GreenFactsについて

投稿者: | 2007年7月4日

写図表あり
csij-journal 007 Greenfacts.pdf
GreenFactsについて
牧尚史+上田昌文
GreenFactsについて、(その1)Webページの構成、(その2)活動の概要の2つに分けて、ホームページに記された情報を翻訳しつつ、紹介する。
(その1)GreenFactsのWebページの構成
<トップページの概要>
 トップページは、
A)”Digests”
B)”Co-publication”
C)”About us”
D)”Press Room”
の4つの部分から構成されている。
“Digests”は本篇であり、国連など権威ある機関が発行した科学的合意文書から環境と健康に関するトピックを、GreenFacts’ Scientific Boardが整理しまとめた情報を掲げている。”Co-publication”は他の第三者機関からの要請を受けて作成した要約文書を掲げている(現在は、Tooth Whitenersの1件だけであるが、近々、SunbedsとNanotechnologiesがアップされるという)。
“About”はGreenfacts自体について述べている。
“Press Room”は報道機関向けにリリースした情報が時系列で並べている。
“Digests”では、ドイツ語、英語、スペイン語、フランス語、オランダ語の5ヶ国語で表示可能なようであるが、オランダ語で表示可能な部分はあまりない。また、各研究トピックについて、表示可能な言語は限定される場合がある(英語のみである場合が多いが、英語・スペイン語・フランス語で表示可能であることも多い)。今後は翻訳が進んで、表示可能な言語が増えるであろう。”Co-publication”はドイツ語、英語、スペイン語、フランス語の4ヶ国語。”About” “Press Room”については、英語のみ表示される。
A)”Digests”(研究題目と概要)
 Webページの様子は下図のとおり。
図1
以下、①~⑦までの概要を述べる。
① “List of studies”, “Intro to studies”, “Glossary”, “Links”というリンク
 List of studies
 このリンクのページは下図。
                 図2
 研究トピックをテーマごとにまとめているもので、大気・化学・飲料水・環境の変化・食料とライフスタイル・放射線という6つのテーマに分類している。また、将来的な研究という分類もある。
 例えば、”Atmosphere”(大気)のリンクは下図のようになる。
図3
 関連する写真、タイトル、内容、PDFファイル、ソースが一覧できる。
2007年7月時点では、 研究トピックは次のように分類されている。
●持続的発展
北極圏の気候変動 北極圏の気候変動は地球のほかの地域にどのような影響を与えるか
生物多様性 – 地球規模の見通し 生物多様性条約にしたがって2010年を目標に行われている取り組みの進展状況
生物多様性と人類の幸福 生物多様性の減少の現状と人類の幸福に与えるその影響
気候変動 2007 気候変動はどのようになっているのか、将来はどう予測されるのか
気候変動 2001 地球は人類の活動によって温暖化しているのか
砂漠化 砂漠化、生態系、そして人類の幸福
生態系の変化 生態系の劣化と人類の幸福
漁業 漁業資源はどの程度乱獲されているのか。漁業の状況はどのように変化してきているのか
森林 世界の林業資源の現状
●化学物質と放射線
大気汚染 オゾン、二酸化窒素、粒子状物質は人間の健康にどのような影響を与えるか
ヒ素 どんな状況で食べ物や飲料水中のヒ素が有害になるか
ボロン 食べ物や飲料水中のボロンは有害か
チェルノブイリ 事故後二十年時点での影響の概観
ダイオキシン ダイオキシンによる健康への悪影響とは
内分泌かく乱物質(環境ホルモン) 環境中の化学物質はわれわれのホルモン系に影響するのか
フッ素(フッ化物) 健康に対するフッ素の利点と悪影響
水銀 環境への水銀の放出はコントロールされているか
二酸化窒素 交通やその他の燃焼による大気汚染物質はどのようにわれわれの健康に影響を及ぼすか
オゾン 地表でのオゾンは人間の健康に影響するか
粒子状物質 大気中の粒子状物質は人間の健康にどんな影響がもつか
PCB どの程度の程度われわれはPCBにさらされているか
フタル酸類 DIDP、DINP、DBPはプラスティックを柔らかくするために添加される。これらは危険なものなのか
送電線 電磁場には人間の健康に悪影響があるか
静磁場と静電場 画像診断の場面などで使われる静磁場や静電場は健康に悪影響を及ぼすか
飲料水の消毒 飲料水の消毒剤と副産物は健康に悪影響を及ぼすか
●地球、食べ物、ライフスタイル
