市民科学研究室会員有志による 2007年 「私がすすめる作品(3点以内)」アンケート

投稿者: | 2008年1月5日

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市民科学研究室会員有志による
2007年 「私がすすめる作品(3点以内)」アンケート
(到着順)
 市民科学研究室の会員の皆さんから、2007年に読んだ本(雑誌や漫画も含む)や観た映画やTV番組、聴いたCDや足を運んだ展覧会やライブなどのうちから、多くの人に勧めたい1~3作品を選び、それらにコメントをつけてもらう原稿を募集しました。必ずしも”科学と社会”に関わる作品でなくてもかまわないことにしました。
 約一ヶ月の短い募集期間でしたが、大晦日までに下記の10名の方々に原稿を寄せていただきました。お忙しいところをどもうありがとうございました。
 2008年末にも実施したいと思いますので、会員の皆様どうかよろしくお願いします。
●山田耕筰さん
金子勝+アンドリュー・デウイット著 『環境エネルギー革命』(アスペクト株式会社)
世界は、いよいよ原油生産がピークを迎えたこと、同時に温暖化の深刻な実態から、石油から再生可能エネルギーへの「環境エネルギー革命」の時代に突入した。しかし、日本は世界の動きから大きく取り残されているという。著者たちによれば新たな産業革命は地域エネルギーを発展させ、雇用を拡大するという。草の根の民主主義を通じて地域経済を発展させる上で教育はその鍵となるという。 同時に「人間回復の経済学」(神野直彦著、岩波書店) 「悪夢のサイクル」(内橋克人著、文芸春秋社)を読むと経済学への理解が深まり、人類の未来に対する明るい展望が開けるように思います。■
●鈴木綾さん
映画「北京の恋 四郎探母」
「四郎探母」は京劇の代表作の一つだそう。
北宋時代、戦いに敗れ敵(遼)の捕虜になった宋の将軍家の四男、四郎が遼の姫君に見初められ夫婦となり15年後、弟の六郎がまた戦いを挑んできた時、母が食料係として国境近くに来ていると知り、会いたくてたまらず、妻に自分の身分を打ち明け彼女のもとに必ず戻ると約束をして彼女の手形をもらい母に会いに行くというもの。敵同士の状況下での、夫婦の、親子の愛情を描き、人の信頼を表した演目でこれを演じることは中国人でもなかなか難しいそう。
映画はこれをバックに現代の恋人を巡る過去とこれからが描かれています。
中国の京劇役者に憧れ、留学した日本人の女の子が下宿した京劇の先生の息子と恋におちますが春節の餃子をめぐって祖父が伝えた彼の過去は恐ろしいものでした。先生の父と彼女の祖父には深い因縁があったのです…。中国の現代の映画監督が日本人の過去の所業をどうとらえているのか非常によく伝わってきました。
恋におちるシチュエーションとか、女の子の名前が梔子(しこ)というのとかそれはどうかい、と思うところもありましたが、結末の優しさには中国人の懐の深さを感じさせられました。一方では過去を知らん顔している限り、日本人が中国の人から本当に信頼されることはできまいと改めて感じています。■
●船津まゆみさん
その1:『洲之内徹 絵のある一生』 新潮社 とんぼの本 2007年10月発行
読むものを魅了し続けた芸術新潮の私小説的連載が突然の死によって中絶して20年。当代一の評論者、と小林秀雄に称された洲之内の人生を辿るお得感満載な一冊。洲之内のものなら総て読んでいる私には待ちに待った一冊だった。嬉しい。
その2:『壮年期 谷崎潤一郎論』 尾高修也著 作品社 2007年9月発行
