの新たな事実を発掘するとともに、原爆調査の歴史的意義と問題性を考察したものです。現在、福島第一原発の事故により、大きくクローズアップされている放射線の人体影響の本格的な研究は、この原爆調査が原点となっています。日米関係、核・原子力開発、科学研究のあり方といった様々な要素が交錯し、秘せられてきた部分も多いこの調査には、もっと多くの光をあてる作業が必要だと私たちは考えています。昨年8月に放送されたNHKスペシャル『封印された原爆報告書』(日本科学技術ジャーナリスト会議の「科学ジャーナリスト賞2011」大賞ならびに第37回放送文化基金賞のテレビドキュメンタリー部門本賞を受賞)もそうした作業の成果のひとつですが、そこにはNHKの制作スタッフと低線量被曝研究会との1年に及ぶ議論と検討の積み重ねが反映されています。

ご入手を希望される場合は、市民科学研究室ホームページの「出版物」のコーナーからPayPalを使ってご購入いただくか、以下の郵便振替を用いてご送金いただくことになります(送料は市民研が負担)。一人でも多くの方に手にしていただけることを願っております。

報告書『原爆調査の歴史を問い直す』

頒価 1500円+(よろしければカンパをお願いします)

お申し込みの際は「原爆報告書希望」と明記してください。

次のいずれかの方法で事前にご送金ください。

オンラインにてご送金の場合
参加費前払い 出版物・販売物 購入 のページの「カート」から

郵便振替にてご送金の場合
加入者名:市民科学
振替口座番号:00160-4-608503

チラシはこちらから→abomb_report_ad_20141120.pdf

【報告書 目次】
序  原爆調査の歴史を問い直す
第1部 日米の初期原爆調査を再検証する       (吉田由布子 ほか)
第1章 米軍占領下の原爆調査・その再検証――1945年を中心に
第2章 米軍資料からみるマンハッタン調査団日本派遣の経緯
第3章 米軍による初期調査報告の「改ざん・隠蔽」
第4章 原爆調査以前の都築正男――日本軍の中国侵略との関わり
第5章 戦争犯罪裁判関連資料として保管された原爆調査資料
第2部 関連資料および年表
1945年当時の原爆調査に関する米軍通信資料
日米原爆調査関連年表
第3部 研究ノートおよび付録(再録)
原爆調査と科学者・医学者――加藤周一の場合     (笹本征男)
ヒロシマ・ナガサキとヒトゲノム計画        (笹本征男)
インタビュー「占領下の原爆調査が意味するもの」  (笹本征男 聞き手・上田昌文)
広島・長崎の原爆調査関係地訪問記          (柿原泰・瀬川嘉之)
長崎原爆 投下の経過を再構成する          (桑垣豊)

[発刊] 報告書『原爆調査の歴史を問い直す』を発刊しました

市民科学研究室の低線量被曝研究会がここ3年の間に行ってきた調査研究が、報告書『原爆調査の歴史を問い直す』としてまとまりました。

これは、同研究会のメンバーでもあった、故・笹本征男さん(2010年3月20日死没)が著した『米軍占領下の原爆調査』の問題意識を引き継ぎ、主として1945年段階における日米の初期原爆調査に関して、一次資料をはじめとする諸文献に検討を加え、いくつかの新たなた事実を発掘するとともに、原爆調査を史実にもとづいていかに解釈することができるのかを考察したものです。日米関係全般、核・原子力開発、科学研究のあり方といった様々な文脈において、原爆調査がどのような意味や意義を持つのかは、とても重要な問題でありながら、未だ十分な光があてられているとは思えません。私たちの研究が、いくらかでもそれを前進させるものになっていればと願っています。

 

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