東京外環道トンネル工事に関する「東名JCT・Hランプシールドトンネル工事における テールシール損傷についての公開質問状(その1)」を出しました

投稿者: | 2024年3月19日

以下に掲げました「東名JCT・Hランプシールドトンネル工事におけるテールシール損傷についての公開質問状(その1)」を、国土交通省関東地方整備局東京外かく環状国道事務所、中日本高速道路株式会社東京支社東京工事事務所、東日本高速道路株式会社関東支社東京外環工事事務所の3箇所に宛てて2024年3月29日(金)を回答期限として送付しました(2024年3月14日付)。

この損傷事故は中央ジャンクションのランプシールドに限った問題ではなく、シールドマシン工事そのものに関わる重大なリスクをはらんだ事故だと私たち「外環振動・低周波音調査会」は考えています。この質問状への回答に関連した学習会も予定していますので、ご注目いただければと思います。

 

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東名JCT・Hランプシールドトンネル工事における
テールシール損傷についての公開質問状(その1)

送付した文書のPDFはこちらから

送付先:
国土交通省 関東地方整備局 東京外かく環状国道事務所
中日本高速道路株式会社東京支社 東京工事事務所
東日本高速道路株式会社関東支社 東京外環工事事務所  御中

提出者:
外環振動・低周波音調査会
(世話人:上田昌文(NPO法人市民科学研究室・代表))

回答返信先:NPO法人市民科学研究室

回答期限:2024年3月29日(金)

 

【要望および公開質問状の送付につきまして】

貴事務所は東京外環プロジェクト・ホームページ上の「東京外かく環状道路 東名ジャンクションHランプシールドトンネルについて(2023年12月8日)」と題する項目において(※1)、「シールドマシンの掘進作業を一時停止し、裏込め注入材や土砂を伴う地下水のシールド内への流入を防止するための部品(テールシール)の清掃作業を行っておりました」「部品の一部で変状が確認されたことから、引き続き、掘進を一時停止し変状した部品の交換作業を行います」と述べています。

※1: https://www.e-nexco.co.jp/pressroom/kanto/2023/1208/00013224.html

その後、第28回東京外環トンネル施工等検討委員会(2023年12月22日)から「再発防止策及び地域の安全・安心を高める取り組みを踏まえた工事の状況等について<東名JCT Hランプシールドトンネル>」と題する資料が出され(※2)、今回の損傷事故に関連する要となる項目である「2.再発防止対策を踏まえた工事の対応状況」の「2.4.3 テールシールの変状について(2)テールシールの変状要因」において、「テールシール内に異物等が確認されなかったことから、北多摩層(固結粘性土層)では、裏込材注入時に、裏込材が地山にまわりにくく、組立てたセグメントに浮力などの上向きの力が働き下側テールクリアランスが拡大し、裏込材の注入圧によりテールシールが押され一部に変状が発生したものと考えられる。また、小土被り区間において地表面沈下を考慮した裏込材の注入圧・注入率管理を行っていたこと、小土被りであることから上向きの力が働きやすいことも影響したと考えられる」と述べています。

※2:https://www.ktr.mlit.go.jp/gaikan/pi_kouhou/pdf/20231222_s3.pdf

私たち「外環振動・低周波音調査会」(※3)ではこの第28回東京外環トンネル施工等検討委員会の資料を詳細に検討しましたが、この資料において事故原因の究明がしっかりなされている、と判断することができませんでした。というのも、その判断に必要な数多くの具体的なデータが示されないままであるからです。したがって、この工事において部品交換の後に掘進を再開した際に、本当に事故の再発が防止できるのか、「セグメントで構築されたトンネルやシールドマシンの設備については安全上問題はなく、地表面の安全性を損なう事象ではないと考えられる」(※2資料、20頁)と言えるのか、私どもでは検討ができないままになっています。

※3:2020年10月18日に発生した東京都調布市の東京外環道トンネル工事現場直上での陥没事故の、被害の実態の究明とそれへの適正な対策の実施を求めることを目的に、現地の住民と特定非営利活動法人市民科学研究室が共同で発足させた組織です。これまでの調査活動の成果の一端は以下のウェブのサイトのページで公開しています。
   https://www.shiminkagaku.org/csinnewsletter_072_202309_ueda/

そこでまず、東名JCT・Hランプシールドのテールシール破損に関連する、すでに貴事務所が持ちあわせている様々な事実とデータの確認を行いたいと考え、以下の質問をまとめました。これらを質問状の「その1」としているのは、これらの質問への回答から得られるだろう事実やデータをふまえて、私たち調査会が懸念する事柄について、さらに質問をさせていただきたいと思っているからです。

上記【回答返信先】に記しました宛先に、同封しました返信用封筒を用いての書面もしくは電子メールにて、ご回答いただくようお願い申し上げます。

なお、回答につきましては、まことに勝手ながら、2024年3月29 日(金)を期限とさせていただきます。もし、回答にさらに時間を要する場合は、予めご連絡いただければ幸いです。またこの質問状ならびにいただいた回答は私たちのウェブサイトなどで公開させていただくことにしています。その点もご了承下さい。