谷崎論は数多いが、著者は谷崎文学を研究の対象にするというより、小説を書く立場から読んで、彼の書き方を知ろうという姿勢を貫いた。「深読み」せず、「誤読の自由」を主張せず、書く者の立場から谷崎世界に肉薄した点が他の多くの類書と異なる。
その3:『ハイジに会いたい』 純丘曜彰・路子 著 写真 三修社 2006年8月発行
世界に誇る日本のテレビアニメ黎明期に製作された「アルプスの少女ハイジ」は宮崎駿、高畑勲、小田部羊一など、現在巨匠といわれる人々が手がけた作品。この作品がどれほど精細かつ厳密に現地取材された上で作られたかはあまり知られていない。良いものを丁寧に作れば必ず視聴者はわかってくれる、安易に売れるものより長く愛される確実な作品を、というスタッフの信念が実を結び、「ハイジ」は不朽の名作になった。■
●後藤高暁さん
最初に著書を紹介しますが、それによる私の随想が主で、少し長くなるので印刷物に掲載しなくても、このメールを見て頂くだけでも結構です。
1.『身近な雑草のゆかいな生き方』 稲垣栄洋著 草思社
   厳しい環境で生き抜いている雑草の想像を絶する知恵や逸話の数々。
2.『都会の木の実草の実』 石井桃子著 八坂書房
   身近にある木や雑草等の花と実の写真と紹介です。逸話も豊富です。
   250種類くらい掲載されているが、55種類は我家の庭にもある。
3.『植物図鑑』 村越三千男編 東京書院
   有名な図鑑のミニ版で私の愛読書?です。正確を期す為に参考にした。
これらには面白い名前の植物が沢山有ります。昔の人の生活に自然が密着していたかが分かり感心します。中でも ” ちょっと酷い名だなあ!”とか愉快な名のものを紹介みたくなりました。
・「ママコノシリヌグイ」これは全くヒドすぎる! 本名は蓼科「トゲソバ」。畑の道等に蔓に小さいピンクの花を点々と着けている可愛い花なのです。細い茎には小さな棘が下向きにビッシリ生えていて触るとチクチク痛い。どんなに酷いママハハでもまさかこれで子供の尻は拭うまいに!。
・蔓ではないがそっくりな草に「ウナギツカミ」というのがあります。やはり茎に棘が生えていて握って揉むとドンドンと逃げて行きます。世田谷の施設がある川場村で見た記憶があります。もう珍しい草なのか皇居の二の丸公園で発見されたと日経新聞に最近紹介さたそうです。皇居というのは日本の伝統だけでなく。武蔵野の自然を豊富に保存してくれている大変貴重な所ですね。何時の日か再び自然を手元に取戻したいというのが私の念願だが、生きているうちには無理かな。
・「ヘクソカズラ」 藪などに蔓をからませて、小さい白い花(中心ピンク)が繋がって咲いているのを合宿の山地等でもよく見掛けました。草全体に(特に実が)まさに屁糞の臭いがあり、万葉集にもこの名が出ているそう。でも花が可愛いから別名を「早乙女カズラ」と言うからものは見方です。ある観察会で子供達に嗅がせたら「いい匂い」と言った子も居たそうです。鼻?花?は嗅ぎようですかね。我が家の裏にも何故か1本発見しました。
・「ビンボウカズラ」 昔は隣の垣根などによく見掛けたヤブがラシという蔓草です。   手入れが悪く貧乏臭いからというが、我が家では裏の塀を越えて隣にまで侵入するくらい今でも繁っていて、抜いても抜いても出て来る困り者です。でも、真夏に小さな花に蜜を出すからアオスジアゲハという真ん中が青く黒い縁取りの蝶々が沢山集まるので、子供の時からこ好きな草でした。今でもこの蝶々ビンボウ我が家に沢山来ます。
