6月に<生命/生物/人間>研究会 を発足

投稿者: | 2018年5月5日

2018年6月から、市民科学研究室の新しい研究会を発足します。

橳島次郎(市民科学研究室・特任研究員)が世話人、上田昌文(市民科学研究室・代表理事)が事務局を務めて、月1回のペースで開く、
〈生命/生物/人間〉研究会 
です。

以下に、「呼びかけ文」と「参加要領」を掲載いたします。2018年の5月の間に数名の参加者を募り、5月末にその方たちで6月以降の研究会の日程調整を行います。以下のサイトからご連絡いただけますと幸いです。

・お問い合わせ→こちら
・参加申し込み→こちら (定員に達しましたので締め切ります。5月4日)

〈生命/生物/人間〉研究会 へのお誘い

 20世紀後半、生物学から生命科学が枝分かれして、研究の対象は、個々の生物から離れ、核酸とタンパク質の分子に向かった。そこで明らかにされていく生体分子のふるまいの背後に、「生命」という普遍的な何かがあるといっていいだろうか? 「生命」という実体はあるのだろうか? 実体としてあるのは、個々の生物だけではないのか?
 生命とは何か。この問いはあまりにもとらえどころがない。そこで少し間口を狭めて、科学者が対象にしている生命とは何か、という問いであれば、いくらか議論しやすいだろう。科学者が扱おうとしている生命とは、どんなものか。科学が生命を扱うとはどういうことなのか。それは、芸術や文学や宗教がすることと、どう違うのか。私たちは科学が生命を扱うことに対して、どのように関わるべきなのか。
 こうした問いを議論するための足がかりとして、この研究会では、生命と生物は違うのではないかという観点から、たとえば次のような問いを立てて、科学としてできることとできないこと・すべきこととすべきでないことを考えてみたい:
 合成生物学がつくっているのは、生命? 生物? 倫理的に尊重し保護しなければならないのは、生命? 生物? 実験動物の慰霊はするが、実験でつくった細胞の慰霊もする? ゲノムの慰霊は誰もしないが、それと保護の対象となる生命であるということとは違うのか? 知能があれば生命はあるといえるか?
 また、研究会では、生命と生物の違いという軸に加えて、生物のなかで人間が占める位置について、科学でどこまで究めることができるのかも考えてみたい。人間はほかの生物とどこが違うといえるのだろうか。精神をもつこと? では物質から生命ができる仕組みを解明した科学は、生命から精神ができる仕組みを解明することはできるだろうか。そうした問いにあえて挑戦してみたい。それが、〈生命/生物/人間〉研究会と銘打った趣旨である。
 まずは関心を持っていただける少人数の方々と議論を始め、そこで出てきた成果を、一般向けに公開する市民集会(サロン)で提示して、さらに論議の裾野を広めていければと考えている。ふるってご参加いただければ幸いである。

〈生命/生物/人間〉研究会 実施要領

▶メンバー
研究会世話人:橳島次郎(NPO法人市民科学研究室 特任研究員)
研究会事務局:上田昌文(NPO法人市民科学研究室 代表理事)
研究会メンバー(上記2名以外に最大6名までを募集します)

▶会合の日時と場所
2018年6月から月1回のペースで平日19時から21時に開催
(実施日はメンバーの都合を確かめた上でその都度決定)
会場は NPO法人市民科学研究室事務所
 東京都文京区湯島 2-14-9 角田ビル2F 電話:03-5834-8328

▶参加費用 なし (会場までの交通費は自己負担)

▶進め方
1) 毎回担当の発表者を決め、その発表を受けて議論し、それをふまえて次のテーマと発表者を決めていく。
2)最初の2回もしくは3回は橳島の発表となる。
3)研究会専用のメーリングリストを設け、普段からそれを用いて情報や意見の交換ができるようにする。
4)研究会が終了後、簡単な議事メモを作り、市民科学研究室メーリングリストならびに〈生命/生物/人間〉研究会メーリングリストに投稿する。
5)研究会は原則非公開だが、時々「公開研究会」として誰でもオブザーバー参加できる機会も設けてもよい。
6)研究会での議論の成果を、随時、一般公開の市民集会(「サロン」)で提示していく。
7)研究会はメンバーによる顔をつきあわせての議論を原則とするが、遠方の方のために2人までに限定して、Web会議システムを使っての参加を認める。それを希望される方はその旨を申し出てほしい。

参考◆橳島次郎がゲスト講師を務めた市民科学講座の記録◆
ぬで島次郎さん、科学って何かの役に立つためにあるんじゃないのですか?

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