AIDS AIDS感染の現状と感染を減らすための方法
アルコール アルコールはどの程度の人口に影響を及ぼしているか。そしてその健康への影響はどのようなものか
アスパルテーム 人工甘味料は健康に有害か
食事と栄養 食事、栄養と生活習慣病の予防
遺伝子組み換え作物 遺伝子組み換え作物は伝統的な作物とどのように異なるか
向精神薬 薬物依存はどのように生じ、どのような治療が可能か
呼吸器疾患 大気汚染は子どもが呼吸器疾患になる可能性に影響するか
喫煙 受動喫煙も健康に有害か
飲料水の消毒 飲料水の消毒剤と副産物は健康に悪影響を及ぼすか
 Intro to studies
 このリンクのページは、Green Facts Studiesを紹介するページとなっている。
・ Green Facts Studiesとは何か
・ Webサイトがどのように機能しているか。
・ このWebサイトの背後にだれがいるか。
 Glossary
 このリンクのページでは、ある専門用語について、類義語、定義、ソース、関連用語を調べることができる。用語は、アルファベット順に検索することができる。辞書のようなものである。非専門家の理解を深めることを目的とし、レベル1(Summary)、レベル2(Details)において登場し、さらに非専門家には難しいであろう単語を選んで、辞書に載せている。3-5へ
 Links
(リンクも階層構造)
健康と環境に関するWebサイトへのリンク。それぞれのリンクに、数行の概要がついており、分かりやすい。
A) 非専門家のための、事実に基づくWebサイト
・ FAQサイトとQ&Aのサイト
・ 健康や環境に関するニュースを提供するサイト
・ 科学コミュニケーションやリスクマネジメントに関するサイト
・ その他のサイト
  B) Green Facts Studiesがカバーしている研究トピックに関するリンク
   それぞれについて、一般的な情報を提供するサイト、ニュースサイト、Q&AやFAQのサイト、政策関連のサイトへのリンクが、テーマごとに複数紹介されている。
  
  C) その他の健康・環境関連サイト
   Green Factsにリンクを貼っているWebサイトのいくつか。そして、健康・環境に関する国際機関や国家機関のWebサイトのリンクを載せている。
②研究トピックを、アルファベット順に並べたもの。
③研究トピックを、6つのテーマに分類したもの。
 テーマは、大気・化学・飲料水・環境の変化・食料とライフスタイル・放射線。クリックすると、図3のページにいく。
④ニュースレターの購読申し込みと、寄付へのリンク
 Green Factsのニュースレターの紹介と、購読申し込みの案内、そして、寄付の案内をしている。
⑤最新の研究トピックへのリンク
⑥最もポピュラーな研究トピックへのリンク
⑦その他の研究トピックへのリンク
 以上、”Digests”についてまとめたが、それぞれのページにある研究トピックをクリックすると、下図のようなページにいく。
図4
ここでは、Q&A方式で、各質問に、3段階構造(Three Level Structure)で答えることにより、各研究トピックに関する科学的真理(scientific factor)を述べている。この3段階構造というものは、以下のように定義されている。
3段階構造は、”Level 1″( The Summary), “Level 2″(The Details), “Level 3″(The Source)から成り立っており、
“Level 1″-その研究トピックに関する主な関心事についての、複数の質問と簡潔な回答
“Level 2″-それぞれの回答は、いくつかの段落により展開されている。しばしば、質問が、下位の質問(sub question)に分割される。
“Level 3″-それぞれの下位の質問(sub question)が、正式な科学的文書のセクションによって裏付けられている。
という特徴を持つ。レベルが上がるにつれて、専門的になっているようである。
 また、このページでは、”○○ Links” において、各研究トピックに関連するリンクを紹介している。例えば、一般的な情報を提供するサイト、ニュースサイト、Q&AやFAQのサイト、政策関連のサイト等へのリンクが、テーマごとに複数紹介されている。
 さらに、”About this study” においては、以下のように全体的な概要について述べている。
1. その研究トピックに関する研究のソース
「Level 3の内容は、WHOの○○レポートから直接引用した」といったことや、「Level 1, 2」の内容は、○○という人物によって書かれた」など。
2. 現在の状態
     GreenFacts’ Scientific Board(GreenFacts科学役員会)によって公開を承認された、など。
