チェルノブイリ事故25周年国際会議《Safety for the Future》資料
『ウクライナ・ナショナル・レポート』について
今年(2011年)4月20‐22日に、ウクライナの首都キエフで、チェルノブイリ事故25周年の国際科学会議が行われました。この会議は、ウクライナ政府が、ベラルーシ、ロシア各政府、およびIAEA(国際原子力機関)、WHO(世界保健機関)などの国連諸機関の協力のもとに行われました。『ウクライナ・ナショナル・レポート』はその会議参加者のために用意された資料のひとつで、緊急事態省が主となり、ウクライナの各研究所の資料を使用して編纂されたものです。
冊子としての資料(右図)は、「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク(略称、「チェルノブイリ」女性ネットワーク)がこの国際会議に参加した折に入手したものですが、内容については、現在このサイトからインターネットからダウンロードすることができます(英語版)。
チェルノブイリ事故は、1986年4月26日、現ウクライナの西北に位置するチェルノブイリ原子力発電所4号炉において発生した、未曾有の大規模原発事故です。旧ソ連圏では、単なる「事故」というよりも、「惨事(カタストロフィ)」と呼ばれることが多々あります。チェルノブイリの被害に関して、政府や国連諸機関の関係する国際会議は、おおよそ5年ごとに行われており、その節目でウクライナ政府は包括的な報告を出しています。今回は25年目の報告ですが、以前のものに比べて、25年の歴史を振り返って、初期にはどのような状況があったかなど、かなり整理されたものになっているように思います。
このナショナルレポートのうち、健康に関するセクションの部分訳(3.2.2~3.2.4)を、「チェルノブイリ」女性ネットワークの吉田が行いました。それが今回(2011年11月)、市民科学研究室のWebに掲載した部分です。吉田は市民研・低線量被曝研究会のメンバーでもあり、現在、低線量被曝研究会の他のメンバーが、健康に関するセクションの続きを翻訳作業中です。追って、こちらも掲載する予定です。
なお、本資料の目次などについては、「チェルノブイリ」女性ネットワーク翻訳資料のp2-3をご覧ください。
抜粋の翻訳はこちらから
「チェルノブイリ」女性ネットワーク/市民科学研究室低線量被曝研究会
吉田由布子