ゲームで浮かび上がる地域の健康課題:ネゴバト津軽版(東目屋版)の実践報告
日比野愛子
(弘前大学人文学部、市民科学研究室科学コミュニケーションツール研究会)
pdfファイルはこちらから→csijnewsletter_029_hibino_20150312.pdf
生活習慣病は、まさにその土地その土地の「ローカルな生活習慣」と深く結びついています。都市部の会社員が直面する健康のジレンマ(板挟み)が、地方ではまったく当てはまらなかったり、逆に、地方ならではの悩みがあったり。市民科学研究室科学コミュニケーションツール研究会では、生活習慣のジレンマを取り上げて議論をするための対面型交渉ゲーム、ネゴバトを開発してきました。
このゲームでは、「わかってはいるけれど、やめられない」というような生活と健康のジレンマ状況をめぐって、誘惑者役のプレイヤーが、人間役のプレイヤーに「不健康な行動」をとるよう誘惑する仕掛けとなっています(※ゲームのあらましや開発の経緯については、『市民研通信』第24号(2014年4月号)の記事をご参照ください)。
市民研で作成してきたネゴバトは、どちらかといえば、都市部の企業に勤め始めた新人会社員の物語を想定したものでした。今回、ネゴバトを青森県津軽地域(弘前市東目屋地区)の中高年層の方々に使ってもらおうとしたとき、悩みの内容はもちろん、ルールについても改良が必要ではないか、というアドバイスを地域の公民館スタッフにいただきました。このネゴバト津軽版(東目屋版)の作成プロセスを振り返ってご報告したいと思います。……
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