Happy Money 講座・特別連載 エコマネーの驚異

投稿者: | 2000年4月15日

Happy Money 講座・特別連載

エコマネーの驚異 (その1)

金岡良太郎

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驚いた、と感じることがもう大分長いこと引き続き起こりました。お金がどこで誰によって生まれ、いつどのように使われまた悪用され、どんな状況で信用を失い消滅していくのか、驚きの連続でした。またお金が浄財として、どこで誰によって発行され貸し付けられ投資されてきたのか、ずいぶんと観察してきました。お金の驚異を経済や歴史の中で観察してきました。自然も大いに驚異です。驚きの連続です。火山の噴火や地震など地球本来の自然活動や、遺伝子の選択順応なども大いに驚異です。また人間が自然におびえたり、自然をコントロールした気になったりするのも大いに驚異です。自然とお金の驚異が「エコマネーの驚異」というお話しの中身です。「エコマネーの驚異」が企画する内容は、自然とお金の進化や循環をじっくり見届ける観察記録です。同時に今を見据えて未来を眺望する自由な連想です。
ビデオ版「エコマネーの驚異」を制作中です。語り部としてお金や自然やコミュニティーの話を随分とお届けしてきました。メディア通信技術機器が身近になってきたので、できるだけ自分で電子出版・通信放送をやってみようと思います。まず、「エコマネーの驚異」というビデオを創作してみました。土曜講座で4月にお話させていただいた際に、このビデオを紹介しました。

【Axiom:金言 】
金言とは格言・金句、仏の口から出た尊い言葉、の意。お金は語る、お金は正直に内容を示す、お金はアカウンタブルである、などの経験や歴史評価からお金に関係する金言を紹介します。
“Without democracy and openness, societies and businesses aren’t able to learn from mistakes and come up with creative solutions for the year’s ahead.”
Karl Popper
“直接投票・代表や情報公開なくば社会経済は失敗から学べないばかりか将来に向けて新機軸を提示できない。”

Karl Popper は政治・社会哲学者です。直接民主制や直接投資・直接金融なくば、我々は多くの面で失敗すると述懐しています。エコマネーとは直接投票・直接金融を実現するお金です。直接制のメリットは、隠し立てせずに状況や利害を把握することで、各人が責任と倫理を意識し、問題改善や改革に参画できることです。一方デメリットは、各人が知りすぎると各人の理想や利害が衝突し紛争処理や調停に大きなコストがかかることです。直接参加のメリットと調停コストのデメリットの比較で具体的制度が決まります。そして直接制・間接制の相対成果が大きく断絶した形で現われます。
直接参加型では、調停コストとは必要社会コストだと認知され裁判など公正プロセスを広げます。一方間接管理型では、調停コストが社会的に有意義でなく個人の幸福にあまり寄与しないとして、事前報告を割愛し大儀や体制や制度を根拠に包括的処理を誰の責任か明確にしないまま
執行します。どちらが魅力的かは個人や企業組織や国家の自由選択ですが、金融財政事情が逼迫してくると選択の自由は狭まります。
新しい教育制度や年金行財政や医療保険など変革が必要な時代には抜本的改革が導かれます。環境問題が引き出したのは、抜本的改革の未来像であり直接参加のメリットと間接統治のデメリットです。中央銀行や大規模銀行が間接管理してくれるお金より小規模直接参加型のお金のほうにメリットがあると問い直すことで、地域通貨・エコマネーを発行しその意味と驚異を実感しました。国家選定の教科書や指導要綱での学校教育よりもっと大切で役に立ちやりがいのある学習を竹林舎研究部会(著者主宰の研究会)の現場でやってみて、その意味と驚異を実感しました。大規模病院や国家選定薬剤医療よりもっと身の丈で納得できる代替自然療法をセルフケアと称して自ら実験し、その意味と驚異を実感しました。環境行政やISO14000シリーズよりもっと直接的参加を優先した自主的エコライフで持続可能性をチックできる気がしてきており、その意味と驚異を実感しました。これらの意味と驚異を超古代の歴史舞台とイメージを重ね合わせ、縄文ケルトというイメージトレーニングを経てエコマネーは今日に到りました。
参加型でアカウンタブルなお金を現代社会の複雑多層の貨幣経済から抽出する作業をすすめています。ヒトゲノムのプロジェクトが、数十万の遺伝子情報を解読し意味ある遺伝子の役割を開発したり適応力を発見したりするのと似ています。私見ではゲノム情報にあまり期待していません。生命や適応力はデジタル情報で操作したりデータベース化するには不確実性と揺らぎが多すぎるからです。適正規模(小規模)で透明度の高いエコマネーを抽出したり注入したりする作業は、アカウンタブルで自己再生力があり直接自治型の企業や国家や通貨制度を検索し投資するファンドマネジャーの仕事とよく似ており、エコマネーと投資運用・直接投資は双方とも縄文ケルトのイメージと重なり合いました。

【Keywords :エコマネーをめぐるキーワード 】
A. 地域通貨
B. 自然通貨・環境通貨
C. ゼロ金利通貨・マイナス金利通貨
D. 社会的倫理的経済
E. 電子決済通貨(E-Money)
F. オンラインバンク・ディスカウントブローカー
G. 電子政府・財政自立
H. 直接投票・直接民主制

