フードナノテクノロジーの社会的影響を考える報告書
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市民科学研究室は、2007 年11 月から開始された共同研究「先進技術の社会影響評価(テクノロジーアセスメント、TA)手法の開発と社会への定着」を、TA を実践する対象の一つとして食品分野へのナノテクノロジーの応用を取り上げ、フードナノテクチームを作ってすすめてきました(市民研の上田はチームリーダー)。この3 月で終了を迎えるにあたり、チームによるTA の実践の
成果を『TA Report』としてまとめました。
このチームでは、当初から国内外の動向に関する情報収集を行い、消費者問題に専門的に取り組む団体の方々とナノテクの専門家とを交えての「ワークショップ-フードナノテクの社会影響を考える」(2009 年9 月)を実施しました。そこでの議論を通じ、フードナノテクの安全性や管理規制のあり方、社会的影響に関して、さらに広範な専門家(研究開発、行政、企業など)による検討が必要だとの認識を深め、専門家パネル会議を2 回にわたって開催しました(2010 年5 月,6 月)。
この『TA Report』は、これまでに行った調査活動をベースに、この専門家パネル会議における議論で得られた知見を織り交ぜ、フードナノテクの現状と課題をまとめたものです。
食品分野におけるナノテクノロジーの開発と応用は未だ初期段階にあるといえますが、そうであるからこそ、今から様々な社会的影響に目配りして、議論を深め、開かれた検討の場を築いておく必要があります。潜在的なリスクに対応できるリスク評価手法はどう確立できるのか。安全性に関する知見が限られているなかで、情報収集や管理体制はどうあるべきか。消費者にはどのように情報提供すべきか。……
このレポートで、現時点での様々な課題を、広い視野と正確な専門情報に立脚して明らかにすることができたのではないかと思います。
市民研・レイチェル会員の皆様にはレポートの冊子を、ダーウィン会員の皆様には6 ページの見本を同封いたしました。全文はi2ta のホームページからダウンロードできます。多くの方々にご活用いただければ幸いです。■