また、この質問状への回答に加えて、対面による質疑応答の機会を設けるため、説明会の開催をお願いします。貴事務所は住民に対し丁寧な対応をすると常々述べています。シールドマシンの停止が3ヶ月以上に渡り、去年のオープンハウスで受けた説明からは想定外と言える状況が発生しています。速やかに説明会を開くことを合わせて要望いたします。

 

東名JCT・Hランプシールドトンネル工事における
テールシール損傷についての公開質問状(その1)

テールシールに関連する次の質問に具体的な数値やデータを示してお答えください。

1.Hランプシールドマシンについて

1-1) シールドマシン外径:

1-2) スキンプレート長さ:

1-3) セグメント外径:

1-4) セグメント内径:

1-5) セグメント厚み:

1-6) セグメント幅(長さ) :

1-7) セグメント個数(1リング、Kセグメントを含む):

1-8) 余掘りの大きさ:

 

2.テールシール寸法・構造について

2-1) 段数3段になっている(参考 本線シールドは4段)が、3段になっているその設計根拠は何か(最大地下水圧、掘進延長など):

2-2) 3段分の設置長さ(全長):

2-3) 3段の設置間隔(mm):

2-4) テールシール1ピースの大きさ(3次元寸法):

2-5) テールブラシはテールクリアランスの変化に追従する必要があるが、テールシール(ブラシ)の大きさとテールクリアランス変位量との関係:

2-6) テールブラシは、可動部を持つか。テールブラシはテールクリアランスの変化に追従する必要があるので、構造的に駆動部が必要と考えられるが、どのような駆動部か(例えば、スプリングを持つヒンジ(回転摺動)構造なのか):

2-7) シールドの後退によるテールシールの破損があり得るが、その対処の方法:

2-8) 各段は何個のテールシールピースで構成されているか:

(2-9) 各段の間への特殊粘性物質(グリース)注入について

(2-9-1) 粘性物質の注入方法について

2-9-1-1) 自動注入装置によるのか、それともグラウトホール利用(手動?)か:

2-9-1-2) どこから何か所で注入するのか:

(2-9-2) 注入圧力管理はどのように行われるのかについて

2-9-2-1) 掘進深度との関係:

2-9-2-2) 裏込め材注入圧制御との関係:

2-9-2-3) グリースをブラシ部分に充填することが必要であるが、各段間の圧力は、 それぞれどのように何に対して行われるのか:

2-9-2-4) 注入したグリースは、どのように消耗されるのか(入れたものはどこに移動するのか。掘進に伴いセグメント背面に付着して減少するとの理解でよいか。そのほかの理由はあるか。):

2-9-3) グリース自体が閉塞してしまうことはあるか:

2-9-4) 自動注入装置は予備を持っているか(自動注入装置自体での閉塞の可能性):

 

3.テールクリアランスについて

3-1) 線形管理とクリアランスの関係:

3-2) テールクリアランスの設計値:

3-3) テールクリアランスの許容変位量:

3-4) テールクリアランス管理値(管理段階ごとの管理値):

3-5) テールクリアランスの具体的計測方法:

3-6) 測定点数とその位置:

3-7) 進行方向、半径方向のいずれの計測を行っているのか:

3-8) トラブル発生までのテールクリアランス変位の経過(データ):

 

4.テールシールの清掃について

4-1) 清掃が必要となる理由:

4-2) テールシールの清掃作業は、通常定期的に行う作業か、それとも異常時のみか。その判断基準:

4-3) 点検は清掃孔からのみ行うのか、点検孔は別にもあるのか:

4-4) 清掃孔は、裏込め材注入孔(セグメントグラウトホール?)と同じか:

4-5) 清掃孔、点検孔は、裏込め材注入孔(セグメントグラウトホール?)はそれぞれいくつあり、どのように配置されているのか:

4-6) 清掃孔からの掃除は、どのように実施されるのか:

4-7) 清掃孔は使用後にどのように処理されるのか:

 

5.事故の状況・裏込め材との関連性

(5-1) テールシール損傷の確認について

5-1-1) 損傷した3段目のテールシールの数:

5-1-2) 損傷した2段目のテールシールの数:

5-1-3) 損傷した3段目のテールシールの数

(5-2) 事故の原因と裏込め材注入について

5-2-1) 事故の原因として裏込め材注入との関係性が述べられている。裏込め注入は、次のどちらの方法を採用しているか、両者併用か、外の方法か:

(a) 同時裏込め注入装置(シールド本体のテール部に設置された注入管から連続注入)に よる方法

(b) セグメントがテール部を通過したのちにセグメントの注入孔から注入する方法

(5-2-2) 裏込め材はどのような機構で充填されるのかについて

5-2-2-1) 注入管あるいは注入孔は、どこにどのようにいくつ配置されているのか:

5-2-2-2) 注入管あるいは注入孔への裏込め材の充填管理(圧力、注入量等)は、注入管(注入孔)の一つ一つで実施されるのか。それとも複数一括管理方法か(例えばリング毎あるいは複数のリング毎に対する一括管理):

以上

 

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