【 Frequently Asked Questions :よくある質問 】
①エコマネーのエコとは何ですか:
エコロジーのエコとすれば取っ付きが良いでしょう。エコロジーのエコはギリシャ語の”oiko”を語源としており、エコノミーも同じ語源から来ています。エコノミー(経済)とエコロジー(生態・環境)は古来同族です。”oiko”の語源的意味は「家」です。経済活動も例えば資本主義生産システムの場合、家内手工業から始まりました。家の中から始まったことになります。生態・環境問題も地域生命や地域文化の循環創造活動から始まっています。地域を「家」と理解するなら生態・環境は家内生命・文化であると見なすことが出来ます。地球を「家」と見なす地球環境博愛主義や農山間村を「家」と見なす地域環境繁栄主義などもあります。家から始まるエコノミーとエコロジーを「エコハウ ス」として、家と家をならべることで強くエコを意識することも可能です。環境住宅にはエコノミーとエコロジーの伝説が組み込まれているような気がします。一方、Eco と英語を使うと一層含蓄ある世界が広がります。電子(Electronic)と家族付き合い同然の社会(Community)の組み合わせである電脳共同コミュニティーは、エコマネーにそのまま直結していく概念です。また、効率的(Efficient)な家内事業体(Company)の組み合わせである小規模地域企業は、エコマネーが描く適正規模の最適技術を生み出すもう一つの経済環境です。また、環境(Environmental)を意識し行動する情熱(Compassion)はエコマネーの精神文化だと言えます。

②電子通貨(E-Money)とどう違いますか:
Eco マネー とE-マネー は縁戚関係です。電子コミュニティーのお金を Eco マネーと定義することも可能です。電脳ヴァーチャル会社(カンパニー)のお金を Eco マネーと規定することも十分納得が行きます。電脳カンパニーの発行する債券や株式を広義のお金と捉えて Eco マネーと呼ぶことも正当です。電子通貨の発生と技術革新の背景には、現在のお金に対する批判や問題解消という目的意識が含まれています。この点もエコマネーの意義・目的と同じだと考えます。目的意識の一番目は、国家財政と一元化した今日の国民通貨制度が巨大すぎて身動きが困難になり、改革が進捗しにくい状況に対する自主的作業です。地方や都市スラムなどでお金が抜け落ち逃避してしまう状況があげられます。環境経済や地域経済に自主的小規模のお金の流通や投資が根付かない点を改善しようとする目的意識です。二番目は強大な国家財政金融に不健全な経営状況が組み込まれており、過剰債務・不良債権・無理な低金利政策などを明確にディスクローズして修正淘汰させることへの意気込みです。三番目は個人や家族経営や地域事業の自立活性化を促し支援する目的意識です。英国のLETS(地域経済信託制度=自主通貨交換)やニューヨーク州イサカでの時間ドルなど、電子決済することを当初から前提にしており、電子通貨は簡易制度であれば厳密な認証プロセスを省いてしまい、顔の見える範囲内で簡単に交換できるのです。エンパワーメントとエンプロイメントを同一視して個人のトレーニングと技能が自発的雇用関係に育っています。エコマネーをめぐる通信技術と通貨決済革新が電子通貨として企画化した、と考えてよいでしょう。

【 Project & Scheme:企画プログラム 】
①時間通貨ローン:
施設建設目的など具体的プロジェクトに有効なエコマネー(時間通貨)による貸借プログラムです。エコマネー企画情報センターなど具体的施設建設にあたって建設資金調達のためにローンを組みます。ただし国民通貨でローンを組まずエコマネーによってローンを発効させます。エコマネー企画情報センターが1000時間分のエコマネーによるローンを銀行(都市銀行・信用組合など)と組みます。1000時間=百万円と了解し合い銀行は百万円分の建設事業へ信用付与します。この場合、請け負い建設事業体はエコマネー(時間通貨)で受託しても日本円で受託してもかまいません。エコマネーで受託した場合、建設作業員にエコマネーで給与を支払います。作業員はエコマネーが街で使える場合、エコマネーで給与をもらっても日本円でもらっても変わりありません。このプログラムがうまくいった例としては米国ニューヨーク州のイサカのタイムドルがあります。作業員など街の労働者がタイムドルで消費できることが前提です。つまり地域交換制度が出来上がっておればファイナンス関係が可能になる点が魅力です。成熟した地域経済信託は地域通貨によるローンを可能にするといえるでしょう。エコマネーによるローンを受けた借り手は時間通貨で返済することも日本円で返済することも可能です(次ページ図参照)。■(次号に続く)

 

Happy Money 講座・特別連載

エコマネーの驚異 (その2)

金岡良太郎

エコ(Eco)という用語を新たに家づくりや地域開発(コミュニティー・ビジネス)に重ね合わせることができます。具体的にはエコ・ハウジングという概念・言挙げということになります。今年2000年9月に米国カリフォルニアを視察し、コハウジング(Cohousing)の現場へ往訪し創設者や居住者と短期間ながら生活を共にしてきました。成長率の観点から見ればコハウジングは躍進中(ブーム)です。絶対所帯数はいまだに極めて少数ですが(現存コミュニティー50前後、建設中コミュニティー100で各コミュニティーは20人から数百人が大勢)、注目度・ウェブサイト検索件数・実態調査往訪度数など、影響度・革新度・信頼度・将来性は期待の域を出て社会形態・政治運動・経済開発の段階へ進化してきています。

私たちの夫婦の結婚生活はエコウェディング・エコライフ・エコハウスとエコを中心に設計実践してきました。エコロジーの比重の高かったエコが今日では効率的コミュニティー(Efficient Community)へ進化し、エコロジーとはその根元が効率性・コミュニティーにあったのだ、と信奉するようになりました。エコロジーは生態・節約・循環・長期性・持続性・相互関係性・外部経済相互シェアーなどがその内容です。かつて経済性・金融投資勘定と隔離断絶したエコロジー運動が中心だったのですがその後成長進化し、最近では資産管理・財産保全・長期投資と融合したエコロジーへ変態し、エコロジストの多くが資本市場・金融取り組み・モーゲージ金融などを駆使したハイブリッドエコバンカーへ進化しました。