・「地獄の釜の蓋」オドロオドロした名ですが、「キランソウ」という4、5月頃山野や公園等でよく見掛ける花です。高尾の多摩森林科学園に八重桜を見に土曜講座で一緒に行った時も紫色をした唇形の小花の塊が地面に張り付く様に沢山咲いていました。同行諸君も見た筈だが覚えているかな? なぜこの名がついたかはっきりはしないようです。葉も花もぴしゃっと地面についているから地獄に蓋をしている様とかいうが、小さくて可愛い草なのに可愛そうな名だ!、筋骨草と言い、昔から咳、痰、下痢等何にでも効いて、治ってしまって地獄に行けなくしているからとも言うそうです。
・この仲間に園芸種的な「ジュウニヒトエ」と呼ばれて、良く似た唇形の紫の花が帆の様に10cmくらい直立して咲くのがあり、姿も名前も良いから人気があります(本名はアジュガ)。しかし本当のジュウニヒトエという和名の草は小柄で花色が薄く同種の地味な野草だからややこしい。
・皆がアカシヤと呼んでいる木の本名が「ニセアカシア」というのもあり、これもややこしい話しですね。
こんな悪名ががまだ30くらいあるが、あまり悪いのばかり書くと草に怒られそう。勿論良い名前や豪華?な名前のも沢山あるので、機会があれば紹介しましょう。■
●杉野実さん
一体「なんの」3点にしようかまよいましたが、ここはやはり、いかにも杉野実らしく「ノンジャンル」ということにして、メーリングリストで紹介しなかったものから3点をえらんでみましょう。
1.「市川市民まつり」(11月3日・豊州防災公園)
まあよくあるもよおしなんですが、「市民活動団体」のブースも多数でているということだったので、のぞいてみました。「みずアドバイザー」や「人権擁護協会」、あるいはボーイスカウトや青色申告会など、こういうところにいかにもでてきそうなものから、共産党色のつよい「新日本婦人の会」や、さらには「外環道路」や「住基カード」関係などきわめて「官製」的な団体まで、実にさまざまなものがでていて、ひやかすのにはもってこいのおもしろさでした。いつも積極的な市川韓国民団はキムチ・チヂミのほかモツにこみなど売っていましたが、連合市川の「労働相談」や地元国立病院の「統合失調症症状体験」などにも意欲を感じました。「友好都市」カリフォルニア州ガーデナからきたとおぼしき、アフリカ系アメリカ人をみかけたのも妙に印象的でした。ほとんどの団体が模擬店などやっていたのですが、まじめな発表ばかりだった松戸の「NPO見本市」とくらべると、市川の方が客よせにはあきらかに成功していました。地元商店のブースでは、トルコのドネルケバブやメキシコのタコスをたのしんだほか、商工会議所出店のおしるこもいただきました。
2.アニメ 『ケロロ軍曹』 「宇宙一の無責任男!であります」
ケロロ軍曹...いつのまにか毎回みるようになってしまいましたが、いつもは大抵「まあこんなものか」でおわってしまいます。でもこの回は、そーこーぬーけーに(わかる人にはわかる?)おもしろかったのです!題名から容易に想像できるように、植木等さんの映画「無責任男」シリーズのパロディです。とんとん拍子に出世する新入社員ケロロ軍曹君のお相手は、おなじ会社の女子社員日向夏美ちゃん...という、ケロン人と地球人(ペコポン人)の種族のかべをこえた配役は、案外ケロロの願望を忠実にしめしているのかも...?うたったりおどったりのミュージカルシーンが満載だったのも、本家本元を忠実になぞっていたといえるでしょう。そしてこの作品とカップリングされていたのが、「ガスケロン人」というはなしでした。しらべてみると、「無責任男」全盛のころ、「ガス人間」なる日本映画がちゃんと公開されていたんですね!おそるべし、ケロロのパロディワールド...ってゆーかぁ、画竜点睛?
