高周波電磁波の安全性に関する動向:2014年のレビュー
『市民研通信』第23号(2014年2月)に「携帯電話電磁波の安全性に関する動向:2013年のレビュー」を掲載しました。ここに紹介するのは、その2014年版で、昨年と同様「Electromagnetic Radiation Safety」というウェブサイトに掲載されたものです。このサイトは、カリフォルニア大学バークレイ校の公衆衛生部のモスコビッチ(Joel M. Moskowitz)博士が個人で運営しています。
この記事は、米国を中心に、高周波電磁波について1年間に起きた重要なトピックをまとめたものであり、出典はこのウェブページからリンクされています。
原文は「Wireless Radiation Safety in 2014: The Year in Review」
【翻訳は網代太郎+上田昌文】
pdfファイルはこちらから→csijnewsletter_029_ajiro_20150317.pdf
今年発表された二つの大きな研究が、無線電話(携帯電話及びコードレスフォン)使用で脳腫瘍リスクが増加することを見いだしました。高周波電磁波に関するいくつかの重要な政策対応も、2014年に起こりました。
フランスの研究者は、生涯で896時間以上の携帯電話使用で、脳腫瘍の約3倍の増加を見いだしました。スウェーデンの研究者は、1486時間以上の携帯電話の使用で脳腫瘍の2倍の増加を、そして25年以上の携帯電話とコードレス電話の使用で3倍のリスクを見いだしました。
これらの研究は、2010年に発表された13カ国によるインターフォン調査で見いだされた携帯電話ヘビーユーザーの脳腫瘍リスク上昇に、証拠を付け加えるものです。世界保健機構(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、2011年に高周波電磁波が「ヒトに発がん性があるかもしれない」と発表した際に、インターフォン研究とそれ以前のスウェーデンの研究者による研究を主な根拠にしました。……
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