特に今回のエコロジスト集団との面談では株式・債券・不動産投資信託・フィナンシャルプランニングなどが具体的に議論の内容となりました。経済と環境問題の融合はエコファンドの実験や”Natural Capitalism”(Paul Hawken、Amory Lovins、 L. Hunter Lovins)の人気が示しています。竹林舎が研究提言した”Industrial Ecology”(我々以外にも著者研究者多数)も効率性=節約=持続性循環性と連結しました。そこでエコロジーは効率的コミュニティーあるいは効率的企業(Company)として、E-Co(Efficient Community)にくるめられてきています。私がグローバルポートフォリオ運用でエコ運用をしているとか、社会的倫理的投資を実践しているとか、という自己紹介に対し、エコロジストたちは批判的攻撃的にならず、当然であり、エコロジーは実態社会経済と乖離していないし、エコロジーは金融資本の理論を学ばなければならないと意欲的なのが印象的でした。日本の実状とやや異種です。コハウジングでもエコヴィレッジでも、彼らが一層金融資本市場と連携したい様子が伺えます。その背景は①CDC(コミュニティー開発事業)の浸透で金融ビジネス当事者意識が生育、②エコロジストが自ら信奉するエヴェント企画・商品サービス・教育布教などを志す場合、必然的にコンピューターやオフィ-スなど使うこととなり、またそれら動産・不動産を所有することとなり、個人所有による責任と義務を研鑚するにつれて金融資本の当事者となったこと、の二点が目立ちます。個人所有こそ万物との相互姿勢を崩す元だという否定的見解は後退し、自然法による自己責任がエコロジーだとする思想です。この点、日本・欧州と精神構造の乖離は明確で、環境会議などで日欧と衝突する米国像が目立ってきました。私は日米双方の思想とも有意義な面があると考えますが、現代の地球(市民)の民主的(過半数)主張は米国サイドにあると考えます。

米国の魅力は問題を隠さずディスクローズする心のあり方です。政治も銀行も科学も米国が優位です。日欧はある意味で別世界にあり多分大きく劣後しています。エコを効率性=持続性へ還元する仕組み創りに奔走する米国と、いまだそこへたどり着けない日欧の双方を私たちは見守りかつ協賛しています。どちらも有意義であり面白いからです。米国で興隆するコハウジングをエコハウジングとして提案・助言する役割を担ったと使命感を感じます。

【 Axiom : 金言 】
“Currency & words : both works under designated contract & rules within a bordered territory.
Therefore private money & words are meaningless. Money & words must be public.”
by Kevin Jackson

通貨と言葉は一定の取り決めの中で有意義なものとなる。従って内輪の通貨と言葉は無意味であり、公開されなければならない
この格言は疑いの余地のほとんどない名言です。自分だけに通じる言葉をいくら努力して公言したり発表しても読む人や聞く人に理解してもらえません。通貨も同じで、いくら自分だけに価値ある通貨(硬貨・紙幣・電子通貨・エコマネーなど)を主張しても贈与しても、受け手はまったく評価してくれないことがほとんどです。通貨と言葉は公用性が不可欠です。従ってせっかく手にした言葉や通貨をどのようにすれば公用性を含み有用に転換できるかが鍵になります。いいアイデアがあるのに理解してもらえない場合や、リスクをとって能力を活かして手に入れた通貨が受け手に喜ばれない場合があります。言葉と通貨は情況がその魅力と有用性を握っているといえるでしょう。その結果我々は今という環境状況にフィットした言葉や通貨を交換し合うことになります。そして状況変化に応じて無用となる言葉や通貨はいくつでもあります。
言葉と通貨を有用にしていく努力・戦略にはいくつかのかたちがあります。

① 権力・暴力・魔力・催眠力 : 過去も現在(未来)もこれらを駆使した涙ぐましい努力が展開しています。昔は掟(おきて)などと称し物質的・精神的抑圧で統一言語や通貨が執行されました。現代でも姿を変えて権力・暴力・魔力・催眠力が援用されています。
例えば中央銀行や大蔵省・財務省は良識と知識のある指導者だという見えない説得力。100年単位で金融投資理論を研鑚すると、為政者による貨幣の独占は中立でなく柔軟性に欠け、危機遭遇時に適切な措置が為されたとは言い難いのです。1930年の米国の金融引締めや1990年代の日本の銀行保全措置(不良債権先送り)などです。日本銀行券に惚れ込んでいる日本人は魔力と催眠力に翻弄された人々かもしれません。中立で自然な通貨を求めてオーストリア学派やシカゴ学派には、非国有化の自由通貨を主張する学者がいます。エコマネーのパートナーたちです。
② 株式価値 : MicrosoftのBill GatesやSoftbankの 孫氏は情報通信技術革命を蓑に自社株の価値を最大限引き上げようとしているようです。自社株を自分の言語や通貨として統一したいと夢見ているようです。中国の隋や元の統一など言語と通貨の統一が墓標となります。インターネットの寵児たちは自分たちの墓標(名誉)を創り終えたのでしょうか。終わっていません。立ち止まったらおしまいになるからです。中国の元や宗は株式価値を利用した統一を果たしています。現代で言えば新規公開株という宝の山(に見える)会社を公開し(一般有用性=コモン言語・通貨)、持ち株会社はどんどん裕福になるという手法です。しかし恐竜となった国家や企業は環境変化(隕石落下など)に適応できず、小型企業(動物)に席巻されました。パソコンのOSから携帯端末へ株式価値がシフトしていくのとおなじです。株式価値もかたちを替えた権力・暴力・魔力・催眠力と解釈できます。
③ コミュニティー : 竹林舎はこれに賭けました。エコトピアという拡大家族・地域経済・適正規模市場を推進しながらエコマネーを使えるモノへしようと励んできました。最近では今日は時間距離を限りなく透明に近いオンラインという魔力に委ね、LETS.comと称するインターネット電子通貨決済に進化しました。
資本論で有名なマルクスは生産構造・関係が歴史社会構造の原動力だと考え、生産関係と直結した貨幣・信用・資本をイメージしました。日本では1890年―1970年頃まで有用な経済理論だとされました。中国では1930年―現在でもある程度有用だと考えられているようです。ケインズもマネタリストも全盛期と衰退期を経験し、普遍的真理は経済学から追放されたかのような気もします。極めてシンプルな一般理論が残りました。比較優位原則(自由貿易の優位性)などです。これすらフェアトレード論で糾弾され肩身の狭い経済理論となりました。この肩身の狭さは現状のエコマネーの肩身の狭さに匹敵します。エコマネーは経済学に追いついたのかもしれません。