3. 研究が公表されるに至るまでの歴史
   第一草稿が誰によっていつ作られ、第二草稿が誰によっていつ作られ、いつ査読を受けて、修正されて公開にいたったか、ということを述べている。また、更新・修正の情報も載せている。一部で、翻訳状況も。
B) “Co-publications” (関連共同発行物)
他の第三者機関からの要請を受けて作成した要約文書を掲げている(現在は、Tooth Whitenersの1件だけであるが、近々、SunbedsとNanotechnologiesがアップされるという)。On-lineで提供する文書の構成はDigests に準ずるので、詳しい紹介は省略する。
C) “About us” (GreenFactsの活動の概要)
ひとつの特徴としては、ページ内で解説されている単語は、リンクを張って、すぐに参照できるようになっている。たとえば、”independent” という単語に対してリンクがはっており、どういう意味で「独立」しているのかがすぐに分かるようになっている。
以下、このページ内のリンク(左側の部分)について説明する。
① About(GreenFactsとは)
・ どういう団体か
・ 使命について
・ Webサイトについて
② Organization(組織)
・ Mission(使命について)
  ビジョン、使命、目的、価値観について
・ Genesis(起源について)
どうやって、そしてなぜGreenFactsが設立されたか。
・ Governance(管理について)
  マルチ・ステイクホルダー構造による。
・ Independence(独立性について)
・ Policy(方針について)
  自らの見解を示すことなく(without taking position)、科学を普及させる。
・ Statutes(規則について)
・ Reports(報告書について)
③ Publications(研究の公表について)
・ 研究について
・ 公表にいたる過程について
・ 査読について
・ 特徴について
・ 基準について
④ Funding(財源について)
・ 財源の表と、その歴史
・ 資金源について
・ ルールについて
・ 寄付について
⑤ Partners(パートナーについて)
  大きくは、財源のパートナーと、共同研究のパートナーに分けられて、財源のパートナーは、公的なものと民間企業に分類されている。
  そして、この中でのリンクは、以下のことについても書かれている。
・ パートナーとの約束
・ パートナーのメリット
・ 現在のパートナー一覧(それぞれのパートナーについて、概要が記してある。)
⑥ Jobs(雇用情報)
・ GreenFactsとベネルクス諸国の団体、政府機関、企業、非営利組織とのパートナーシップを築く
・ 編集のインターンシップ(環境、健康に関するコミュニケーションの分野の仕事や、GreenFactsのWebページを、他国語に翻訳す仕事)
・ Webサイトを更新するインターン
・ 科学編集者
⑦ News
・ ニュースレター
・ イベント
・ GreenFacts内のニュース
・ 会員のみ利用可能なページ
・ 科学役員会のメンバーが利用可能なページ
⑧ Contact(連絡先)
  GreenFacts自体の連絡先と、会員の連絡先も載っている。
D) “Press Room” (GreenFactsの報道関係)
① Press Release
2003年から現在までの報道発表のアーカイブ
② GreenFactsの特異性について
 どういうことを行い、どういうことは行わないか
・ 科学的に合意された(Scientific Consensus)報告書を要約している。
・ 公平性
・ 特徴
③ Press Book
・ 紙媒体のもの(新聞・雑誌)
・ ラジオやテレビ
・ ネットの記事
・ 信任状
④ Press Kit
・ 図表
・ Webで使用されているツールの紹介。これを利用することができる。
・ RSS Feedについて
このRSSというものは、Really Simple Syndicationの略。いつでも、GreenFactsのWebサイトに追加された最新情報(例えば、最新の研究トピック、ニュースレター、イベントなど)を知らせてくれるというもの。登録が必要である。
・ Presentation Folder(発表物)
(その2)GreenFactsの活動の概要
1.GreenFactsとは
 GreenFactsは、マルチステイクホルダーによる管理と、主張しない方針(non-advocacy policy)をもった、独立したNPOである。
 GreenFactsの使命は、健康や環境に関する複雑な科学合意文書を、非専門家が理解できるものにすることである。
