出生前検査について今あらためて考える(2)

投稿者: | 2013年6月3日

<シリーズ「語る+聞く リプロダクションのいま」> 第3回
出生前検査について今あらためて考える
渡部 麻衣子 (日本学術振興会 特別研究員PD)

(その1)  pdfはこちらから→csijnewsletter_016_watanabe_201303.pdf
(その2)  pdfはこちらから→csijnewsletter_018_watanabe_201306.pdf

「出生前検査について今あらためて考える」(その2) ~冒頭部分~

はじめに
前回は、母体血中に浮遊する胎児由来のDNA断片を用いた出生前検査について解説した。この、いわゆる「新型出生前検査」は、日本産科婦人科学会の策定した指針に基づき、今年4月から全国21の医療機関で試験的に提供されている。5月10日に開催された日本産科婦人科学会では、提供開始から1ヶ月の間に30歳から47歳までの妊婦441人が受けたと報告された。 妊婦からの問い合わせが多く、対応に苦慮する現場の声も漏れ聞こえる。ただし、統計によれば、日本には年間約110万人を超える妊婦が存在し、このうち今回検査を受けたとされる30歳以上の妊婦はおよそ65万人弱である。 検査の対象となるのは、妊娠12週から18週までの約1ヶ月なので 、単純に計算すれば母集団は54000人である。1ヶ月の間にたとえ30歳以上の妊婦1000人が「殺到」したとしても、母集団に照らせば全体の2%にも満たない数である。つまり病院が対応に苦慮しているということが、即「多くの妊婦が希望している」ということにはならない。・・・

【以下、続きは上記のpdfファイルにてお読み下さい。】

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