ピッツバーグ大学がん研究所の『10の予防的手段』

投稿者: | 2009年2月7日

写図表あり
csij-journal 022 cellphone.pdf
ピッツバーグ大学がん研究所の『10の予防的手段』
 科学者たちからの警告の代表的なものの1つに、最近の様々な健康影響研究の結果を分析して、米国のピッツバーグ大学がん研究所がまとめた「10の予防的手段」があります(2008年7月)。この勧告には、米国、フランス、イタリアなどの研究者ら23名が名を連ねています。
 その主だったところを以下に抜粋します。
・携帯電話の電磁波が安全であるとも危険であるとも断定できる確証は得られていない。しかし、電磁波の曝露量は減らした方がよいだろう、と思わせる証拠が次々に上がってきている。
・子どもは大人に比べて脳が小さくて脳組織がまだ柔らかいため、携帯電話の電磁波がより脳の深部にまで浸透する。それを示すのが次のシミュレーション図である。
右の数字はそれぞれの色の帯がどれくらいのSAR値(*)の電磁波に相当するかを示す
(*)SAR値:「Specific Absorption Rate」の略で、電磁波がどれだけ人間の身体に吸収されるかを示す値。
 安全基準である1.6W/kg以下(注:日本では2.0W/kg)の電磁波であっても、有害物質から脳を守るバリアになっている脳血液関門の浸透性が高められ(有害物質の移動の危険性を高め)、ストレス蛋白質の合成を促進してしまう。
 これまでの疫学研究からは、携帯電話をあてる側に生じる聴神経腫や脳腫瘍と携帯電話の使用との相関を示唆するような結果が出ている。
 しかし、現在の研究では携帯電話の長期使用と発がんの因果関係は確証していない。タバコと肺がんの間にみられるような非常に強い相関があるとしても、 15年~35年という長い潜伏期間があるだろうことを考えると、因果関係をはっきりさせることは、非常に難しいかほとんど不可能だと思われる。
 こうした科学的な判断をもとに、
「タバコやアスベストと同様な”予防的手段”が必要である。確証データは得られていないものの、携帯電話の使用に関しては慎重なリスク回避策を講じていくことが重要であることは否定できない」
として、以下の「10の予防的手段」を提唱しています。
 
ピッツバーグ大学がん研究所の『10の予防的手段』
1.緊急時以外には子どもに携帯電話を使わせないこと。成長の途上にある胎児ならびに子どもの組織は、大人より電磁波の影響をはるかに受けやすい。
2.携帯電話で通話するときは、端末を身体からできるだけ離すこと。身体から6センチも離せば電磁波の強さは4分の1にもなる(1メートル近くも離せば、50分の1になる)。スピーカーフォンタイプの装置やヘッドセットを使えば、100分の1以下になる。
3.乗り物の中で使用しないこと。同乗している他人を曝露させることになるから。
4.携帯電話を常時身体に密着して持ち歩かないこと。寝るときに枕元に置くことも止めること。特に妊娠中は厳禁である。そうしたいのなら、電源をオフにすべきである。
5.身体につけて持ち歩かざるを得ないなら、携帯の「向き」に気をつけること。操作キーが並んでいる面を身体の側に向けるようにすること。そうすると、電波が身体を透過する割合が減る。
6.携帯電話の通話時間はできるだけ短くすること。通話時間が長くなればなるほど、身体への影響が大きくなる。これはコードレスフォン(親機と子機)でも同じである。
  7.携帯電話で通話する場合は時々、端末をあてる耳を右側、左側と交互に切り替えること。ま
た、電話をかける場合は、通話相手が電話に出てからはじめて端末を耳に近づけること。これで、強い電波が出ている間の曝露をある程度抑えることができる。
8.電波の弱いところや高速で移動している場合などは、通話しないこと。このような状況では、近接した基地局とつなげるため、最大出力の電波を頻繁に出すことになるから。
9.通話でなくメールで済ませられるなら、そうすること。メールの場合、身体から端末をかなり離した状態で使用するので、曝露量が抑えられる。
10.SAR値の最も小さい機種を選ぶこと。各機種のSAR値はそれぞれのメーカーのホームページに公開されている。

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