 GreenFactsのWebサイトは、専門家向けでない用語や、いくつかの言語を用いて、そのような文書の忠実な要約に簡単にアクセスできるようにしている。
<GreenFactsという組織について>
 GreenFactsとは、ベルギーのNPOである”a.s.b.l”であり、健康や環境に関する複雑な科学合意文書を、非専門家が理解できるものにするという目的をもった、様々な背景をもつ個々人によって、2001年12月に設立された。
 Mission statement (使命について)
 ビジョン:環境と健康の分野において、現在の科学的知識は、建設的な議論や充分な情報を得た上での決定にとって、絶対不可欠な基盤である。
 使命:健康や環境に関する複雑な科学合意文書を、非専門家が理解できるものにする。
 目的:ジャーナリストや意思決定者、投資家、先生、関心のある個人にとっての、科学的情報の参照オンラインソースになること。
 価値観:組織とは-独立、マルチステイクホルダー、主張しない
     公表物とは-明快、正確、公平
 Genesis(起源について)
 GreenFactsは2001年に、次の2つの関心事を共有した、異なる環境と健康の背景をもった個人によって設立された。
 彼らは、信頼できる科学情報は、利害関係者間の建設的議論や、健康や環境の問題に関する、充分な情報を得た上で決定するための土台となるべきだ、と考えていた。
 彼らは、それらの問題に関して入手できる科学情報は、信頼できないものが多いと気づいていた。というのも、それらはたいてい、自身を金銭的・政治的利害から守ろうとする傾向がある、企業やNGOといった利害関係者である組織か、あるいは、自分自身の見解を前面にだしたくなる個々の専門家により提供されるものであるからである。
 設立者は、これらの問題に関する現在の科学的知識は、WHO, FAO, IRAC, UNEP, European Commissionといった国際機関の権限下で、大きな科学専門家委員会によって作られた科学合意文書により、最も良く提供されるということで意見が一致した。
 しかし、それらの文書はたいてい見つけることが困難で、長く複雑で専門用語で書かれているため読みづらい。非専門家に理解されるためには、それらは、忠実に、そして分かりやすい言葉で要約される必要がある。
 これらの報告書が公平な方法で伝えられるということを保証するために、設立者は、公表物が独立の科学審議会によって管理されるような、マルチステイクホルダーによる管理をする、本当に独立したNPOとして、GreenFactsを創った。
 設立者のうち2名は、SOLVAY Groupの社員で、彼らの経営者からGreenFactsの創業資金を手に入れた。SOLVAYは3年間、GreenFactsの支援に尽力し、その後、収入源を多様化できるほどに充分な認識を獲得した。
 Governance – a multi-stakeholder structure
特定の利益からの独立性を確立するため、環境や健康の分野において、幅広い活動をしていたり、様々な背景を持つ、個人や組織を巻き込んでいる。
4つのステイクホルダー・グループ
 GreeenFactsは、正会員と呼ばれる個人による公式の組織である。GreeenFactsの規則は、個人の背景に応じて、その正会員を4つの異なるステイクホルダー・グループに分類している。
 学術機関
 環境や健康のNPO
 企業・業界団体
 その他(メディアや政府など)
 正会員は、所属している他の組織の名においてではなく、純粋に個人として立場を明らかにしている。
マルチステイクホルダー構造
 GreenFactsの規則は、一つのグループが組織を管理することができないように、それぞれのステイクホルダー・グループが、取締役会、総会の両方で、同様な選挙権を持つように要求している。
 
このマルチステイクホルダーのアプローチは、パートナーシップの構築においても適用している。
 Non-advocacy Policy
自らの見解を示すことなく(without taking position)、科学を普及させる。
 GreenFactsの設立者は、「環境と健康の分野において、現在の科学的知識は、建設的な議論や充分な情報を得た上での決定にとって、絶対不可欠な基盤である。」と信じている。
 それゆえ、GreenFactsの使命は、科学合意文書周辺での議論に対して自らの見解を示すことなく、文書を忠実に要約することによって、「健康や環境に関する複雑な科学合意文書を、非専門家が理解できるものにする。」ことである。
 GreenFactsは、事実情報や現在の他の見解を提供しているか、GreenFactsのWebサイトにリンクをはっているかしている、いくつかの第三者のWebサイトへのリンクを提供している。
