ナノ粒子の健康リスク(2) いかにリスクを回避できるのか

投稿者: | 2013年4月16日
2013年2月23日実施 第51回 市民科学講座 <特別シンポジウム>
ナノ粒子の健康リスク~母子伝達と次世代影響、リスク管理を軸に~ 
報告
ナノ粒子の健康リスク(2) 私たちはいかにリスクを回避できるのか
梅澤 雅和
(東京理科大学戦略的環境次世代健康科学研究基盤センター・助教)

全文はpdfでお読みいただけます→csijnewsletter_017_umezawa_130415.pdf
今日は「私たちはいかにリスクを回避できるのか」という少し僕としては挑戦的なタイトルを付けさせて頂きました。私は東京理科大学の衛生化学の研究室で、ナノ粒子の毒性について研究をしています。当然そこからしっかりデータを出して、行政レベルでそのナノ粒子の有害性、リスクを管理、…出来れば勿論いいんですけど、そこまではまだすごく距離があるなと考えています。そこでその前に、私たちが何を出来るか、行政レベルでは動けなくても、私たちには何か工夫が出来るかもしれないと考えて普段研究をしています。何かルールを作るというよりは、工夫をしていくというところでしょうか。最後にそういう所まで皆さんと話し合えればいいなと思っております。よろしくお願い申し上げます。
その前に、ナノ粒子の健康リスク、ナノ粒子の有害性というのがどういうものなのかということを、もう少し、基礎的な所からお話をしたいと思っています。まず、今日のアウトラインを示します。始めのこの「ナノ粒子の特徴と有害性の懸念」につきましては、上田さんと武田先生もお話されましたので、その内容もご参照ください。私はもう少し、基礎的なお話から紹介したいと思っています。本当は今回、アウトラインの上から2点(工業ナノ材料の安全性とリスクについて)が主な内容になるかと思っていたのですが、最近中国由来と言われるPM2.5の話題が非常に話題として挙がってきているところで、この点は私もいろいろと気になるところがあるのと、あとは注意点等をアウトプットしておきたいなと思うところがあります。そこで、それを今日の内容にも加えました。今回、もしかしたらナノテクの粒子の方にしか興味がなくて、PM2.5はいいよとか、PM2.5にしか興味がなくて、ナノテクはいいよとか(笑) そういう方もいらっしゃるかも知れませんが、今日はその両方のお話をさせて頂きます。最後にそのリスクを軽減する工夫ですね、私たち自身の生活の中で、ナノ粒子のリスクを減少させるための工夫としてどういったことが考えられるか。以上をお話ししたいと思います。
環境と健康との係わりということが、私の一番関心のあるところです。私自身は実際に高校、大学1年までアトピー皮膚炎などを持っていたのですが、実際ちょっと都心に通っていたところから、理科大の薬学のキャンパスが今の千葉県野田市という首都圏郊外に移って私の生活地域・環境が変わり、そのときから、かなり皮膚の状態が良くなったりして、証明は勿論僕一人の例で出来るわけないんですが(笑)、環境って侮れないなぁっていうことを私自身強く感じています。「環境」と言ってもいろいろあるのですが、大気環境ですとか、あとは水とか土壌、そこから出来る食品ですね、あとは栄養とか運動とか。これら全て、「遺伝・自分自身」以外は全部「環境」と言えるものです。で、これは先ほど武田先生が紹介された病理の写真を撮られた菅又先生の言葉なのですが、「水や食べ物はしっかり表示されていれば買って選ぶことが出来るんですね、でも大気、外の空気というのは選べない」吸わされてしまうものであるということで、この大気環境と健康というのは非常に重要なものだと考えています。それから、今回のこのナノ粒子に関しては、食品に含まれているものもあるのですが、一番重要な問題の一つは職業的環境ですね。製造や廃棄の現場でナノ粒子が大気中に舞っていて、職場で、職業としてその環境に曝される人にリスクが及ぶのではないかとか、そういうことがナノ粒子の健康影響として重要課題の核の一つになっています。それから、ナノメディシンという言葉がありますが、ナノスケールの医薬品もありますね。ただ少し、医薬品というのは他のものと違った形で規制・管理がなされています。そこで、ここは少し違った性質があるなと感じていることも含めて、今日お話ししたいと思います。
まずは「ナノ粒子の特徴と有害性の懸念」の、基礎的なお話からしたいと思います。最近はあまり「ナノ」と謳われているものが多くなっていないというお話もありましたが、やはり「ナノ」と「製品」で検索をかけると、まだまだ沢山出てきます。例えば先ほど武田先生がお話されましたが、ナノ粒子の化粧品は透過性がいいと謳う商品もある一方で、本当に透過性がいいのか、透過したら(リスクを考えると)困るところもありつつ、本当に透過性がいいのかどうなのかについては、まだ「?」な部分もありますが、それでも活性が高い、例えば抗菌剤が高いですとか独特の性質があるとか、繊維としても丈夫な場合があるとか、体内動態が特殊であるとか、様々なメリットがナノ粒子にあることが知られています。そのナノテク、ナノ粒子、ナノ材料のメリットを生かして産業に生かそうといったことは、もう10年以上前から進められてきたことです。さて、まずはナノ粒子の特徴ですが、それをここに端的に4つ並べました(上図)。
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【以下、続きは上記のpdfファイルにてお読み下さい。】

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