科学館プロジェクト 内なる気持ち、はじける希望 それは果てしなく ~みんなでしあわせな科学館を創るために~

投稿者: | 2005年4月12日

科学館プロジェクト
内なる気持ち、はじける希望 それは果てしなく
~みんなでしあわせな科学館を創るために~
文責:古田ゆかり
doyou83_furuta.pdf
 11月22~23日にかけて開催されたワークショップ「21世紀型科学教育の創造」のプログラムに掲載されている、参加者事前アンケートがおもしろい。
 このワークショップは、科学館関係者や研究者だけではなく、科学館に興味のある人だれでも参加できるというもので、科学館関係者をはじめとする有志が組織する「21世紀の科学教育を想像する会」が主催したものだ。2回目を迎える今年のテーマ『生涯学習施設における科学コミュニケーションのすすめ』である。
 科学館PJからは、住田朋久さん、島田拓さんと、私古田が参加した。といっても私が事前に参加を知っていたのは住田さんだけで、島田さんは当日会場で、ばったり。なんだかうれしかった。
 ところでアンケートだが、「参加申し込みにあたり、各生涯学習施設の実情や参考者の認識・意見など議論を深めるため」(引用)に行われたもので、その回答がプログラムに掲載されているのだ。詳細な集計などは行われていないが、自由記述が多い分、無記名ながら立場や意識が浮かび上がったものとなっている。
 質問項目は、生涯学習施設職員向けと職員でない人向けに分かれている。
 職員向けは、1.あなたは施設の役割、機能をどのような事項だと考えていますか。2.成果はどのような事項と考えていますか。そのためにどのような活動を行うべきだと考えていますか。3.事業を実施する中で、どのような事項が阻害要因となっていますか、の3つ。通常のアンケート回答でありがちな「わからない」「どちらともいえない」などとは書きようもない、のっけから核心に迫る質問である。そして、施設職員以外の参加者に向けられた質問は、1.生涯学習施設の事業に主体的にかかわられたことがありますか。2.生涯学習施設についてどのようなイメージをお持ちですか。3.生涯学習施設はどのような役割を担っていると思いますか。又その役割を果たすために、どのような機能を果たすべき、活動を行うべきだと考えますか。4.生涯学習施設について問題点や改善点、要望など、の4本。「こういう集まりに参加するからには、何らか自分なりの考えがあるに決まっているでしょう」という強い意図を感じる質問。こちらも、「ただなんとなく」ではすまされない。
 職員向けに聞いた、「施設の役割とはなにか」にはやはり、「科学知識の普及」(科学教育の職員ですから)が圧倒的に多かった。そして、「調査研究」「情報発信」「科学のおもしろさに触れる」「理科の疑問が解ける場所」など。そして「2.その成果とは?」には、「理科好きの子どもが増える」「不思議に思う心を育てる」「人材育成」などに混じって、「お客様の目の輝き」という回答がうれしかった。もうひとり、「感覚的にはお客さんの満足した顔、お役所的には来館者数」との回答には、書いた人の志や人柄ときびしい現実や胸の内を打ち明けられたようで胸がきゅんとなった。今すぐにでもその人にあって、「いっしょにがんばろう」と言いたい気持ちがわき起こる。そんな気持ちに浸っていると、「3.事業の実施での阻害要因は?」の質問には、多くの人が、「資金不足」をあげている。そして「人材不足」。回答者は多く、前の質問まではバラエティに富んだ回答が並んでいたが、阻害要因になると口をそろえたようにお金がないと現実を吐露する。この質問を考えた人、タダ者ではない。しかし足りないのはお金ばかりではない。「市民の意識」「地域住民に科学教育のニーズがない」。がんばっている人ほど「もっとニーズがあれば」と思うのだろう。それは、「お客様の目の輝き」と「お役所的には来館者数」の両方を強化するものになるはずだ。「市民の意識」の回答にはつづきがある。カッコ付きで「これを改善するのもまた生涯教育施設の役割であると考えます」。そんなにひとりで背負い込まないで、と声をかけたくなる。
 施設職員以外の人に向けられた質問の「2.どのようなイメージを持っているか」には、「学ぶと言うより交流の場」「幅広い年齢層の人が利用できる」「発見と学びがある場所(希望です)」「楽しいところ」、そして「努力の割には社会的に活動が浸透していない」「一度見れば十分」「見せる工夫が足りない」「多くの施設が似通っている」など。どれももっとも。でもきびしいなあ。しかし一見批判のように読みとることができても、文面からはどれも応援歌のようなやさしさを感じる。「3.担っている役割、果たすべき機能は?」には、「科学に社会的な意味を持たせる」「現在進行形の科学を市民が考えるような活動を助ける」(あ、これは私の回答かも)、「大人の科学入門ができる場に」「アカデミックな世代間交流ができる社交場に」「生活に役立ち、精神的にも豊になれる、生活者が自己イメージを高められるきっかけやコンテンツを提供すべき」「市民研究施設として活動(する)」「科学と子どもと大人と学校と地域社会と世界と現在と過去と未来と幸せと……あらゆることをつなぐ場所。異種間をつなぐには円滑油になる人的組織が必要」。志も要求も熱く、そしてその天井は果てしない星空のようだ。立場や距離感、年齢、色は違ってもそれらが集まってそこに新しい星座が描けるように、2005年に向けて。
※文中の回答文は、『21世紀型科学教育の創造』プログラムより引用しました。いずれも同書に掲載されている表記のまま引用しています。)

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