【 Keywords : エコマネーをめぐるキーワード 】
地域通貨
国家独占で発行されている国民通貨に替わる(代替する)小規模の通貨。現在の中央管理通貨に並列する地方分散自由通貨を旗印にしています。1970年代のグローバルインフレ環境下、管理信用通貨に替わる自発的・自立的・循環的・透明質・市民自主管理的な通貨が期待されました。その後、中央銀行も研鑚して持続可能な通貨を創設すべく財政規律と金融政策の透明性を確保したので国民通貨も寿命を延ばすことになりました。特に脆弱な国民通貨が日本円と欧州通貨です。米国の時間通貨や英国のLETSが地域通貨の適格性を担保しており、貨幣の進化の歴史に有意義な実験が展開しています。モノ(金属通貨)からソフト(オンライン預金・証券)へ進化した貨幣が偏重をきたし、修正する思想が地域通貨運動の目的の一つです。グローバル通貨とローカル通貨が混合し始めました。グローバル通貨は欧州統一通貨や米国ドルにリンクしたアジア通貨やドル化した南米通貨などです。ローカル通貨は預金貸付通貨としてのマイクロ・ファイナンスや英国のLETSそして米国のタイムドルなどが上げられます。ローカル通貨はニュース性にいまだやや乏しく、グローバル通貨の大胆かつラディカル性に押された形になっていますが、進化する経済学や貨幣学の論壇では、目覚しいローカル通貨の躍進と挑戦に厚い注目の視線が注がれています。
ミレニアム革命:家父長制=夢商い金融宗教の超克(過去1000年の過ち)
過去1000年の清算を展望しております。エコマネーの驚異により過去1000年の逸脱を修正する必要があります。過去1000年間の逸脱とは、家父長制です。男尊女卑の1000年間の正常化です。日本でも欧州でもほぼ同時に1000年前頃から男性中心の社会政治経済が展開し始めました。家父長制の背景と進行事由は生産能力への信奉です。男性および男性主導組織は農業や軍事安全保障や物流金融でリーダシップを発揮しました。男性は女性より生産的であり、富の創造と保全に機能的かつ効率的であると信仰されるようになりました。その頂点は日本では戦国時代(16世紀:日本は武器保有に関する限り世界最大の軍事国であった)であり、欧州ではルネッサンス・宗教革命・産業革命でした。地球環境意識・少子化高齢化・情報通信革命などは家父長制の基盤を弱体化させ新しいパラダイムを必要とさせていきます。しかし視点を変えて、持続性・循環性・再生産性等を生活・生産システムの基準であると信仰し直すと、母系社会が思い出されます。日本では縄文社会、欧州ではケルト時代が思い出されます。エコマネーとはミレニアム(1000年紀)の歴史的循環と改革を刻む深淵で神聖な夢であると考えられます。夢商い人としての男性が深淵で神聖な夢(縄文ケルト=> 母系社会=> 所有より使用=> 蓄積より交換)を格安で世俗な現実に還元してしまいました。夢(貨幣・財政)の大衆化・世俗化は民主主義という信仰を担保として大きく発展しました。民主主義という薬剤で夢を創ったやり方への反省から、粗野で大地の法則に見合った原始的・自然法的な改革が本格化してきています。米国の教育改革・減税と慈善団体登用・コミュニティー創生などです。民主主義政府は全員に画一的サービスを提供したり受益基準を画一化しており、不適切であると今年2000年の大統領選挙で抜本的改革へ歩み出しています。標準化思考の政府に替わって、非中立的で目的限定的な宗教団体等に公的サービス受益者の選別を行うなどの方向転換が始まっています。すべてのホームレスピーピルに同じ補助金を使うのでなく、宗教団体に受益適格性を選別させるといった手法です。PFIの手法が社会保障や教育や医療保険などに広がっています。目的限定の通貨であるエコマネーが広範囲で展開し始めているのです。エコマネーの驚異の一こまです。