 GreenFactsは、要約した合意文書で表現されている見解以外の見解は公表しないし、特に、不確実さについても、それらを取り巻く政策論議(例えば、予防原則や許容リスク、改善措置)についても、公にどんな個人的見解を示すということもしない。
GreenFactsのコミュニケーション活動
 GreenFactsは、ミッションを支えるようなコミュニケーション活動に、定期的に携わっている。
 例えば、GreenFactsは、選ばれた会議やイベントに参加する。GreenFactsはまた、異なる利害関係者を科学コミュニケーションというテーマに関わらせるような、いくつかのイベントを開催した。目的は、GreenFactsのWebサイトを普及させ、他の組織とネットワークを築くことであるが、GreenFactsは、議論において見解を示すことはできない。
 GreenFactsは、自身の公表物や活動を知らせるために、ニュースレターを年に4回、プレスリリースを時々発行している。GreenFactsは、それらのメールが、見解を示すものとして受け取られないようにしようと努力している。
2.GreenFacts Digestsとは
 GreenFacts Digestsは、環境や健康の問題に関する信頼できる科学的合意文書を忠実に要約したものである。それらは、独立した専門家による科学審議会の権限下で査読され、公表される。
2-1.研究トピック
 研究トピックを大気・化学・飲料水・環境の変化・食料とライフスタイル・放射線という6つのテーマに分類して紹介している。
2-2.公表までの過程
 研究トピックは、科学審議会、パートナー、正会員と協議して、GreenFactsの取締役会(Board of Directors) で選ばれる。ただし、その研究トピックは、適したソースドキュメントが存在する、重要な環境や健康のトピックの中から選ばれる。
 GreenFactsがまとめるソースドキュメントは、独立した専門家で構成される科学審議会によって決定される。それは、国際的な専門家委員会によってつくられ、WHO, FAO, IARC, UNEP, European Commisionといった、独立の国際機関によって公表された、科学的合意のあるものでなければならない。
 GreenFactsによる要約は、それらが公平なもので、ソースドキュメントに忠実なものであることを保証するために、以下のような厳しい公表過程にしたがって書かれる。
 下書き的な要約は、一般的にGreenFactsのスタッフと共同して、科学的な専門家によって書かれる。
 それらは、しばしば、特定の見解に偏っていないということを保証するために、環境や健康の協同組合や産業からの(利害関係者である)専門家によって、事前にレビューされる。
 そしてそれらは、正確性、中立性、ソースドキュメントに対する忠実性を保証するために、GreenFactsの科学審議会により選ばれた、少なくとも3人の独立した専門家によって査読される。
 最終的な公表物は、GreenFactsの科学審議会の委員長によって認可される。
<GreenFactsのスタッフ(http://about.greenfacts.org/whos-who/panel-of-experts.htm>
 スタッフは、webサイトの開発や資金調達を含む、全ての業務を担当している。このことが、科学的コンテンツに完全に責任のある科学審議会の管理下にあるGreenFactsの公表物の産出を保証している。スタッフは、取締役会により指名された統括マネージャーによって率いられている。
 スタッフの学歴には、工学修士、科学修士、心理学博士、国際関係、翻訳家、建設技師、生物学博士、メディアと言語、などがある。
<科学的な専門家(http://about.greenfacts.org/whos-who/panel-of-experts.htm)>
 GreenFactsの専門家委員会(Panel of Experts)は、産業や健康や環境のNPOといった、投資家団体からの科学的専門家だけでなく、大学のような独立した組織からの科学的専門家からも構成されている。
 彼らは、GreenFactsの目的をサポートしたり、アドバイスを求められたり、GreenFactsの研究の草稿づくりに貢献したり、レビューしたりしている。
2-3.科学審議会(Scientific Board)
(http://about.greenfacts.org/whos-who/scientific-board.htm)
GreenFactsの科学審議会は、大学や政府研究機関のような独立した組織からの科学的専門家から構成されている。科学審議会は、GreenFactsの公表物の科学的コンテンツや研究のソースドキュメントの選定、そして査読の組織化、最終発表の認可といったことに、完全に責任を持っている。科学審議会は、専門家委員会から独立した決定権を持っている。
