巻頭言 クラウドファンディングの可能性

投稿者: | 2013年9月18日

クラウドファンディングの可能性
上村光弘 (市民研・理事)
日本には寄付の文化がほとんどなく、また銀行などに融資を頼もうにも、信用と担保がなければ不可能というのが常識です。しかし、ちょっとした事業を立ち上げたり、プロジェクトで社会貢献するといった数百万円以下の資金調達ならクラウドファンディングで可能かもしれません。
数ヶ月前クリス・アンダーソン『MAKERS―21世紀の産業革命が始まる』(NHK出版)という本を読みました。簡単に要約すれば、小規模なデジタル工作機械とネットの普及によって、小規模でも製造業を始めることが可能になってきたというものです。その条件の中でも「これは絶対日本では無理!」と思ったのが、クラウドファンディングでした。これは、Webを使って一般の人々から資金を調達するしくみです。米国では Kickstarter などが有名です。日本では投資家保護の観点から当面は無理だろうというのが私の感想でした。
ところが最近、日本でも存在することがわかってびっくりしました。いわゆる「投資」ではありません。そのプロジェクトが創り出すなんらかの「権利」を購入するという形になっているようです。たとえば、本をつくるプロジェクトで本の購入権。これは前金を払っていることになりますね。また、震災復興支援のプロジェクトで「感謝のメッセージ」やステッカー。これは実質寄付とみなせるでしょう。これらのプロジェクトは一定期間の間に資金を募り、目的金額に達することができたら、Webで支持した人々から資金が提供されるという形になっています。その期間に目標金額に達しなければ提供されません。目標金額は数千円から数百万まであるようです。中には、私から見てこれはちょっとどうか? と思われるようなプロジェクトもありますが、そのようなプロジェクトにお金を出したいという人は少ないでしょう。クラウドファンディングはプロジェクトへの投票行為と見なせます。
ネットになじんだ世代は比較的抵抗が少ないと思います。一方、詐欺に近い資金集めの可能性もあり、出資者の選択眼と情報収集能力も問われるでしょう。出資を募る側も、プロジェクトの実現可能性の担保とプレゼンテーション能力が必須です。みなさんは使ってみたいと思いますか?

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