【 Project & Scheme :企画プログラム 】
②スクール・ヴァウチャー:米国カリフォルニア州・ウィスコンシン州などで実験され始めたクーポン制度です。親子が教育の質を授業料に映し出すという消費者・学習者主導の価格設定制度です。米国の公的教育の退廃を改善すべく消費者側が質改善を自己責任で突きつける手法です。教育という聖域に市場原理一辺倒でよいのかという批判も多いようです。いずれにせよ米国の 1/6 の初等教育サービスが市場原理で提供されることになしました。エコマネーの驚異としてこの制度を賞賛する理由は、直接投票が教育現場で深く浸透してきていることです。
③ヘルシー・マネー: ヘルシー・マネーは買ったり投資したりする対象物ではなく、お金の状態・性格・品質を意味する抽象名詞です。事際には触れたり保有できないという形態から見て夢のようなもの、夢通貨といえるでしょう。人間はヘルシーでなければ長生きできません。長生きする人は、たとえ見た目で障害や病気を持っていたとしてもヘルシーだと定義することにします。ヘルシーであるかどうかを決めるのは大部分、自分自身の生き方・選択・信念です。従ってヘルシーな人は、自からがヘルシーな状態・性格・体質を創造し選択し信念を持っていると考えられます。エコマネーの驚異の一コマは、お金もヘルシーであるかどうかで寿命が決まり、お金の状態・性質・品格はお金自体のヘルシー度合いと符合していることです。お金のヘルシー度合いをかたどるのは、お金を発行する人・お金を流通させる人・お金を使って生活する人・お金を投資財産として運用する人などのの生き方・選択・信念です。ヘルシーな人が使ったり投資したり発行したりするお金はヘルシーである、という発見がエコマネーの驚異なのです。ヘルシー・マネーは自然の摂理に従う、大地の法理に呼応している、真理や倫理と密着している、という発見もエコマネーの驚異です。過去200年ほどアメリカ人は一貫してヘルシー・マネーを模索してきました。日本・ドイツ等はヘルシー・マネーを逸脱することが何度もありました。英国ポンドと米国ドルその他カナダ・オーストラリア等がヘルシー・マネーです。何故英米等ではヘルシー・マネーが継続しているのでしょうか。失敗や過ちを放置せず、世間に隠さず公表することが正義だと信じてディスクローズする伝統とルールが続いているからです。恥の文化は風流ですが、恥の経営や戦略はヘルシー・マネーを遠ざけます。体調が悪いのに過労状態を続けたり、飲酒喫煙で気分の悪さを流してしまう生き方は、あまり持続的ではありません。一方、ヘルシーな飲酒・喫煙をする人はよく90歳以上長生きします。ヘルシーだからです。ある人に向かってあなたはヘルシーでないとか、ある国に対してあなたの国はヘルシーでないとか、助言するのはあまり快いことでなく、各人の自己選択に任せることもヘルシーな生き方です。ヘルシーでない日本やドイツなどでは、ヘルシーに自己選択を寛容の目で見ず、やたらと干渉し規制・統制します。現在、ヘルシー・マネーがどこにあるのか、段々見えてきました。私はヘルシー・マネーを自分の周りに意欲的に植え付けています。投資運用やコミュニティー開発や女性の活躍支援や環境重視の生活で。

【 Mountain Man & Healing : 山人とヒーリング 】
いつまでたっても、いくらお金を増やしても、いくら消費やレジャーを重ねても満足できない病理が見受けられます。幸福と満足そして達成感のある生き方が求められています。エコマネーの驚異の一こまは山人の逞しさヒーリングの効果です。具体的な山人のイメージは日本では、縄文人・エミシ・アイヌ・源氏等であり、グローバル視野ではケルト・ヴァイキング・ノーマン・宋と元・アングロサクソンなどです。山人たちが使っていたお金がエコマネーと共通点が多く、驚嘆の連続です。共通項の一番目は分権地域主導の民間通貨である点です。中央集権国家管理の財政・通貨は持続性が短いという評価は哲学者・経済学者(アリストテレス・ゲゼル・ハイエク・フリードマンなど)が示しています。分権地域通貨が完璧ということでなく、自然現象に近いので暴走が回避され自然淘汰されやく、次世代通貨へ通貨遺伝子情報が伝達されやすいということです。中央集権は計画経済に近く地域分権は市場経済に近いと言えるでしょう。山人の使うお金は天動説的であり、自分と今ここの自然環境を大切にしており、他者による相対評価におびえずマイウェイであり、権力体系にまとわりつかずにホリスティックなやり方で自然や市場全体と同体化した自分を見つめ輝く、といったエコマネーの本質を示してくれます。エコマネーをヘルシーマネーと呼ぶ背景がここにあります。

 

 

Happy Money 講座・特別連載

エコマネーの驚異 (その3)

金岡良太郎

【 Axiom: 金言 】
“Money is a fiction. but a fiction is not money”
by Kevin Jackson
貨幣は架空の物語のようなものだ。しかし架空のストーリー
だけでは貨幣にはなれない。