3.Webサイトがどのように機能しているか
 GreenFacts.orgはQ&A方式で、数種類の言語で情報を提供している。そして、GreenFactsは、著作権を取得した、3段階構造(Three-Level Structure)を用いている。これは、読者が自分たちのニーズに最適なレベルの詳細さを選ぶことができるように、詳細性と複雑性を3段階に分類したものである。複雑な単語は、横窓に現れる包括的な用語集で説明されている。
3-1.言語
 GreenFacts.org英語が主要言語であり、参照資料も英語のものである。Webサイトの多くの部分はフランス語、スペイン語、ドイツ語に翻訳されているが、翻訳されたものは、科学審議会の承認を得るための諮問は受けていない。GreenFactsは他の言語に翻訳するパートナーを探している。
 
3-2.3段階構造
3段階構造は、”Level 1″( The Summary), “Level 2″(The Details), “Level 3″(The Source)から成り立っており、
“Level 1″-その研究トピックに関する主な関心事についての、複数の質問と簡潔な回答
“Level 2″-それぞれの回答は、いくつかの段落により展開されている。しばしば、質問が、下位の質問(sub question)に分割される。
“Level 3″-それぞれの下位の質問(sub question)が、正式な科学的文書のセクションによって裏付けられている。
という特徴を持つ。レベルが上がるにつれて、専門的になっているようである。
 
3-3.Web統計
 アクセス頻度は下図の通り。増加傾向にある。
また、GreenFactsのメーリングリストを購読している人々の本業は、以下の通り。
3-4.サイトマップ(http://www.greenfacts.org/sitemap.htm)
 単語が整理されており、クリックすると関連サイトに行く。
3-5.用語集
ある専門用語について、類義語、定義、ソース、関連用語を調べることができる。用語は、アルファベット順に検索することができる。辞書のようなものである。非専門家の理解を深めることを目的とし、レベル1(Summary)、レベル2(Details)において登場し、さらに非専門家には難しいであろう単語を選んで、辞書に載せている。
 ツールボックスとして、ウィンドウが横並びに出て、いつでも調べることができるようになる。
  
4.GreenFacts.orgの背後には誰がいるか
 GreenFactsは、ブリュッセルを本拠とし、独立した、多くの投資家がいる(マルチ・ステイクホルダーの)NPOである。GreenFactsの使命は、健康や環境に関する複雑な科学的コンセンサス・レポートを、非専門家が容易に利用できるものにすることである。特定の利益からの独立性は、マルチ・ステイクホルダーによる管理と資金調達の規則により保証されている。
4-1.誰がいるか
 GreenFactsは、以下のような組織によって治められている。
 異なる背景を持った正会員により成立する総会が、最高支配権力(Ultimate controlling power)を持つ。
 総会により選出された正会員により構成される取締役会が、最高運営権力(Ultimate managing power)を持つ。
 独立の科学者により構成される科学審議会が、GreenFactsの公表物を完全に管理している。
 科学の専門家により構成される専門家委員会(1-2参照)が科学的アドバイスをしたり、GreenFactsの公表物に貢献したりする。
 GreenFactsのスタッフ(1-2参照)は、全ての業務とWebサイトに責任を持つ。
 GreenFactsの会計の透明性は、外部の監査役により管理されている。
 さらに、GreenFactsは、異なる組織とパートナーシップを構築している。
<正会員(http://about.greenfacts.org/whos-who/full-members.htm)>
 正会員(Full Members)は、GreenFactsの投票会員である。正会員は、総会において年に少なくとも1回は会う。その総会は、団体に対して最高支配権力を有し、特に、会員の中から取締役を選出する権限を持つ。
 正会員は、個人の能力で行動をする。正会員は、環境と健康の分野における個々の活動に応じて、4つのカテゴリー(”科学”、”環境”、”産業”、”その他”)に分類される。
 正会員のリストがある(名前、職務、カテゴリーあり)
<取締役(http://about.greenfacts.org/whos-who/directors.htm)>
