2022年2月から、「科学時事・科学論文を読む」というシリーズを開始し、継続しています。
毎月第4もしくは最終週の月曜日の19時から1時間半ほど、科学と社会に関連する最新のニュースや論文を紹介し論じ合う、というものです。
参加者は、「市民研サーチライト」で取り上げている、ここ1ヶ月ほどの最新の記事論文から1つか2つを取り上げ、コメントをすることになります。
ご自身でオンラインで共有する、そのコメントの際に使う資料なりスライドなりを用意してくださってもかまいません。
少人数で中身の濃い議論をすることになります。ご関心のある方はぜひご参加ください。
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第33回 10月28日(月)19:00-20:30
「市民研サーチライト」に掲げた上記実施日から遡って1ヶ月以内の記事論文のうち、参加者各自がそれそれに取り上げてみたいと思う1本を選び、それを持ち寄る形で、皆で論じます。
●オンラインでの実施です。参加のためのzoomのURLは実施日当日の正午前後に、参加申し込みをした方に電子メールでお送りします。
●定員15名で、どなたでも参加できます。下記のフォームからお願いします。なお講座終了時に参加者全員にチャットに「参加しての感想」を必ず書いていただきます。その点、ご了解ください。
●参加費は無料です。ただし、講座終了後に「参加してよかった」と思える場合は、「投げ銭」方式でカンパをいただければありがたいです。そのやり方については、参加のためのURLを送るメールのなかで説明いたします。
●zoomを使ってのやりとりになりますので、ご自身のPCのマイクとカメラの調整を事前にお願いします。
●お申し込みは以下からお願いします。
20220508
Individual Dose Response and Radiation Origin of Childhood and Adolescent Thyroid Cancer in Fukushima, Japan
(福島県における小児・思春期甲状腺がんの個人線量依存性と放射線被ばく起因性)
「個人線量」とはどういう意味かが気になりました。事故発生4ヶ月の個人外部被ばくの線量評価データを使っているからなんでしょう。国連科学委員会による市町村ごとの平均甲状腺線量との相関を確かめてはいます。
被ばくがない場合と比べて異常な多発で、地域差も見られるのですから「放射線被ばく起因性」は明らかです。国や福島県や国際機関が「被ばく起因性」を否定しているので大問題になっています。
瀬川様、これに対する答えですが、国、福島県、国際機関を名乗る先生方が、疫学理論をご存じないからです。疫学理論は1970年代以降、急速に発達しました。従って、福島県立医科大学や国には、疫学理論をご存じの先生はほとんどいません。今は21世紀ですが、国、福島県の先生方は19世紀の医学の下部構造で動いています。19世紀の医学の下部構造は、因果関係の概念がほとんど未発達です。従って「被ばく起因性」を科学的に描き出す能力は科の先生方は持っておられません。持っていない以上、「否定」するしか手がないし、描き出した21世紀の医学者の文書を否定するしか手がないというか、理解できないのです。ご理解いただけますでしょうか?取り急ぎご報告申し上げます。
「第12回甲状腺検査評価部会(平成31年2月22日)」の
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-b12.html
「資料1-1 本格検査(検査2回目)の細胞診実施に関する分析結果」の
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/311586.pdfの
「図5.地域別にみた細胞診実施率および悪性ないし悪性疑いの発見率」などにあるように甲状腺検査では地域差が観察されています。
この地域差は
・放射線曝露
・その他の要因
・放射線曝露とその他の要因の組み合わせ
・その他
が考えられ、
第15回甲状腺検査評価部会(令和2年6月15日)での座長からの宿題の提示された課題が結果の解釈において重要ではないでしょうか。
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-b15.html
その他の要因や、放射線曝露とその他の要因の組み合わせ、に関しては、具体的にどのような要因があるのでしょうか?またその要因によって評価部会や検討委員会も認めた「数十倍の多発」は起こり得るのでしょうか?自然科学は明示性が重要です。エビデンスが必要なのです。エビデンスがいらないのならば何だって言えます。
20220622
勝川俊雄「日本漁業再生のために」
排他的経済水域を設定してから41年後の2018年に、ようやく漁業法が改正された。
長期的に見れば、漁獲規制をした方が、漁獲量が増えるが、短期的に見れば獲れる魚を獲らずに我慢することが要求される。
PowerPoint プレゼンテーション (maff.go.jp) 水産庁 水産政策の改革について
漁業法の改正ポイント
