携帯基地局電磁波の実測データを用いた「神奈川ネットワーク運動・鎌倉」の学習会報告

投稿者: | 2022年12月9日

 

以下に掲げるのは、2022年11月14日に行われた、「神奈川ネットワーク運動・鎌倉」による学習会の報告です。

この報告はPDFファイルで21ページに及ぶかなり長いものですが、

・電磁波問題の基礎知識を簡潔に解説している
・鎌倉市の市民によって実測された9地域の携帯基地局(5G アンテナを含む)からの電磁波の強度分布のデータを掲げている
・日本の「電波防護指針」の問題点を指摘し、安全の目安として新たな提案を行っている

といった内容になっており、日本でも最も先進的な「携帯基地局条例」を定めている鎌倉市において、電磁波防護のあり方をさらに一歩進めていくためには何が必要かを、市民が自ら測定活動を通して見定めていこうとする点で、大きな注目に値するものだと考えます。

ぜひじっくりお読みいただければと思います。

報告の全文(21ページ)はこちらから

報告の冒頭の部分だけを以下に掲げておきます。

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報告

神奈川ネットワーク運動・鎌倉 主催 学習会(2022年11月14日(月)実施)

「測って知る 身の回りの電磁波」

保坂令子(鎌倉市議会議員)
上田昌文(NPO法人市民科学研究室)

この報告は、標記の学習会でなされた発表、講師からのコメント、質疑応答などを、当日配布された資料や投影されたスライド資料も使いながら、まとめたものです。多くの方々に活用していただけることを希望します。ご質問やご意見は以下にメールにてお寄せいただけば幸いです(市民科学研究室宛)。
▶renraku@shiminkagaku.org

 

●学習会の趣旨

携帯電話等通信会社(以下、事業者)は、「基地局の発する電波は、電波防護指針(700~900MHzの周波数帯で470~600µW/㎠、1.5GHz以上で1,000µW/㎠)の範囲内だから安全性には全く問題ない」という説明を繰り返しますが、基地局の電波のような「熱作用を伴わない微弱な電波」を長時間浴びることの身体への影響には、未解明の部分が残っています。

鎌倉市では2010年4月に「鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例」が施行し、市内で携帯電話等中継基地局(以下、基地局)を設置・改造しようとする事業者は、工事の計画書を市に提出し、計画の概要を近接住民等に説明して理解を得るよう努めなくてはなりません。

条例があることも手伝って、鎌倉市ではかねてから基地局設置に対する市民の関心が高く、特にこの2年ほどは5G(第5世代移動通信システム)の通信エリア拡大で基地局の設置が加速化(※)していることを背景に、設置計画が持ち上がった地域からの相談を受けることが目に見えて増えました。(※2021年度の鎌倉市への計画届出件数は約230件)

神奈川ネットワーク運動・鎌倉では今年度、簡易測定器を用いて基地局周辺の屋外・屋内の無線周波数電波の電力密度(単位μW/㎠)を測定するチームを立ち上げました。

今回の学習会では、大船・岩瀬・山ノ内・佐助・七里ガ浜東・腰越・梶原などの計9地域で測定した結果を報告し、NPO法人 市民科学研究室の上田昌文さんから講評・解説をいただきました。

基地局設置計画に向き合った市内7か所と藤沢市1箇所の住民も参加され、後半には「鎌倉市の基地局条例をどう活用するか」という視点での意見交換も行いました。

●当日の進行

10:00~10:20 市内基地局周辺の電磁波測定結果PP 発表(鎌倉市議会議員 保坂令子)
10:20~10:40 測定結果についての講評(市民科学研究室 上田昌文)
10:40~11:00 電波が強いスポットと安全の目安についての対談(上田・保坂)
11:00~11:05 質問票の回収・換気
11:05~11:25 参加者からの質問Q&A タイム①(測定結果と上記対談の内容について)
11:25~11:45 参加者からの質問Q&A タイム②(p10~ 鎌倉市基地局条例について)
11:45~12:00 総務省への提言に向けた取りまとめ(※時間延長最大12:15)

【続きは上記PDFでお読みください】

 

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