3.K.リプレクト、P.ラムスッセン 『スノーフレーク』 (山と渓谷社)
やはり市民科学研究室ですから、自然科学に関するものも、ひとつは紹介することにしましょう。これからの季節にはぴったりの話題ですし、雪の結晶といえば、わたしたち日本人には中谷宇吉郎さんの先駆的な業績もおなじみでしょう。この本の目玉は、なんといっても、著者ら(物理学者と写真家)が特別に開発した装置をもちいて撮影された、写真のうつくしさです。雪がたしかに氷の親戚だということが、本当によくわかるように、光があてられているのです。うつくしいもの、めずらしいものなど、結晶のかたちもさまざまです。むずかしい数式などはもちいていませんが、結晶のかたちがかわるしくみについて、どこがわかっていてどこがわかっていないのか、丁寧に説明されています。中谷さんのことにもちゃんとふれてあって、当時の北海道大学はまずしくて素粒子論などできなかったから「しかたなく」雪の研究をはじめたのが大発見につながった、という逸話ものべられています。生物と無生物の「複雑さ」は本質的にちがう、と強調しているのがいかにも物理学者らしいのですが、板型と針型の雪の結晶がいずれも珪藻の殻ににているのはただの偶然なんだろうか...などとかんがえさせられました。
「3点」というルールに違反してしまいますが、12月5日の朝日新聞に、サンプラザ中野さんが秀逸な文章をのせていたので、ここで勝手に転載します。
つまり俺は、受験なんか「勝手にシンドバッド」で「君の瞳は10000ボルト」だったのだが、「夏のお嬢さん」は「季節の中で」受験に向けて「銃爪(ひきがね)」を引いていたというわけだ。そして秋、俺の恋は「絶体絶命」に追い込まれてしまったのである。「オリビアを聴きながら」いまさら「チャンピオン」を目指そうにも、基礎学力があまりに低すぎて「モンキーマジック」にでも頼るしかない状況だった。だから「HERO-ヒーローになるとき、それは今」では全然なかったのである。■
●富田やほ子さん
1.『認知症とは何か』 (小澤 勲、2005年 岩波新書)
認知症の正しい理解のためにぜひお勧めいたします。この本を母の病気のことをきっかけに図書館でかりて読んでみていなかったら、私は救われなかったでしょう。あとからこのかたのお人柄、肺がん余命宣告を告知されながらのご活動などを報道・ネットで知り、ますます驚きと尊敬をふかめております。
2. 『忘れても 好きだよ おばあちゃん!』 (D.H.ミュラー作、F.バルハウス絵、2006年 あかね書房)
ドイツの絵本の翻訳です。アルツハイマー博士の紹介からはじまり、アルツハイマー症の症状をこどもの目をとおしたかたちで、おもいがけず、さりげなく、深くとてもよくかかれていると思います。こどもと老人の共生のありかたもきちんと描かれていて感心しました。私が勤める武蔵野市では、2007年の図書館学校の推薦図書のなかの一冊としてクラスに配本され、小学校3年生全員よむことになっています。みなさんの心に感じるものあってほしいです。
3. ブルックナー 交響曲第7番(2007年10月9日武蔵野市民文化会館、上岡敏之さん指揮によるドイツヴッパタール交響楽団の日本初演)
この会館では、驚くべき低価格で高水準のクラシックコンサートをたくさん提供されています。すごいです。感謝です。皆様にお勧めいたします。
この曲のほかの指揮者・楽団による演奏はいろいろあるでしょうけれど、本当にすばらしかったです。認知症の悪化していた母とともにさわやかで深い感動を味わいました。ブルックナーははじめてでしたが、今回はきいてよかったとおもいました。宣伝のときのちらしに生きる証となるとかかれていましたが、本当でした。上岡さんはこれから日本でもすごく活躍されてゆくと思います。いろいろスケジュールきまっているようです。関心をもたれても損はないと思います。■
●松田美恵子さん
次の3作品をまとめて紹介させていただきます。
1.「現代の貧困ーワーキングプア/ホームレス/生活保護」 岩田正美 ちくま新書
2.「メタボラ」 桐野夏生 朝日新聞社
3.「ビッグイシュー 突破する人びと」 稗田和博 大月書店
コメント:
2007年は、貧困が社会の耳目を集めた。豊かなはずの日本で、一日中働いても、住むところも確保できない人がいる。「現代の貧困」は、日本社会にも「貧困」が存在すること、それは、人生の一時期貧しさを経験した、というものでなく、固定した貧困層が90年代から既にあることを、様々な調査をもとに示している。多重債務、児童虐待なども、豊かな社会の病理ではなく、貧困が背後にある。これら事実に、日本社会は目を向けようとせず、無意識的に排除してきた。ヨーロッパのソーシャルインクルージョン(社会的包摂)の考え方とは対照的だ。「貧困の再発見」は、日本のこれからの社会像を描く上で、重要だと筆者は警告する。
