連載「知っ得! ヘルスリテラシー講座」第4回「疫学とバイアス」

投稿者: | 2019年5月31日

【編集部より】

2018年7月から始まった連載「知っ得! ヘルスリテラシー講座」の第4回を掲載いたします。

この連載は、市民科学研究室の新村直子・特任研究員が、毎回専門家への取材を行い、『市民研通信』の特別連載として書きすすめます。毎回1つのキーワードを掲げ、B5判のフルカラー6ページでまとめていきます。

第2回目以降は全ページのPDF(もしくは印刷記事)の配信・送付は市民科学研究室会員に対してのみとなります。毎号の記事の全文を入手されたい場合は、オンライン送金によるご購入をお願いすることになります(このページの最後にその方法を記しました)。

毎回、最初の「キーワード」のページは以下のように掲げますので、ぜひ多くの皆様にお読みいただければと願っております。ご意見・ご感想もお待ちしております!

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知っ得! ヘルスリテラシー講座 vol.04

今回のキーワード
疫学とバイアス

玉石混交の健康情報に振り回されないために、
「科学」を理解しよう

疫学とは、集団の健康状態や、病気の発生原因、対策などを明らかにすることで、人々の健康づくりに役立てるための科学。
バイアス(偏り)は疫学における重要な問題の一つで、調査の対象者を選択する際、あるいは対象者を観察する際などに起こる、偏って物事を捉えてしまう現象。

▶お話を伺った方
中山健夫(なかやま・たけお)さん
京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 健康情報学分野教授
1987年、東京医科歯科大学医学部卒業後、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校公衆衛生学を学ぶ。国立がんセンター研究所がん情報研究部を経て、現職。2020年、第30回日本疫学会学術総会の大会長を務める。

▶取材・執筆
新村直子(しんむら・なおこ)
NPO市民科学研究室・特任研究員 医療健康ジャーナリスト
慶應義塾大学卒業後、日経マグロウヒル社(現・日経BP社)入社。健康雑誌「日経ヘルス」などの副編集長を経て、2011年から6年半、50代からの女性誌「いきいき(現・ハルメク)」副編集長として医療健康分野を統括。2018年春から慶應義塾大学大学院で公衆衛生学修士(MPH)取得に向け研究中。

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【本文】

NPO市民科学研究室の特別連載「知っ得!ヘルスリテラシー講座」では、市民が自らの健康づくりのためにぜひ知っておきたいキーワードを解説していく。第四回のテーマは、「疫学とバイアス」だ。疫学、健康情報学に詳しい京都大学大学院の中山健夫教授に取材した。

疫学という言葉を、初めて聞いたという方もいるかもしれない。「疫」は、もとは感染症などの疫病の意味。疫学とは、公衆衛生学(Public Health)という社会の健康を守るための学問領域の1分野で、集団の健康状態や病気の発生原、予防策などを研究する学問のことだ。

今では常識となりつつある、肺がんと喫煙に因果関係があるこ人間が陥りがちな「思い込み」を知りバイアスに騙されない思考をとを突き止めたり、高血圧や加齢が心血管疾患のリスクを高めることを示すなど、健康づくりのために欠かせない科学だが、その名は一般に知られているとは言い難い。一方、バイアスは、統計学では系統誤差と言い、物事や数字を評価する上で何等かの偏りを生んでしまう現象を指す。

実は、健康情報を正しく理解する上で欠かせない疫学と、様々なバイアスについて、今回は解説していこう。

「思い込み」ではなく事実に基づく思考を

今、世界中で100万部超を売り上げるベストセラーとなっている『FACTFULNESSファクトフルネス』をご存じだろうか。

読書家で知られるビル・ゲイツが2018年に米国の大学を卒業した大学生に対して、希望するすべての人にこの本をダウンロードできる権利をプレゼントしたことでも知られ、2019年1月発売の日本語版(日経BP社発行)は瞬く間に37万部(電子書籍含む)を突破。現在も版を重ね続けている。

著者の故ハンス・ロスリング氏は、スウェ―デン出身の医師で公衆衛生学・統計の専門家。息子夫婦とともに執筆したこの本は、「ファクト=事実に基づいてものごとを見て、(バイアスに惑わされずに)考える癖をつけていこう」というメッセージのもと、貧困・格差など、世界の様々な出来事に関するありがちな思い込みを最新の統計データを紐解きつつ、クイズ形式で解説する形式をとっている。

翻訳本のあるパートでは、「ファクトフルネスとは、ただひとつの数字がとても重要であるかのように勘違いしてしまうことに気づくこと。ほかの数字と比較したり、割り算をしたりすることによって、同じ数字から全く違う意味を見出せる」と説明している。

こうした考え方は、疫学で最も大事な視点の一つでもある。京都大学の中山健夫教授は一般市民や学生などを対象に、健康情報の良し悪しの判断方法について講演を行っているが、そんな時によく伝えているのが、「人間は、自分の頭の中にある枠組みを都合よく解釈する傾向がある」ということだ。

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