漁獲可能量(TAC)による管理
個別の漁獲割当て(IQ)による管理が基本
漁獲実績等を勘案して、船舶等ごと に漁獲割当てを設定。
クロマグロの資源管理強化 漁獲報告、電子化へ―水産庁:時事ドットコム (jiji.com)
昨年11月に大間産の大型魚で不正行為が発覚。昨年度の漁獲量のうち、少なくとも14トンが未報告のまま県外へ出荷されていた。
これを受け、全国各地の漁獲量をほぼリアルタイムで把握できるようにし、信頼性に疑問符が付いた日本の資源管理を厳格化する。
20220521
海上奴隷/シーフード産業の闇に迫った映画
『ゴースト・フリート』
https://unitedpeople.jp/ghost/
東南アジアで「海の奴隷」として働かされている人々の救出活動を行うタイ人女性(パティマ・タンプチャヤクル)を追い、シーフード産業の闇に迫ったドキュメンタリー。
人身売買業者はタイやミャンマー、ラオス、カンボジアといった貧困国から集めた男性たちを騙して拉致。
日本でもツナ缶やエビ、キャットフードなど多くの水産物をタイから輸入している。
IUU漁業 違法・無報告・無規制
https://times.seafoodlegacy.com/archives/6856
日本でも2015年に輸入された水産物のうち24-36%、1,800-2,700億円相当がIUU漁業に由来すると言われている。
https://times.seafoodlegacy.com/archives/6717
IUU漁業指数、日本は152ヶ国中ワースト19位
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/282.html
日本市場にIUU漁業由来の水産物が流入しているリスクは中~高程度であり、中でもウナギ類、ヒラメ・カレイ類、サケ・マス類で、そのリスクが高いことが判明。
漁獲証明制度
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/huffingtonpost/nation/huffingtonpost-628ec3d8e4b0933e736edb9f
水産物に「いつ、どこで、だれが、なにを、どのように」漁獲されたかの証明を求めるもので、IUU漁業由来の魚の流通を食い止めるために有効。
(しかし日本では)2022年12月に導入される予定の漁獲証明制度は、対象となる魚種が国内水産物3種、輸入規制対象4種のみ(?★2018年改正魚業法とのすりあわせができませんでした)
20220708
ゾウに「法的な人格」を認めず、米国の裁判所が判決
https://www.huffingtonpost.jp/entry/pablo-escobars-hippos_jp_61727606e4b066de4f60d1a3
「カバは法的に人間」アメリカ初、動物の法的権利を認める司法判断が示される
https://wired.jp/2014/12/24/orangutan-personhood/
アルゼンチンの裁判所、オランウータンに「人権」を認める
しかし、ニューヨーク州の最高裁判所では「チンパンジーの、人権とまではいかなくても、少なくともいくつかの基本的な権利を認めるべき」という訴えは敗訴となった。
https://www.litera-arts.com/kotolabo/work/9186#:~:text=1989%E5%B9%B4%E3%81%AB%E3%83%91%E3%83%AA%E3%81%AE,%E7%B9%81%E6%AE%96%E3%81%99%E3%82%8B%E6%A8%A9%E5%88%A9%E3%82%92%E3%82%82%E3%81%A4%E3%80%82&text=%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8C%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%80%81%E5%8B%95%E7%89%A9%E3%82%82%E4%BA%BA%E9%96%93%E3%81%A8,%E6%A8%A9%E5%88%A9%E3%81%AE%E4%BE%B5%E5%AE%B3%E3%81%AB%E5%80%A4%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82
日本の高校生の主張「日本のすべての動物園を廃止すべき」
20221016
遺伝子組み換え推進派vs反対派、対話の余地はあるのか
について考えたいです。
あと、時間があれば、グレタさんの
「すでに稼働しているのであれば(原発を)停止して石炭に変えるのは間違いだと思う」という発言について、みなさんの御意見を伺いたいです。
よろしくお願いします。
2月27日の会でふれた「放流しても魚は増えない」の論文を書かれた照井先生から、外来種についての補足がでましたのでリンクを貼ります。
https://ecological-stats.netlify.app/2023/03/11/release-exotic/