 取締役(Director)は、正会員の間で総会によって選出される。GreenFactsの取締役会は、GreenFactsに対する最高運営権力を有している。取締役会は日常管理を委任する統括マネージャー(General Manager)を推薦する。取締役会は、年に数回開かれる。
<科学審議会(http://about.greenfacts.org/whos-who/scientific-board.htm)
GreenFactsの科学審議会(Scientific Board)は、大学や政府研究機関のような独立した組織からの科学的専門家から構成されている。科学審議会は、GreenFactsの公表物の科学的コンテンツや研究のソースドキュメントの選定、そして査読の組織化、最終発表の認可といったことに、完全に責任を持っている。科学審議会は、専門家委員会から独立した決定権を持っている。
4-2.資金調達
 GreenFactsは、2001年12月に、Solvay Groupから初期の3年間の財政支援を受けて始まった。
 以来、GreenFactsは収益源を多様化し、現在は、企業とのパートナーシップ、公的な助成金、基金補助、寄付、契約料、会費によって資金援助をしてもらっている(下図)。
 また、GreenFactsは、厳格な資金調達ルール(funding rules)を決めて、財務貢献者からの独立性を確保している。
<収益源、財源(http://about.greenfacts.org/funding/sources.htm)>
 社会への奉仕として、GreenFactsは最大数の読者に提供することを目標としている。そのため、GreenFactsは無料で利用できるようにしてあり、外部資金に頼る必要がある。
 GreenFactsは、Solvay Groupから初期の財政支援を受けて始まったが、それは2005年5月に終わった。独自の資金調達ルールに従って、GreenFactsの収入はいくつかの財源からもたらされている。
I. 企業とのパートナーシップ(Corporate partnerships)
3つの方式のパートナーシップが提案されている。ただし、出資額は、中小企業に対しては半額になる。また、独立性を確保するため、企業パートナーからの総収入が、GreenFactsの年間収入の50%を超えないようにしている。
 Limited Partnership: 年に10000€を出資
 全てのパートナーが得られるメリットに加え、”Limited Partner”は、GreenFactsの公表物に対する投資家による事前審査(公表物が偏りなく公平なものであると保証するためのもの)へ招待されて参加することができる。
 Active Partnership: 年に25000€を出資
    ”Limited Partner”が享受するメリットに加え、次のようなメリットがある。
・ インターネット上の科学的文書を伝える(コミュニケートする)GreenFactsのノウハウを入手できる。また、GreenFactsの取締役会の承認の上で、”Actibe Partner”は、科学コミュニケーションのプロジェクトにおいて、GreenFactsの3段階構造や編集チームを外注することができる。
・ “Actibe Partner”は、GreenFactsの投資家のイベントのスポンサーになる権利や、積極的にGreenFactsの会議に参加する権利を持つ。これは、イベントの体制に関する相談だけでなく、話す機会も含んでいる。
 Full Partnership: 年に50000€を出資
   ”Actibe Partner” が享受するメリットに加え、GreenFactsの取締役会の承認の上で、”Full Partner”のコミュニケーションプロジェクトについてのコンサルテーションを利用できる。それは次のようなものを含む。
・ 科学コミュニケーションに関する、パートナーのプロジェクトへの積極的関与。
・ GreenFActsが持っている、科学コミュニケーションの活動に関与している専門家(科学者、リスクコミュニケーター、環境コンサルタント、ジャーナリストなど)のネットワークの利用。
・ 相互関心が存在する協議や連携(委員会、運営グループ等)
・ その他の特定のサービスや合同事業の、実行できる開発。
II. 公的な助成金(Public Subsidies)
このカテゴリーは、以下をカバーしている。
・ 政府機関からの構造物の財政的支援
・ 特定のGreenFacts の研究やその翻訳を対象にした、国家の諸機関からの財政的支援
・ 自らの科学報告書を、GreenFactsのWebサイト上で普及させたい国際機関からの助成金。
 リストに載せている公的パートナーに加えて、WHOからも助成金をもらっている。
III. 基金補助(Foundation grants)