お金は、はかなくも短命であったり、突然革命軍によって廃棄されたり、市民革命によって引きおろされ役割を閉じ新しい物に替えられてきました。現存する貨幣で最も長命のものは英国ポンドです。ポンドという言葉の形容詞的意味は「純正の」「本物の」です。928年のグレイトレイ法令以降断続していないのがポンドです。ノルマン(デイニッシュ:現在のデンマーク人)の侵入に対抗して英国軍を編成するに際して貨幣を王権で発行し、兵士への報酬や軍備資材調達に王権の旗印で通用することになった貨幣がポンドです。ポンドは米国ドルよりインフレ率が低く安定した通貨でした。今世紀を除けばポンドは最も安定した価値を刻みつづけてきました。1000年以上の歴史のポンドと200年前後の歴史の米国ドルを除けば貨幣はまことに短命であり、架空の物語のようなものです。しかしジャクソンが上記のごとく語るように、架空のストーリーだけをもってしても貨幣は成り立ちません。架空のストーリーと周到な根回しと文明のエネルギーおよび目的が必要です。科学や技術や文化芸能がそれぞれのポジションを担うことで、根回しやエネルギーそして目的はインターアクティブに可能になります。
もう維持するのが不可能だと大多数の人が感じるようになると、今までの有用で信用され宝物だった貨幣は架空のような物語だったと酷評され、怒涛のように外国通貨に為替市場で交換され、そして忘れ廃れます。日本の年金(制度)は大多数の人が維持不可能だと感じています。現在部分的に国民共同体として貯蓄(拠出)し、将来各人が約束された年齢以上になれば給付される貨幣が年金です。年金は貨幣の一形態ですから「架空の物語のようなものだ」のケースに当てはまります。「架空の物語度」という指数を使ってどの程度各々の貨幣が持続困難なのか展望してみましょう。

①架空の物語度60%=日本の年金・イタリアの年金・ドイツの年金・大半のアジア通貨・日欧の株式市場など
これらは次の10年間で大幅制度変更がない限り存続困難です。日本の年金の場合あと5年で年間収支が赤字になります。赤字自体は維持可能ですが、一般財政に編入され国家財政が既に未来展望を描けなくさせるほど無理な債務管理構造になっているので全滅の予感がします。エコマネーの驚異(LETS)による個人による自主再建に準拠すれば展望は開けます。
②架空の物語度40%=最近のゲノム解析期待・日本でのIT技術革新・欧州統一通貨など
これらは場面によっては魅力的で確定的な努力目標にも聞こえますが案外脆弱な構造によって何とか保たれています。遺伝子情報の解析が進展するのは自明だとしてもその利用や意義は不透明です。個人ベースのカスタム医療は進展するでしょうが、幸福や倫理の現場では遺伝子を知ることに拒絶観があります。誰それが60歳で悪性腫瘍が原因で死ぬ確率は30%である、というような診断を告知することの幸福・倫理の問題です。知らない権利・知らせられない権利も人権の一部だからです。日本でIT革命は起こらないだろう、と評論活動しています。集団横型(平等)の社会ではIT技術の新規性・有意性はほとんどありません。個人縦型(競争)の社会の最適化にIT技術が有効なのであり、生産性が拡大し高度経済成長やコミュニティー連帯が強化されるのです。日本社会の特徴と利点を学習し応用しグローバル企画に育てたものがIT革命だと考えます。従って日本はIT技術で開花せず、自己確認と自己嫌悪が展望されます。IT技術が学術・医療・金融であまり活用されず、携帯電話ネットに逃げ込んだ市場経済に日本の劣位性が散見されます。ドイツ国内と欧州全般の劣位性を積極的に解消するための政治的決断だった統一通貨は不自然さを引きずっています。強すぎるマルクを放任したことが継続的なユーロの下落へと審判されました。
エコマネーの驚異は、これら通貨・経済・技術などを中立的に見通させてくれることです。エコマネーという自然の原理の沿った非人工の生の価値を据えることで、持続的なもの・魅力あるもの・定常状態にあるものなどが徐々に見えてきます。架空の物語度が政治経済の魅力度・持続度を計る物差しになります。同様に毎日の購買生活での消費基準・判断の物差しになります。そして時間や空間の相対尺度を超越した絶対的な価値が欲しくなる頃、ヴォランティアや他利主義などへ誘われているのでしょう。その時エコマネーが自然に発行され流通し価値尺度になっているのです。英国のLETSや米国の時間通貨など自然に発生した物であり、かつ過去数千年の貨幣の歴史を走馬灯のように発生・拡大・消滅するプロセスとしてわれわれは同時代人として観察しているのです。地域通貨も現在巨大な国民通貨も、発生・拡大・消滅という同じサイクルの中にあります。架空のストーリーだけでは貨幣になれないその現場を毎日新聞やニュースの中に見守っているのです。古銭収集家がコインや紙幣などを通して歴史を楽しむのと同じ事を我々は毎日の生活の中で半ば無意識に行っています。例えば世間でIT関連の株式相場が高騰しているときに、何か嫌悪感を持ち株式市場に参加しないという行動です。遺伝子操作の薬品や食糧に何か嫌悪感を持ちそれらを避けるという行動です。土曜講座での大学改革や博物館見聞という行動です。