 普通の若者が、ワーキング・プアに転じる過程が「メタボラ」では克明に描かれる。派遣会社からバスで送りこまれた精密機器の工場では、長い拘束時間と厳しいノルマに追われる。クリーンルームの夜勤帯に移ると、そこは時給がさらに低い中国人労働者が支えている。
 当事者であるホームレスをビジネスパートナとして位置付けるストリート雑誌「ビッグイシュー」。売り上げの一定割合が販売員であるホームレスの収入となる。イギリス発祥のこの事業を日本で立ち上げる苦戦ぶりを描くのが「ビッグイシュー 突破する人々」。スタッフも買い手も若者が多い。社会から排除されやすい立場が共通しているためか。「ビッグイシュー日本版」は黒字転換の兆しが見えてきたと新聞報道にあった。社会的企業として、じわりと発展している。■
●薮玲子さん
映画 『世界最速のインディアン』
2007年は『オールウェイズ3丁目の夕日』などのヒットで60年代が脚光をあびましたが、この映画の舞台は60年代のニュージーランドと米国です。『インディアン』とは米国製のバイクの名前。この映画は「1920年型インディアン」に魅せられ、速く走ることに人生をかけた一人の男の実話です。
1962年、ニュージーランドの小さな町に住むバート・マンローは、60歳を過ぎ、体の不調を実感して、永年の夢に挑戦しようと一念発起します。それは、スピードのメッカ、米国ユタ州のボンヌヴィルで、愛車「インディアン」のスピードを試すというものです。マンローが「インディアン」を購入したのは1920年、21歳の時。その後、40年間に渡って自分の手で改良を重ねてきたのです。年金暮らしのマンローにとって、その挑戦はまさに夢のような話ですが、彼の情熱と信念と前向きさが、難関をひとつひとつ突破し、ついに憧れの地、ボンヌヴィルに辿りつくばかりか、誰も成し得なかった時速288キロの世界記録を達成するのです。
 マンローはその後、70過ぎまで毎年のようにボンヌヴィルで記録を塗り替え、驚く事にその最速記録は2007年の今日でも破られていないそうです。
アンソニー・ホプキンスが演じるバート・マンローのチャーミングなこと!
まだ見ていない人はDVDでぜひご覧下さい。心が洗われ爽やかな感動に包まれること請け合いです。■
●加納誠さん
「竹内まりあ デニム」
まりあさんは、ご存じ山下達郎の奥さんです。
ほぼ単身赴任状態の山口県山陽小野田市の大学に行って、大量の仕事に溜息をついてふと家内(恵美子)に電話したら、当日は何回かけても留守録になっていました。ついてないなと思いながら、普段クリックしたことも無いYou Tubeで竹内まりやを聞いてみました。
 何故なら私の居室ではFMが何時もBGMとして流れていて、日曜午後はTokyo-FMをKeyStationとした「山下達郎 サンデ-・ソングブック」を必ず聞いていました。そこでの対談相手が奥さんのまりやさんで、さりげない会話が温かく曲も味わい深かったからです。
 アンジェラ・アキやコブクロ、絢香も良いのですが、以下の”人生の扉”のメロディと歌詞を聞いていた時は涙が止まりませんでした。50歳を超えてこんなに素晴らしい感性と深い想い、編曲も素晴らしい達郎サウンド。、素敵な年月を重ねながら瑞々しい創作を続け、さりげなくご主人がサポートしている。歌詞にある”君のデニムの青が褪せてゆくほど味わい増すように”私の人生のデニムは味わい深くは無いのですが、家内や娘には幾つになっても輝いていて欲しいと心からそう思いました。
 この曲が素晴らしいと子供達に伝えたら、二男の誠二がクリスマスプレゼントとして買ってくれました。娘夫婦からは、アルバムのジャケットにある逗子の公園でまりあさんと同じポーズで写した娘のPhotoFileが贈られてきました(笑)。
皆さん、機会があったら是非、耳を傾けて下さい。英語も韻を踏みつつシンプルです。
アルバム「Denim」より
「人生の扉」(作詞・作曲 竹内まりや)    
春がまた来るたび ひとつ年を重ね
目に映る景色も  少しずつ変わるよ
陽気にはしゃいでいた   幼い日は遠く
気がつけば五十路を越えた私がいる
信じられない速さで  時は過ぎ去ると知ってしまったら
どんな小さなことも    覚えていたいと心が言ったよ
I say it’s fun to be 20