 これまでのところ、HARAFI基金(持続可能な漁業慣行を奨励するスイスの財団法人)から受けている。
IV. 寄付(Donations)
 金銭のプレゼントによって、多くの個人や組織がGreenFactsの公表物への支持を表現している。
V. 契約(Contracts)
 取締役会の同意があれば、GreenFactsのノウハウを契約したり、3段階構造のようなWebコミュニケーション・ツールのライセンスを、非専門化の顧客に複雑な報告書を伝達したい、と考えているようなパートナー組織に供与することができる。
 また、2つの報告書を翻訳するために、Millennium Ecosystem Assessmentと契約した。
VI. 会費(Membership fees)
 法律上の理由で、正会員は年間5€の会費を払わなければならない。
<資金調達ルール(funding rules)( http://about.greenfacts.org/funding/rules.htm) >
 公表物を無料でアクセスできるようにするために、GreenFactsは外部からの資金調達が必要である。しかし、このことによって、金銭上の貢献者が、GreenFactsの公表物に影響を与えていたり、特定の利益を守るために、GreenFactsを拘束したりするかもしれないという、誤解されやすい主張に弱くなっている。
 このリスクから身を守り、完全に独立であるために、GreenFactsは以下の資金調達ルールに従っている。
 収入源を多様化し、助成や援助を様々な科学機関(国家の諸機関、企業パートナー、財団法人、寄付者)に求める。
 SOLVAYからの創業資金を除いて、各々の企業パートナーからの出資金を年間で最大50,000€に制限している。これは、企業パートナーからの出資金が、GreenFactsの年間収入に占める割合が大きくなりすぎないようにするためである。
 2006年から、企業パートナーや政府からの合計出資金が、年間収入の50%を超えないようにしている。
 企業の財政的支援は、個々のGreenFactsの研究を対象にしたものにならないようにする。
 ノウハウを契約したり、著作権のある3段階構造のライセンスを供与することにより、収入の一部を確保している。そのような契約は、取締役会の正式な承認を必要とする。これらの契約による合計収入は、年間収入の30%を超えてはいけない。
 GreenFactsの独立性やイメージを侵害すると感じるような財政的支援は受けない。
 財源表はWeb上に載せる。
 総会に承認された後、歳費会計は、年次報告書の中でオンラインで公表される。
4-3.パートナー
GreenFactsのビジョンを共有していたり、GreenFactsのミッションに貢献できたり、GreenFactsが目的を達成することを支援したりするような、様々な組織とパートナーシップを確立している。
 それと引き換えに、パートナーの組織に様々なメリットを提供している。
 
GreenFactsは2種類のパートナーの組織を持っている。
・ 財源のパートナー(Funding Partner)
:金銭的援助をするような、公的な組織と企業の組織
・ 協力するパートナー(Collaborating Partner)
  :特定の活動に関して協力する
これらのリストは、http://about.greenfacts.org/partners/index.htm#fundingに載っている。公的なFunding Partnerは3つ、企業のFunding Partnerは9つ、Collaborating Partnerは23個ある。
また、GreenFactsは、IUCNとConservation Commonsのメンバーである。
4-4.独立性
GreenFactsは、以下の3つの手段によって、組織の独立性と公表物の公平性を確立している。
1. マルチ・ステイクホルダーによる管理
 GreenFactsは多様な背景を持つ個人によって管理されており、このことにより、特定の利益?(specific interests)からの独立性を確立している。
2. 多様な財源
 GreenFactsは多様な財源を持っており、金銭の出資者からの独立性を保証するために、厳格な資金調達ルールを確立した。
3.公表までの過程
 それぞれのGreenFactsの公表物は、広く認められた科学合意文書を要約したものである。その要約が厳密になされており、文書に忠実であるということを保証するために、独立した専門化による査読や、科学審議会による最終承認などを含む、厳格な手続きの後に作成される。
Webで公表される研究トピックの件数は、年々増加していると言える。

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