【 Project & Scheme :企画プログラム 】
④地方税(自主財源) 税金は国家規模で徴収し国家規模で計画配分し、地方自治体は財政支出の最終チェックと利害調整に従事すればよい、とする中央財政主義は日本・英国などで目立ちます。徴税費が最小化され、地域間格差が改善され(水平平等)、ひとつの日本を実現するためには効果的でした。しかし各家庭が平均的に所有する財の品目種類が1万種におよび(米国は6000前後)、趣味や教養の分散状態が現状のように多様化すると、ひとつの日本や中央財政主義は障害になります。画一的公共事業や統一的教育事業や同質社会福祉(年金・医療・介護)は魅力なく、卑屈に運用され、いかがわしくかつ無常に空虚であり、くすぶる不満と不信感に翻弄されつつあります。なんとなくいやな社会、希望が抱きがたい経済、無関心を決め込みたくなる政治など、制度的欠陥あるいは構造的限界を抱えた今の日本で、中央財政主義が攻撃すべき標的へと胎動しています。エコマネーに関する社会的関心と自主的行動も、地方税・自主財源開発への憧憬が基礎にあるようです。もし貨幣発行の権利を各自治体が獲得するなら、住民は自ら進んで新しい自前の税金や地域保険制度を作ることでしょう。自分のお金が自分の価値観に沿って使われるべく資金がプールされるなら、その資金は政府の財政資金でなく市民の資金つまり自分たちのお金ということになります。財政民主主義の建前では、現行の国家に支払う税金や社会保険料などは市民の資金として運用されていますが、官僚機構・政治機構が市民から遠くにありすぎて自分たちのお金だとは想像できません。ここで注意しなければならないのは、本格的貨幣発行自由はほとんど不可能だということです。ポイントは二つあります。(1)エコマネーなど自主貨幣は決して公式貨幣でなくクーポン・トークンと定義されていること:クーポン・トークンは税金・補助金・社会保障給付と断絶した財であり、国家権力・通貨独占権・財政金融監督権と隔離したオルターナティブ(代替財)であること。ただし国家という構造も絶対的確定事象でないので、国家が解体したり分散したりする中で地域自主貨幣は技術的にも自主管理促進の目的からも正当化される。エコマネーの浸透は国家独占や国家財政の後退と並列関係にある。(2)エコマネーが貨幣たるべく生成発展する場合歴史理論的にいくつかの普遍的要件を克服しなければならない:第一に万物と交換されうる資格・威厳(Fungibility)を持たなくてはならない。特定地域・特定品目のみに通用する貨幣は本来不可能である。中立性・公正度に見劣りし自己矛盾に陥る。これまで地域限定・目的限定でエコマネーを発行してきたが、記念通貨として自己満足する非流通ヴァウチャーであった。第二に無限の成長と拡散性を予感させるものでなくてはならない。貨幣は新たな参加者を期待し前提にした成長性を基礎にしている。マイナス金利で減衰系のエコマネーはマネーとは定義されない。

それでは貨幣発行自由が不可能だとするならエコマネーの実験や思想の意義はどこにあるのでしょうか。私は自由成長や無限拡大は生命・遺伝子に刷り込まれた自然なエネルギーだと捉えています。一方、愛情や他利主義や環境意識は倫理観であると定義し、自己抑制的・禁欲主義的・自己否認的なバランスエネルギーが潜伏していると考えます。従って、自然成長貨幣と禁欲主義的エコマネー(減衰系・マイナス金利・地域時間限定性)でよりよく生き、健全な心身を保てるのだと考えています。ヘルシー・マネーと表現しているのも、グローバル資本主義とエコマネーのバランス運用で自分がどんどん健康になるような気がするからです。
⑤病院通貨
米国ヴァージニア州東部のリッチモンド市にサンタラ・ケアセンターがあります。13000人の医療介護体操スタッフを抱えるこの巨大医療機関は健康・ケア・キュアを包括的にサービス(供給)する組織です。入院患者・外来患者・スポーツ選手・健康指導員などがイヴェント・ホールを遊山するように行き交っています。ここでタイムドル(時間通貨)が実験されました。関節炎の患者連合をエコマネーで組織しました。関節炎関連の病理では医師のプロフェッショナルな診断治療よりも、近隣人や同種の病理を抱える人々とのコミュニケーションが心の支えとなったり、自主的な快癒作戦を思いつくきっかけとなったりします。そこで関節炎を改善した元患者が現在進行中の患者さんのアドヴァイザーになり、時間あたりエコマネーをもらいます。現在の患者は将来のアドヴァイザーになっていきます。治療という共通目的だけに使われるタイムドルにより、この施設では関連医療費が70%以上カットされるにいたったといいます。医療診断・投薬などが節約されたのです。私はこの成果は関節炎だけでなく、多くの高齢者外来患者や入院患者に効き目があると考えます。病院医療だけでなく、介護・年金などの社会保険にも有効であり、財政支出や保険料は大幅に削減できると考えます。また学校教育にも有効だと考えます。年長生徒や理解が進んでいる生徒が仲間の質問疑問に答えるかたちでエコマネーを受け取り、ただ名誉に思ってもいいしそのエコマネーをプレゼントしてもいいし、学校内の市場(いちば)で商品購入に充当してもいいのです。
⑥エコハウス(内容紹介)