you say it’s great to be 30
And they say it’s lovely to be 40
But I feel it’s nice to be 50
満開の桜や  色づく山の紅葉を
この先いったい何度 見ることになるだろう
ひとつひとつ人生の扉を 開けては感じるその重さ
ひとりひとり 愛する人たちのために 生きてゆきたいよ
I say it’s fine to be 60
You say it’s alright to be 70
And they say still good to be 80
But I’ll maybe live over 90
君のデニムの青が 
褪せてゆくほど味わい増すように
長い旅路の果てに
輝く何かが誰にでもあるさ
I say it’s sad to get weak
You say it’s hard to get older
And they say that life has no meaning
But I still believe it’s worth living   
But I still believe it’s worth living  
●上田昌文さん
「日本ではあまり知られていないのが残念……」という感じを覚えてしまう、とても素晴らしい作品をご紹介します。コメントは控えめですが、実際に手にとって(ネットを試聴して)みると、あなたもきっと欲しくなるでしょう。
1.『The Garden Book ガーデン・ブック』(ファイドン、2005年3月)
「本書は、世界でもっとも影響力のある造園家―デザイナー、パトロン、庭園所有者―を500人選んで、その作品を写真つきで紹介した、総合的なデータブック。収録は造園家のアルファベット順に並べ、それぞれ、各造園家の最高の庭園がもつ最高の眺めを写真や絵画で紹介している。また、各庭園と造園家について、簡単に様式と歴史も解説している。」とamazonの紹介にあるとおり、片手に載るサイズではあるものの、500ページの分厚い写真集です。どのページを開いてもため息の連続で、「地上の楽園とはここのことか……」という気持ちにさせられます。これほどの”癒し”本は、私には他に考えられませんね。
2.『Humanity: A Moral History of the Twentieth Century』 (Paperback) by Jonathan Glover, Yale University Press (September 1, 2001)
打って変わって、こちらはこの上なく恐ろしい本です。二つの大戦、スターリンの粛清、ナチスのホロコースト、原爆投下、ベトナムでのアメリカ軍による残虐行為、文化大革命、ポルポトによるカンボジアの大量殺戮などの事例の中から、人間が大量虐殺に向かう心性を検証しています。(1)原始的な部族的情念、(2)イデオロギーへの盲信、そして(3)仕事の細分化に伴う個人の責任の減少、が根底的な原因になっていることを、哲学的・心理学的に検証しようとするのですが、400ページを費やしながら次々に繰り出される生々しい史実に圧倒される他なく、本を置いて沈思黙考することしばしばでした。文芸評論を軸に、大量虐殺と人間性、文化、文明の関係を鋭く問うてきた批評家のG.スタイナーのいくつの著作(『スタイナー自伝』みすず書房、などがあります)や、フランスの思想家らの発言を幅広く引用しながらこの問題を論じた『20世紀は人類の役に立ったのか―大量殺戮と人間性』(アラン・フィンケルクロート著、凱風社 1999年)なども併せて再読しました。
3.カリン・シャープが奏でるギター音楽のCD
市民科学研究室の2007年クリスマス・パーティの「CDクイズ」で私がかけたのは、このオーストラリアの若い女性ギタリストのDreams – Karin Schaupp というCDでした。どこまでも明晰な、彫りの深い造形で、曲の情感を余すところなく伝える、このギタリストの演奏を、私は真に天才的な演奏だと感じています。日本では2枚しかCDが発売されていませんが、幸いなことにご本人のウェブサイト(http://www.karinschaupp.com/#home)があり、これまでに制作された12枚のCDがすべてそのサイトからネット購入できます。試聴もできますので、ぜひアクセスしてみてください。それにしても、早く日本に来てリサイタルを開いてくれないかな。■

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