目 的・方 針
(1)エコロジーのエコの語源は”家”を現す”oko”であり、環境への取り組みは家を起点とする
(2)地球環境問題の取り組みにおいても、民生エネルギーの節約や効率化が重要事項である
(3)家の中における生活行動や生活方針が全体としての廃棄物・エネルギー消費・精神衛生への取り組みの起点となる
(4)家族との取り組みや地域コミュニティーとの取り組みが実践的かつ倫理的な態度の表明となる
(5)家の再定義と再生を通じて個人と家族と地域社会の健全化を図り、ホリスティック(包括的)ビジョンを提示する
(6)コハウジング(共同住宅)やエコハウジングという仕組みを通して明日への環境を創造する
具 体 的 な 活 動 情 況
●場所: 東京都世田谷区代田・山梨県北巨摩郡白州町・米国各地のコハウジング
●開始時期: 1986年8月(白州)、1991年1月(代田)、米国コハウジングは80年代から
●参加人数: 継続して実践している母体は二人、イヴェント参加者などを含めて数百人以上
●成果: 環境家計簿・環境企業会計(レポート)・エコマネー・自然誌・拡大家族などの普及と定着
●影響: 日本型最適家族・コミュニティーと米国型のものや欧州型など地域特性を反映したエコハウス発展
●数値目標: エネルギー・物質消費情況 = 電力・ガス・通信・移動・上下水道、所得・資産の価値や金額の検証 = 多すぎても少なすぎてもエコハウスに不適/リスク管理
●ネットワーク: オンラインを通じてグローバル展開(遠距離家族・経営・教育)現地視察や相互訪問で地域性を学び普遍的な合理性・効率性などを研究し助言経営し投資活動も
1.家族について:核家族が多様化し個人家庭や目的を共有する集団家族などが増加/結婚や子育ても夫婦核家族単位から複合家族や拡大家族へ変化/定年後の生活や介護生活も夫婦核家族単位から複合家族や拡大家族へ/環境問題の取り組みも複合家族や拡大家族へ
2.個人について:一人で判断し生活する自由と複合拡大家族で合理化・安全保障という便益の再構築/コハウジングにより個人の自由時間と自由予算は拡大しかつ他者への思いやりを実現
3.生活について:共同夕食(炊事の当番制)をベースにする ――エネルギー・食料消費を最適化/
共同書斎図書館やレジャールーム(風呂など)を敷設する ―― 設備・機械などを節約する/あくまで個人の独立性・尊厳を基礎とするので各人の部屋は設備完備(日本のワンルームマンション)
4.米国の現状:コハウジングに関する関心は傾向的に高まっている/個人主義をベースにした米国で家族・会社・コミュニティーを再定義する政治運動展開中/個人の合理主義に対して家族・会社・政府・コミュニティーが障害となったのが背景/住宅資産管理や地域環境保全という具体的目標に対してコハウジングが解決策の一つに/学校崩壊や医療福祉に対する不満を自助努力で克服するための自治・経営手腕として展開/環境意識は既に常識となり環境住宅などという目立たせる宣伝文句は不要に
5.日本の現状:コレクティブやコオペラティブ住宅などに関する関心は傾向的に高まっ
ている/個人と集団管理(保険)を同時満足させる企画が増勢だが自己責任がやや未定着/シニアホームなど先行しているが20歳台から40歳台をターゲットにしたものは稀有/中高年男性の家事炊事の能力開発が短期的な課題(アンペイドワーク改善へ有効)/エコマネーを発行流通させ複合拡大家族内でのヴォランティアに数値表示が有効/突き詰めて議論し自らリスクテイクする態度の習得にコハウジング建設運営は最適
6. 用語:コハウジングとは共同性を重視した複合拡大家族が住む大きな家/エコハウジングとは環境のエコと効率的コミュニティー(Efficient Community)の家
活 動 の 発 端、経 緯、今 後 の 展 開
きっかけ:地球環境問題への大規模な取り組みと並んで半径10メートルの大切さを感じたこと/環境金融経済研究の成果としてエコバンク・エコマネーを引き出し提言し実現したこと/結婚を契機に生活を中心にした環境問題や倫理意識に取り組み始めたこと
経過:(ⅰ)「無理しない、焦らない、強要しない」を三原則とし、遊びと戯れを巻き込んだ持続可能な経営。(ⅱ)持てる物や欲しい物をじっくり考え一旦中立的にその動意を放り出してみると案外要らない物に。(ⅲ)その結果精貧の思想にも似た身軽な生活環境を実現、全般的に小さ目の住環境に落ち着く。(ⅳ)身軽になると生産活動や情報通信活動が活発化し、現在多数の個人・企業・NPO・政府に助言。(ⅴ)環境問題への取り組みとは「家」を通して健康・金・価値を見詰め直すことであり改善することだと判明。(ⅵ)普通の「家」が家内工場(オフィ-ス)の生産の母体となり論文や助言を通じラジオ放送局のようなものへ。(ⅶ)医療福祉・学校・食料農場・銀行などの自主管理と自治を目標としたエコトピアを実験。(ⅷ)エコトピアでのエコマネーの発行回数は20回以上に。

今後の展開
Ⅰ 自主管理と自治をもっと強調していきたい
Ⅱ そのために具体的なセルフ・ガバメント活動を準備・企画している
Ⅲ 日本では各県や市町村を単位とした税制予算自治・地域環境債券発行・オンライン直接投票条例を目指す
Ⅳ そのためにルフ・ケア、セルフ・スクール、セルフ・ファーム、セルフ・バンクを整備・企画中
Ⅴ 医療福祉・学校・食料農場・銀行の自主管理と自治を創造する基盤としてコハウジングを開発
Ⅵ 世界各地のコハウジングへの運転資金を確保するリボルビングファンドを設立中
Ⅶ 一層多様なニーズに応える複合拡大家族のための研究を深め運営手法を開発
Ⅷ 一般的に過少評価されている女性への複合拡大家族経営やビジネス支援へ寄与する(エコバンク活動)
Ⅸ 既存不動産の再開発や新規建設事業への助言と経営参加を果たす(コハウジング投資信
託など)
そ の 他 ( 活 動 資 金 規 模、 調 達 方 法、な ど )
活動資金規模:具体的年間予算や目標予算など設定せず/現状年間2000万円未満
資金調達方法:投資運用助言活動・出版講演出演活動
コハウジングの運営内容
<規建設の場合>
計画段階:複合拡大家族に興味を持つ人が計画作りに参加/入居予定者は具体的な内装選択などを決定/設備や空間のデザインを調節/予算と費用を調整
建設段階 :一括委託せずに部分毎環境チェックしながら納得して建設/業者が引き受けてくれない部分は自分で作るなどの意欲が必要
<規建設および既存施設利用>
生活運用 自治のための議会と調停裁定機能を具体的に組織化する/ヴォランティア活動もコハウジングの職務と捉えエコマネーで勘定項目に

 

 

 

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